みなさま、こんばんは!

 

機械式時計について技術者視点で語る本コラム。第22回となる今回は、前回に引き続き

 

『天然素材の文字盤について』

 

こちらをテーマにお話ししていきます。

 

 

腕時計の“顔”に例えられ、最も目につくパーツである「文字盤」。時計の印象に与える影響は非常に大きいと言えます。今回は、その中で年々人気が高まっている「天然素材文字盤」を紹介していきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください!

 

 

シェル

 

貝殻を加工した技法のことで、光の角度によって様々な表情を見せる美しさから、様々な時計に採用されています。天然の貝殻から作られるため、一つとして同じ模様はありません。

 

 

中でも最もよく使用されるシェルはマザーオブパール(真珠母貝)。殻を薄く削り、コーティング処理をして文字盤に貼り付けます。白蝶貝から取り出したホワイト・ピンク系がよく見られますが、黒蝶貝から出るブラックも人気ですね。

 

 

”シェル文字盤”の代表選手と言えば【ロレックス】の『デイトジャスト』。多彩なダイヤルデザインを持つドレスウォッチですが、シェルのものはとりわけ独特な質感やラグジュアリーテイストを持ち、人気モデルとなっています。

 

 

メテオライト

 

メテオライトとは宇宙から地球に落ちてくる隕石のことで、その主成分は鉄とニッケル。特殊な処理を施すと現れる帯状の組織が交差した模様が特徴となっていますが、これは地球上では作れないとされる“ウィドマンシュテッテン構造”という隕石独得の結晶構造によるモノとされています。

 

 

地球に落ちてくる隕石の量は非常に少ないため、とても希少な素材であり、更には天然素材でもあるため、同じ模様のものは一つとしてありません。高い人気を誇り続けているのにも頷けますね。

 

 

天然石

 

特別な模様に加えて鮮やかな色や魅力的な質感を有した天然石。こちらを文字盤に使う場合、薄くスライスし、表面に彫刻加工を施すなどの加工が行われますが、割れたり褪色するのを防ぐ処理を施すなど、特別な技術とノウハウが必要とされます。

ここで、数ある天然素材の文字盤の中から、今回は特に人気の高い3種類をご紹介させていただきます。

 

①オニキス 

 

オニキスは和名で「黒瑪瑙(くろめのう)」呼び、ガラス質の光沢をもち、漆黒の深い色味が特徴となっています。

 

 

また、オニキスは厄除け、魔除けの効果があり、護符としてつかわれる昔から人気の高い天然石にもなります。非常に希少性が高く、中古市場でも高額で取引されているモデルが多いです。

 

②ラピスラズリ 

 

ラピスラズリは和名で「瑠璃(るり)」と呼び、深みのある瑠璃色の天然石で、深い青色から藍色、時折黄鉄鉱の粒を含んで夜空の様な輝きを持ちます。非常に細かい結晶がまだらに入り混じって出来ており、鉱物の組み合わせや配合される量により、石のニュアンスも変化します。世界で最初に"パワーストーン"として認められた石は、このラピスラズリだといわれています。「幸運を招く石」といわれ、邪気を退け、正しい判断力を高め、最高の幸運を呼び寄せてくれるとされる縁起の良い天然石です。

 

③ターコイズ

 

ターコイズ(トルコ石)は青色から緑色の色を持つ不透明な鉱物で、薄い水色のものから、濃い青、緑がかった物、黒や茶色の葉脈状の模様があるものと、実に様々な表情を持っています。これは、含有している銅や鉄などによって色合いに違いが出るようです。

 

 

近年大人気の"ターコイズカラー"文字盤。そのオリジナルである天然石"ターコイズ"ももちろん希少で人気の高いモデルの一つに数えられています。

 

 

まとめ

天然素材を使用した時計は、特有の美しさと、唯一無二なの色合い・模様で高貴な印象を与えます。他の人とは一線を画す時計を持ちたい!などとお考えの方は、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

近年では様々な天然素材を使用したモデルを各社出してきておりますので、ご不明な点等ございましたらまずはお気軽にご相談ください。

本記事が皆さまにとって有益な情報となり、高級腕時計に対する興味が少しでも沸いたようであれば幸いでございます!また、ご不明点は直接ご質問いただければしっかりとお答えさせていただきますので、みなさま是非ご来店、お問い合わせをお待ちしております。

次回もお楽しみに!ではまた!