第7回【2025年1月最新】高級腕時計時事ニュース：ダニエルロートの新作と歴史

導入

お客様：
「最近、高級腕時計界隈で注目されているブランドや新作モデルはありますか？ できれば歴史や背景も含めて知りたいです。」

スタッフ（コミット銀座）：
「もちろんでございます。実は今、高級時計ファンの間でダニエルロート（Daniel Roth）というブランドの再興が話題になっています。
今回はそのダニエルロートの歴史から、代表的なモデル、そして最新の新作モデルに至るまで詳しくご紹介してまいります。経済誌さながらの視点で市場動向も踏まえつつ、初心者の方にもわかりやすく解説いたしますね。」

ダニエルロートの歴史

ダニエル・ロート氏は1940年代（1945年とも言われます）フランス生まれで、若い頃にスイスで修業を積みました。オーデマ ピゲやブレゲといった名門メーカーで、トゥールビヨンや永久カレンダー、ミニッツリピーターなどの高度な複雑機構だけでなく、伝統的な装飾技術（ギョーシェやエングレービングなど）を習得。特にブレゲでは1970～1980年代に、ブランド再建の功労者として「近代ブレゲの父」と呼ばれるほどの成果を上げました。

1989年になると独立し、スイスのル・サンティエにて自身の名を冠した「Daniel Roth」を設立。当時まだ珍しかったダブルエリプスケースという独特な形状や、職人技を結集した装飾が大きな話題となり、瞬く間に高級時計愛好家の注目を集めるようになります。1990年代には数々のコンプリケーションモデルを生み出し、現在でもコレクターズアイテムとして高い評価を得ています。
2000年にイタリアの高級宝飾ブランドであるブルガリ（Bvlgari）に買収され、当初は「Daniel Roth」名義で継続していたものの、2010年頃にはブルガリへのブランド統合により一旦表舞台から姿を消してしまいました。しかし、2023年以降、ブルガリ主導で同ブランドがリバイバルされ、再び大きな注目を浴びています。

代表的なモデルとスペック一覧

ここでは、ダニエルロートの代表的なモデルや注目を集めた要素を整理してみましょう。初心者の方でもわかりやすいよう、スペックを表にまとめてご紹介します。

これらのモデルはいずれも高い芸術性と実用性を兼ね備えており、特に1989年～1990年代初期のオリジナルに近い個体はコレクター市場で非常に高い人気を誇ります。ダニエルロート自身の手がけるギョーシェ装飾や、一目でわかるダブルエリプスケースなど、唯一無二のデザインが生きた希少性が評価されているのです。

直近の新作「エクストラ プラット スースクリプション」

お客様：
「最近、ダニエルロートという名前がまた聞かれるようになったのは、リバイバルされた新作があるからなんですね？」

スタッフ：
「はい、そのとおりです。2025年1月にリリースされる『エクストラ プラット スースクリプション』という新作は、ダニエルロート再始動の第二弾として大いに話題を呼んでおります。今回はそのスペックと特徴を詳しく見ていきましょう。」

この「エクストラ プラット スースクリプション」は、ダニエルロートの象徴であるダブルエリプスケースを継承しながら、7.7mmという薄さを実現したドレス系モデルです。価格は4万5000スイスフラン（日本円で約770万円）で、世界限定20本という希少性も相まって、既に非常に高い注目度となっています。実際の市場では資産性の高さを見越して、発売前から予約が殺到しているようです。

以下に主なスペックをまとめます。

今回のモデルはラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンが開発・組み立てを担当し、ケース部分に加えて文字盤のギョーシェ模様にもこだわり抜いた仕上げが施されています。ダニエルロートのデザイン哲学に沿った、クラシカルながらも力強い美しさを存分に感じられる一品と言えるでしょう。

今後の展望

お客様：
「限定20本って、かなり少ないですね。将来的にも入手は難しそうですが、投資的な観点で見ても有望でしょうか？」

スタッフ：
「はい、ダニエルロートの初期モデルが中古市場で依然として高い評価を受けているように、今回の復活モデルも希少価値が高いことが見込まれています。限定本数の少なさや、独立時計師のクラフトマンシップを継承するブランドイメージはコレクターの需要を底支えしやすい傾向がありますね。

また、経済的側面を見ても、LVMHグループ傘下の強力な開発体制やブランド戦略は安定性を提供しており、ブランド価値を長期的に伸ばす可能性も高いと考えられます。特に近年の高級腕時計市場は、世界的なインフレや投資マネーの流入により価格上昇圧力が強く、中古市場の相場も堅調に推移しています。こうした背景からも、ダニエルロートは今後さらに注目を集めるでしょう。」

さらにダニエルロートは、ジャン・アルノー（Jean Arnault）氏など有力な人材の参画により、ハイエンドウォッチのアート性と実用性の両立を新生ブランドとして再提案できるのが強みです。今後は今回の『エクストラ プラット スースクリプション』のような限定モデルだけでなく、通年カタログモデルの充実が見込まれています。特に、ラグジュアリー市場での成長期待が高いアジア圏を中心に、さらなる人気拡大が期待されているのです。

まとめ

お客様：
「ダニエルロートというブランドを初めて知りましたが、ブランドの歴史や新作の魅力が分かりました。とても興味が湧いてきました！」

スタッフ：
「ありがとうございます。ダニエルロートはまさに独立系時計師の魂を持ちつつ、LVMHの支援を受けて新たな展開を迎えています。
初心者の方には、その独創的なケースデザインと伝統的なギョーシェなどの装飾が他ブランドとどう違うのかを知ると面白いですし、コアなコレクターの方には1989年～90年代初期のオリジナルモデルから最新リバイバルに至る歴史的変遷を追うことが醍醐味となります。

価格帯はもちろん高価ではありますが、限られた生産数や丁寧な職人技により、中古市場や投資市場でも評価が高い点が特徴です。『エクストラ プラット スースクリプション』のような最新モデルは、今後のカタログモデルへとつながる布石とも言われています。もしご興味がおありでしたら、コミット銀座でも随時ご相談を承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。