本記事は、時事ニュースを高級腕時計と絡めた記事となります。記事の内容における画像、記事内容はAIをベースに1次作成したものを編集者にてリライトしております。

こんにちは。高級腕時計といえば、まずロレックスを連想される方も多いのではないでしょうか。
「なぜこんなに高いのに、世界中で売れ続けているのか?」——そんな疑問を持った経験はありませんか?

本記事では、ロレックス公式の資料をもとに、その人気とヒストリーを紐解いていきます。歴史的な発明や実証、独自の品質基準、正規販売網といったブランドの成り立ちに触れることで、その価値と人気の理由を理解いただけるはずです。

さらに後半では、2024年9月の経済情勢をふまえた「資産性」と、需要供給の象徴ともいえるロレックスマラソンについても整理し、投資や資産防衛の観点からも読み解いていきます。

この記事の3行要約

  • ロレックスは発明と実用性の証明、独自基準や正規販売網など「仕組み」で価値を築いてきた。
  • 2025年の経済環境でもドル建ての実物資産としても注目度が高い。
  • 正規店入手困難を象徴する「ロレックスマラソン」は需要と供給のアンバランスを示す。
ロレックス サブマリーナーの公式ビジュアル(引用)
*画像引用元:ROLEX 公式 Submariner

第1章|創業と「腕時計でも高精度は実現できる」という信念

1905年、ハンス・ウイルスドルフはロンドンで会社を創業。1910年には腕時計として世界初のスイス公的検定所によるクロノメーター証明、1914年には英キュー天文台の“Class A”を獲得。小型の腕時計で高精度を実証していきました。

第2章|防水という革命——1926年オイスターと1927年の海峡横断

1926年、世界初の防水・防塵腕時計「オイスター」を発表。翌1927年、泳者メルセデス・グライツの英仏海峡横断で長時間の海水に晒されても正常動作することを実証しました。「広告の前にまず実証」。この姿勢はロレックスの核のひとつと言えるでしょう。

オイスターとメルセデス・グライツ(引用)
*画像引用元:ROLEX Newsroom Waterproofness

第3章|自動巻きの完成——1931年のパーペチュアル・ローター

1931年にロレックスは半月形オシレーターを備えた自動巻き機構「パーペチュアル・ローター」を発明・特許化。高精度・防水・自動巻きが三位一体となり、日常使いできる防水自動巻きの基盤が確立しました。


*画像引用元:ROLEX 公式 Movements

第4章|用途が先にあるデザイン——プロユースから王道へ

ロレックスのプロフェッショナルモデルは、極地・深海・空・サーキットといった現場の要請から生まれました。過酷な環境に負けない設計は、デイリーユースでも安心を与え、普遍のデザインへと昇華し続けています。

エクスプローラー(1953)

エベレスト遠征の知見を反映し、視認性・堅牢性・信頼性を徹底追求した探検時計。

ロレックス エクスプローラー 公式ビジュアル(引用)
*画像引用元:ROLEX 公式 Explorer

サブマリーナー(1953)

100m→200m→300mへと防水性を高め、回転ベゼルなど水中での活動を安全にサポートする仕様を磨き抜いたダイバーズウォッチの王道。

ロレックス サブマリーナー 公式ビジュアル(引用)
*画像引用元:ROLEX 公式 Submariner

GMTマスター(1955 → 現行 GMTマスターII)

ジェット機時代の航空ニーズに応え、ツートンカラーのベゼルで昼夜を識別しつつ複数時刻を一目で把握。

ロレックス GMTマスターII 公式ビジュアル(引用)
*画像引用元:ROLEX Newsroom GMT-Master II

コスモグラフ デイトナ(1963)

プロレーサーのためのツールとして誕生し、時計界において地位を超えた象徴的な存在。タキメーターベゼルと高性能クロノグラフを備えた“厳しい条件下でも信頼性と耐久性が高い”ことが魅力。

ロレックス コスモグラフ デイトナ 公式ビジュアル(引用)
*画像引用元:ROLEX 公式 Daytona

シードゥエラー(1967)

飽和潜水に対応するヘリウムエスケープバルブを搭載し、プロダイバーの安全性に真正面から取り組んだ深海ツール。

ロレックス シードゥエラー 公式ビジュアル(引用)
*画像引用元:ROLEX 公式 Sea-Dweller
出来事/モデル 要点
1905 創業 腕時計の高精度に挑む。
1910/1914 スイス公式クロノメーター/キュー天文台 Class A 小型腕時計で高精度を実証。
1926/1927 オイスター/海峡横断で実証 防水と実証の二段構え。
1931 パーペチュアル・ローター 防水×自動巻×精度の三位一体。
1953 エクスプローラー/サブマリーナー 探検・潜水の実務から誕生。
1955 GMTマスター 航空の複数時刻ニーズに対応。
1963 コスモグラフ デイトナ サーキットの計器として設計。
1967 シードゥエラー ヘリウム排出バルブで飽和潜水に対応。

第5章|スイス一貫体制と素材・機構への継続投資

ロレックスはスイス国内の拠点で設計・製造・検査を完結。金合金は自社鋳造、904L系「オイスタースチール」、高硬度セラミック「セラクロム」、ブルー パラクロム・ヒゲゼンマイ、クロナジー脱進機、パラフレックス耐震(ショックアブソーバー)など、実用性、信頼性に重きを置いた技術へ重点投資しています。

オイスタースチールと素材開発(引用)
*画像引用元:ROLEX 公式 Materials

第6章|完成時計での最終検査——スーパラティブ・クロノメーター

COSC(スイスクロノメーター認定)通過ムーブメントをケース組み上げ後に再検査。2015年の基準再定義で、完成時計で日差 −2/+2秒品質と性能において自社の最高基準を満たしていることを証明するグリーンタグ、国際保証5年を明確化しました。

第7章|買ってからの安心——正規販売網と世界規模のサービス

新品はロレックス正規店のみが販売。購入登録による保証付帯とともに、世界中のロレックス ワールドサービスで長期的なケアが受けられます。

ロレックス ワールドサービス(引用)
*画像引用元:ROLEX 公式 Care & Service

第8章|経済情勢をふまえた高級腕時計の資産性について

*コミット銀座監修冊子【2024年9月度版】の内容抜粋

本章はコミット銀座による経済と高級時計相場の検証になります。なお、コミット銀座のホームページ、YouTubeでも、本レポートのような時計、経済、文化に関するコラムを多く発信しております。

株価も為替も大きく動いた日本経済

2024年7月、1ドル160円台となっていた為替も、約2ヶ月で140円台の前半と、約10%も円高になり、直近の歴史的な円安が是正されました。それに伴い7月19日までは日経平均が40,000円台を保っていたものの、8月5日には31,000円台まで下落しました。(この下落は、近年のAI投資やロボット等の高速取引が影響したとも言われています。)しかし情勢と乖離した下落は反発、是正される傾向もあり、9月12日には36,800円台で推移しました。巷では再度40,000円に達するのでは?などと、よく耳にしますが、実は1ドル160円で42,000円であった日経平均を143円に換算すれば37,500円。ドル建てでの日経平均に関しては誤差の範囲で推移しているのが事実です。このように、時計、アート、不動産、経済市況に関して、ドル建てに換算して現在の価値を包括的に見ることはとても重要な視点です。

経済グローバル化で日本円の減価が顕著に

現在、どの市況においてもグローバル化が進んでおり、外貨が多く流入しているため、今後は外貨建てで資産を見ていく重要性がより高まるでしょう。世界全体がデフレ経済であれば日本円の価値が下落することはありませんが、世界的なインフレの中、日本のみ長期のデフレであったことが、先進国の中で大幅に置いていかれたひとつの要因と言えるでしょう。

日経平均が過去最高値を更新しながらも、物価は上昇傾向にあり、給与(可処分所得)が増えない中で、国内で景気が良いと実感している層は限りなく少ないでしょう。それは、グローバル化と反比例して日本円が大きく減価したからなのです。2024年3月4日、日経平均史上初となる4万円台に突入し、バブル期を上回りましたが、果たしてバブル期と比較して景気が良いと実感している人はいるのでしょうか。

物価も給与も上がらなかった日本

2024年7月に記録した1ドル160円という数字は、数十年ぶりの円安水準とのことですが、いつの時代が適正レートだったのかは定かではありません。ただし、実質実効為替レート(REER)に関しても50年ぶりの円安水準とのことで、日本円が異次元に安く評価されているのが現状です。為替は常に物価を購買する指標であり、これによって世界各地の通貨が正しく是正されるはずですが、この歪みは長らく放置されていました。ただし、現在のニューヨークやハワイでは、ラーメン1杯が2500-4000円、コンビニのおにぎりや水は日本の約2-4倍。韓国ソウルのコンビニですら日本より高いのが現状です。

日本のデフレとゼロ金利政策

日本では長らくデフレが進んでおり、低金利政策が続いてきましたが、2024年3月に日本銀行はマイナス金利政策を解除し、短期金利の誘導目標を0~0.1%程度に引き上げました。しかし昨今、収入は変わらずに物価は上昇。世界の為替相場の中で日本円が大幅に減価し、OECD(経済協力開発機構)加盟国の中でも相対的貧困率が高い水準となっています

通貨には金利がある

米国や欧州は高金利政策でインフレを抑制。FFレート(米国の政策金利)は5%台まで上昇し、現在は3%台に落ち着きつつあります。金利の差は通貨の価値にも影響を与えます。一般的に、金利が低い国から高い国へと資金が移動するため、金利が高い国の通貨は買われやすくなり、通貨高になりやすい傾向があります。日本円は、ゼロ金利政策で資金の流入が限定的であったことなどで、減価(円安)の傾向にあります。

たったの2年で1万円札の価値が約7,500円に目減り

2022〜2023年のインフレと円安のダブルパンチで、日本円の購買力は短期間で25%以上減価。ドル建てで見れば、高級腕時計は実物資産として価値を保ちやすいことがわかります。

30年でようやく高値更新した日経平均と13倍のNYダウ

日経平均が史上最高値を更新しても、NYダウは30年で約13倍。ドル建てという視点から見なければ比較はできません。資産を日本円だけで見ることはリスキーと言えるでしょう。

コロナ禍で大きく変わったマネーの「環境」と「価値」

2020年以降の世界的金融緩和でマネーストックが急増。資金供給が実物資産(時計・不動産・アートなど)の高騰を後押ししました。

リーマンショック後から読み解く為替と国内物価の関連性

高級腕時計の相場は常にドル建てが基軸。例えばデイトナRef.16520は、為替が円高なら国内価格も安くなり、円安なら値上がりします。

需要と供給のバランス

手巻きデイトナやシードゥエラーのコメックスなど、仕様や整合性、希少性で価格が大きく変わります。需要と供給の差が相場を動かすのです。

価格の下落と上昇について

円換算の額面だけを見て「値下がり」と判断するのは尚早です。ドル建てでは価値が維持されていることも多く、短期的な円の変動を反映していることも少なくありません。

日本人の多くが資産=「現金の日本円」を中心に考えている

しかし世界では、現金よりも実物資産の方が通用します。かつて国内で安かったコンビネーションモデルを海外勢が買い占めていたのは、為替と価格差を突いた典型例と言えるでしょう。

実物資産としての高級腕時計の立ち位置

ロレックスはドル建てで価格形成され、実物資産として年々価値を上げています。金やプラチナと同様に、世界的に認められた資産のひとつと言えるでしょう。

日本円は安定資産という幻想

日本円は安全性の高い通貨として、世界経済や地政学上リスクが高まる局面で買われる傾向が継続してきました。「有事の円買い」や「リスクオフの円買い」などと呼ばれるこの傾向が近年変化しており、今や円が安定資産と言える時代ではなくなっています。

キャリートレードとは?

低金利通貨を借りて高金利通貨に投資する手法。円は長年キャリートレードの材料で、円安を招く一因となっています。

お金の価値の減少に気づいていない日本人

物価は変わらないように見えても、世界的に見るとお金の価値は下がっています。輸入品や高級車、時計が高くなっているのはその証拠です。

ガラパゴス状態の日本の思考

「貯金が美徳」という日本の価値観は世界では特殊。資産を守るなら現金偏重を避け、実物資産や株などへ分散すべきです。

リーマンショック後の実物資産の価値の推移

リーマンショック後、株価暴落に合わせて実物資産も一時的に下落しましたが、その後数年で元に戻り、上昇を続けています。時計市場が資産クラスとして成熟したのは2013〜2014年頃です。

フィリップスが仕掛けた腕時計の「実物資産化」

2013年のオークション「DAYTONA LESSON 1」以降、ヴィンテージロレックスが高額で落札されるようになり、腕時計はアートと同様の資産と認知されることとなりました。

「良いもの」に限れば再び価値は上昇し続ける

アート市場同様、暴落しても数年で元に戻り上昇を続ける傾向があります。希少性の高い個体は供給に対して、需要が途絶えないためです。

超高額品だけが「良いもの」ではない

「良いもの」とは必ずしも数千万円する時計のことではありません。希少性や状態、付属品の有無などが高い需要を生みます。

良いものは年々減っていき希少価値が生じる

廃番モデルは増産が不可能であり、個体数が限られています。状態の良いもの、整合性の取れた個体ほど資産性が強まります。

※本章では、統計データを多々用いておりますが、あくまで時計相場の展望を説明しておりますので、引用文献の記載を行いません。データ上の数値の誤差につきましてはご容赦ください。

第9章|ロレックスマラソン——需要と供給の“体験型”現象

ロレックスマラソンとは、人気モデル(デイトナ、サブマリーナー、GMTマスターII、エクスプローラーなど)を正規店で定価購入するために、複数店舗を継続的に巡る行動を指す俗語です。店頭入荷が限られるため、入荷タイミング×来店頻度×コミュニケーションが重要とされます。

  • 象徴:需要>>供給の非対称性(定価販売の希少性)。
  • 効果:定価購入=並行相場との差益(プレミアム)を内包しやすい。
  • 資産性:正規店入手の難しさ自体が、人気と価値の証左として機能。

「買えた瞬間に利益が出る」と語られる背景には、供給制限・厳格な正規流通・堅牢なアフター体制というロレックスの構造があります。もちろん短期の価格変動はあるものの、良い個体は時間とともに再評価されやすい傾向があります。

まとめ|戦略だけではない。「発明→実証→基準→保証→流通」の積み重ねが価値を支える

ロレックスの人気の高さは、巧みな戦略だけでは説明できません。高精度の実証、防水と自動巻きの完成、素材・機構・検査・保証・正規網への投資が“価値が落ちにくい体験”を生み、結果として「高くても選ばれる」へ。さらに2024年の経済環境下では、ドル建ての実物資産としての側面も無視できません。良いものは下がりづらく、求められ続けます。

関連リンク(コミット銀座)

参考文献・引用元(すべて公式)

FAQ

Q1. なぜロレックスは高いのですか?

A. スイス一貫体制、自社鋳造の金合金、オイスタースチール/セラクロム、パラクロム/クロナジー/パラフレックス、完成時計での独自試験(−2/+2秒)と5年保証、厳格な正規販売網と世界的サービス体制という製品中心の仕組みが価格を裏付けます。

Q2. スーパラティブ・クロノメーターとは?

A. COSC通過ムーブメントをケース組み上げ後に再検査するロレックス独自基準。2015年再定義で「日差 −2/+2 秒」「グリーンタグ」「国際保証5年」を明文化しました。

Q3. ロレックスマラソンって何?

A. 人気モデルを正規店で定価購入するために、複数店舗を継続的に巡る行動を指す俗語。需要>供給の非対称性を如実に表しています。

Q4. サブマリーナーとシードゥエラーの違いは?

A. サブマリーナーはダイビング一般(現行300m)に最適化、シードゥエラーは飽和潜水用でヘリウム排出バルブや1220m防水などプロ長期潜水に対応。

Q5. どこで買うのが安心ですか?

A. 新品は正規ロレックス ジュエラーのみ。購入登録により5年保証が確実に付帯し、世界のサービス網が受けられます。

創業期から連なるロレックスの系譜(引用)
*画像引用元:ROLEX 公式 History

監修者のプロフィール

コミット銀座のロゴ

コミット銀座

2015年の会社設立以来、"高く買い、安く売る"をモットーに、顧客第一主義を徹底。価格面におけるメリットのみならず、お客様が安心して買い物出来る環境づくり、お客様に最適な時計の提案も実現。
徐々にお客様からの信頼も得て、多くの顧客様を抱えることに成功。高い知識を要するヴィンテージロレックスや、パテックフィリップを始めとするハイエンド商材の取り扱いを得意とする、新進気鋭の高級腕時計専門店。

時事ニュース