みなさま、こんばんは!
機械式時計について技術者視点で語る本コラム。第24回となる今回は、
『資産価値が高くなるヴィンテージロレックスとは』
こちらをテーマにお話ししていきます。
現行品にはない経年変化の味わいが楽しめることで、愛好家を中心に人気が高まっている「ヴィンテージロレックス」。人気=需要の高まりと共に、近年はその資産性についても注目が集まっています。
当コラムの読者様の中には、資産価値が高くなりやすいヴィンテージロレックスの「条件」や「傾向」について、興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。
資産価値の高いヴィンテージロレックスとは?
一般的に、ヴィンテージロレックスは「オリジナルに近い個体」や「流通量の少ないレアモデル」の資産価値が高くなる傾向にあります。今回は、それを3つの項目に分けて解説したいと思います。
1.整合性が取れた個体
製造、販売された時のオリジナルに近い状態のヴィンテージウォッチは、高値で取引される傾向があり、それはメーカーのアフターサービスポリシーと深く関係しています。
メーカーにオーバーホールを依頼した場合、なるべく新品に近い状態で安心して使用して欲しいというメーカー側の理由で、たとえ使用に問題がない傷みであってもパーツが交換されてしまう事も少なくありません。そうすると、見た目はキレイになりますが、オリジナルの状態からは遠ざかってしまいます。
つまり、古いモデルであればあるほど、何度もオーバーホールが行われている事が通常である為、オリジナルの状態を維持する事は難しい。それゆえ、オリジナルに近い個体は価値が高いと判断されるのです。
同じモデルのヴィンテージでも、見た目が綺麗で部品が変わっているものより、多少の汚れや傷があってもオリジナルに近いものの方が、高値で取引されています。場合によっては、2倍以上の価格差が付くことも。
1963年頃〜1990年代後半までに製造されたロレックスの文字盤や針には、「トリチウム」という夜光塗料が使用されていました。これが、オーバーホール時に交換されると、ルミノバなどの新しい夜光塗料を使用した部品に代わってしまいます。
しかし、トリチウムには経年によって変色を起こしやすいという特徴があり、この経年変化はヴィンテージの大きな魅力のひとつ。個体差はありますが、トリチウムが飴色に変色し、いわゆる「焼けた」状態になると、新品よりも味わい深い雰囲気や佇まいがあるとして、あえて焼けた状態を好むマニアやコレクターも多く、その人気=需要の高さが価格差を生じさせるのです。
ただし、文字盤やケースが交換され、メーカーでしっかりとオーバーホールされたヴィンテージロレックスを安心して日常使用したい、という別の需要もございます。当店では交換部品について明記し、それを加味した適正な価格で販売させていただいておりますので、ご安心ください。
2.特殊な経年変化
通常、経年劣化したものは価値が下がることが一般的ですが、ヴィンテージロレックスの場合は経年による特殊な外見変化があると、逆に価格が上昇することがあります。
とくに、文字盤部分に特徴的な変化が見られるものは、高値で取引される傾向があります。高値がつく可能性の高いヴィンテージロレックスの例を、3つご紹介します。
・トロピカルダイヤル
トロピカルダイヤルとは、もともとブラックのダイヤルが、経年によって茶色く変色した状態の事。高い人気を誇り、高需要であるため資産価値が非常に高いと考えられています。
その個体ならではの、唯一無二の雰囲気を持ったトロピカルダイヤル、やっぱりカッコいい!ですね。
・ブラウンチェンジ(パトリッツィ)
「エルプリデイトナ」の呼び名が定着している「デイトナ エルプリメロ Ref.16520」。そのブラックダイヤルの一部に見られる、インダイヤルが茶色に変色した個体。時計専門のオークションハウス「アンティコルム」の創業者、オズワルド・パトリッツィ氏が発見して世に広めた為、愛好家の間では「パトリッツィ」とも呼ばれています。
色が濃く、均等に変色しているものほど評価が高く、インダイヤルがほぼ黒色まで変色した「ダースベイダー」と呼ばれる個体は、1,000万円以上の高値で取引されることも珍しくありません。
コミット銀座でも、入荷すると即日販売に至ることが多い大人気モデルになります。
3.ダブルネーム
ロレックスには有名ブランドとのコラボモデルが数多く存在し、これを「ダブルネームモデル」といいます。ダブルネームモデルは流通量が非常に少なく、希少価値の高さから価格が高騰し、通常モデルの何倍もの高値で取引されるケースも珍しくありません。
ダブルネームモデルは、ロレックスの知名度を高めたり、販路を広げるために作られたもので、文字盤にはロレックスだけでなく、コラボ相手のブランド名も記載されています。
ロレックスの有名なダブルネームモデルと言えば、まずティファニーの名前が上がりますね。他にもカルティエやコメックスなどとのダブルネームモデルが製造されています。
ダブルネームモデルを購入する際は「真贋」に注意してください。希少性が高く高値で取引されるダブルネームモデルには、文字盤に後から手を加えた「贋作」も少なくありません。中には証明書まで偽装されている場合もありますので、購入を検討する際は、お店選びが非常に重要になってきます。
ダブルネームモデルの真贋鑑定は「腕時計専門店」「鑑定士が経験豊富」「ヴィンテージロレックスの取り扱いが多い」というお店であるほど、信用・信頼がおけます。ダブルネームモデルご購入の際は、この全てに当てはまるコミット銀座に、是非ご相談ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
同一モデルでも価格の幅が大きいヴィンテージロレックス。敷居が高く、なかなか購入に踏み切れない方も多いと思います。不安な点があれば、遠慮なく、お気軽にコミット銀座のスタッフにお尋ねください。
個体ごとの特徴、おすすめポイント、価格の違い、資産性などについて、納得いくまでご説明させていただきます。
本記事が皆さまにとって有益な情報となり、高級腕時計に対する興味が少しでも湧いたようであれば幸いでございます!また、ご不明点は直接ご質問いただければしっかりとお答えさせていただきますので、みなさま是非ご来店、お問い合わせをお待ちしております。
次回もお楽しみに!ではまた!