ハサミの手を持つ人造人間を演じた『シザーハンズ』(1990)でブレイクし、以降、同作のティム・バートン監督とのコンビで『エド・ウッド』(1994)、『スリーピー・ホロウ』(1999)などのマニアックな作品で主演を務め、サブカル映画ファンから熱烈な支持を集めたジョニー・デップ。
2000年代に入ると『パイレーツ・オブ・カリビアン』(2003)シリーズで演じた海賊のジャック・スパロウや、『チャーリーとチョコレート工場』(2005)で演じたウォンカ氏が子供たちに大人気となり、ジョニー・デップはコアな映画ファンだけでなく、ファミリー層からの支持も獲得していきます。
映画やテレビなどで活躍する俳優の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第197弾の今回は、そんなジョニー・デップが着用した腕時計をご紹介して参ります。
コルム
バブル プライベティア【Ref.082-150-20/ F701】
シリーズ2作目となる『パイレーツ・オブ・カリビアン / デッドマンズ・チェスト』(2006)が公開された頃、ジョニー・デップが気に入ってよく着用していた腕時計が、コルム バブル プライベティア(Ref.082-150-20/ F701)。
厚さ11mmのレンズ状の風防を備えたコルムの人気コレクション「バブル」。その中から彼が選んだのは、赤いバンダナを巻いた海賊の髑髏がデザインされた「プレイベティア(国の許可を得て敵国の船を襲撃する海賊船の意味)」でした。
ジャック・スパロウを髣髴とさせる文字盤のデザインだけでなく、ブンドベルトを採用したシルエットが、大ぶりなバングルや、トライバルレザーのアクセサリーを好む彼の腕元のスタイルに、非常にマッチしています。
カルティエ
バロンブルー【Ref.W69016Z4】
2012年にラスベガスで行われたワーナーブラザーズ主催の映像イベント。盟友ティム・バートン監督と共に、主演最新作『ダーク・シャドウ』(2012)のプロモーションのために会場を訪れたジョニー・デップが腕に着けていたのは、カルティエ バロンブルー(Ref.W69016Z4)でした。
カルティエならではのエレガンスに溢れながら、42mmのケース径でインパクトも兼ね備えたメンズラインのバロンブルー。大ぶりなボヘミアン調のターコイズブレスにも負けない、抜群の存在感を示しています。
腕元に目立つアクセサリーを着けるスタイルのファッションを好むジョニー・デップだけに、コルム バブルもバロンブルーも、それらのアクセサリーに負けない、パンチの効いたサイズ感の腕時計を選んでいるように思えます。
タンク【Ref.不明】
最後は彼の主演作『フェイク』(1997)の劇中から。
ニューヨークのマフィア組織に潜入したFBI捜査官のジョー(ジョニー・デップ)は、組織の一員であるレフティ(アル・パチーノ)と出会い、彼の弟分として組織内で頭角を現していく。だが、潜入捜査官としての職責と、根は善良で家族思いのレフティーへの恩義の狭間で、彼の心は揺らいでいく、、、
実在のマフィア組織、ボナンノ一家の大量摘発に貢献した潜入捜査官、ジョー・ピストーネの実録手記に基づくマフィア映画『フェイク』。本作の劇中でジョニー・デップが着用していた腕時計は、カルティエ タンク(Ref.不明)と思われます。
レフティに接触するため「宝石鑑定ができるワル」を演じていたジョー。ジュエラーであるカルティエの腕時計が、彼のキャラクターに説得力を与えています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
コルム バブルやカルティエ バロンブルーなど、どちらかと言えば実用性よりもデザインやエレガンスを優先した腕時計を好んでいるように思えるジョニー・デップ。「ヴィジュアル」に対する人一倍のこだわりが感じられるラインアップとなりました。
女優で元妻、アンバー・ハードからDV被害の告発を受け、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの新作は凍結、『ファンタスティック・ビースト』シリーズのグリンデンバルド役は降板と、近年はプライベートの問題でトラブル続きだったジョニー・デップ。
しかし、裁判ではジョニー・デップ側の言い分が認められ、「DV夫」の容疑が晴れたことで、これらの作品への復帰も噂されています。
また、2024年10月には、画家モディリアーニの生涯を描いた彼の監督作『モディ 狂気の翼に乗った三日間』がヨーロッパで公開になるなど、映画人としての活動も活発化してきたジョニー・デップ。子供から映画マニアまで、全ての人を魅了する彼の演技が再びスクリーンで見られる日も近いかもしれません。
ではまた!