お客様
同じ型番なのに、買取価格が全然違う個体あるじゃないですか。
え、あれって“気分”ですか?(鑑定士の)
え、あれって“気分”ですか?(鑑定士の)
鑑定士
気分でしたら、お客様にお叱りを受けてしまいます。
大きな要因のひとつは コンディション(状態) です。もちろん、仕様の違い(マイナーチェンジ)や付属品も影響しますが、今日はコンディションの話をしましょう。
大きな要因のひとつは コンディション(状態) です。もちろん、仕様の違い(マイナーチェンジ)や付属品も影響しますが、今日はコンディションの話をしましょう。
お客様
コンディション…って、要は「キレイかどうか」?
鑑定士
そうなんですが、もう少し噛み砕きましょう。
たとえ話として… 中古車 を挙げましょう。
たとえ話として… 中古車 を挙げましょう。
鑑定士
(同じ車種でも「走行距離」「事故歴」「修復歴」「内装のヤレ」で値段が違う。時計も似てる。)
① ケース・ベゼルのキズ:浅いキズは“日常の証拠”、深いキズは“事件現場”
お客様
これ、普段使いしてたんで小キズあります。ダメですか?
鑑定士
小キズは全然OKです。
ただ、深い打痕(へこみ) や エッジが潰れてる と話が多少変わります。
ただ、深い打痕(へこみ) や エッジが潰れてる と話が多少変わります。
鑑定士
たとえると、中古車の“スレキズ”は生活の中でついたものだけど、“大きな凹み”があったら「え、何があった?」ってなりますよね。
お客様
凹み…たしかに。
じゃあ、深いのはアウト?
じゃあ、深いのはアウト?
鑑定士
“減額ポイントになりやすい”ですね。
理由は 直すのに手間・コスト が増えるからです。
理由は 直すのに手間・コスト が増えるからです。
② 研磨(ポリッシュ)歴:やりすぎると“顔がのっぺり”する
お客様
じゃあ磨けばピカピカで高くなるんじゃ?
鑑定士
ここが落とし穴です。
軽い研磨 は整うこともあるんですが、
磨きすぎ(痩せ) は価値を落とすことがあります。
軽い研磨 は整うこともあるんですが、
磨きすぎ(痩せ) は価値を落とすことがあります。
鑑定士
オリジナルフォルムが研磨によって変わってしまう。これは目の肥えたコレクターからすると購入をためらう要因になりかねません。
お客様
あるある…輪郭消えるやつ…
時計も“輪郭”あるんですか?
時計も“輪郭”あるんですか?
鑑定士
あります。ケースのエッジ、ラグの立ち上がり、面のシャープさ。
ここが残ってる個体は評価されやすいです。
ここが残ってる個体は評価されやすいです。
③ ブレスの伸び:腕に巻く“はず”が、うどんみたいに垂れる
お客様
ブレスの伸びって、正直よく分からないです。
鑑定士
ざっくり言うと、金属ブレスは使うほど“ゆるく”なります。
鑑定士
時計もブレスが伸びると、見た目や装着感が落ちることがあります。
お客様
うわ…ブレスが“だるんだるん”は嫌ですね。
あと、コマがないとまずい?
あと、コマがないとまずい?
鑑定士
調整して外したコマは大切に保管してください。サイズ調整できない=次の買い手が減るため、減額査定の対象になりえます。もちろん、メーカーに在庫があれば後で購入もできますが、金やプラチナなどコマの素材によっては、かなりのコストとなってしまうのです。
④ 文字盤・針:ここが“顔”。変わってると一気に印象が違う
お客様
文字盤って、傷がなければOKですか?
鑑定士
傷だけじゃなく、シミ・劣化・腐食、
あと重要なのが オリジナル性 です。
あと重要なのが オリジナル性 です。
鑑定士
例えば、再塗装(リダン)っぽい文字盤、
交換針、夜光の色味が不自然…など。
交換針、夜光の色味が不自然…など。
お客様
専門知識や判断ができない初心者からしたら、再塗装(リダン)なんて…怖い。
鑑定士
仮に劣化や腐食があったとしても、無理に自分の判断で修正をせず、専門店に相談することが肝要です。
⑤ 風防・リューズ:小さいパーツほど“地味に効く”
お客様
ガラスに線キズあります。これも減額?
鑑定士
状態と素材次第です。サファイアは研磨できないことが多いので交換になりがち。
たとえると、スマホの画面割れ。使えるけど、気になりますよね。年代によってはガラスの仕様が異なるモデルもあるので注意です。
たとえると、スマホの画面割れ。使えるけど、気になりますよね。年代によってはガラスの仕様が異なるモデルもあるので注意です。
鑑定士
あと、リューズやプッシュボタン。
消耗パーツではありますが、こちらも年代によって異なる仕様があるモデルも存在するためです。
消耗パーツではありますが、こちらも年代によって異なる仕様があるモデルも存在するためです。
⑥ 精度・内部:見えないけど“胃腸”みたいに大事
お客様
でも中身って、見えないじゃないですか。どうやって判断するんです?
鑑定士
まずは外装と同時に、動作・日差(精度)・巻き上げ感などを見ます。
鑑定士
たとえると、人間ドック。見た目元気でも、血液検査で「あれ?」ってなることあります。
お客様
やめて…昨日の健康診断の結果が脳裏に…
⑦ 保管環境:湿気・香水・タバコは、時計に“じわじわ染みる”
お客様
保管ってそんなに影響あります?
鑑定士
あります。湿気でサビ・腐食、レザーストラップの劣化、箱のカビなど。
あと地味に…匂い。香水・タバコは残ることがあります。
あと地味に…匂い。香水・タバコは残ることがあります。
鑑定士
レザーストラップは消耗品ですから、定期的に交換しなければなりませんが、次の購入者からすると交換コストも脳裏をよぎるのです。
コンディション査定の“見られポイント”まとめ(ざっくりチェック)
- 外装:ケース/ベゼルの打痕、エッジの残り、研磨痩せ、ブレス伸び、バックルの摩耗
- パーツ:風防キズ、リューズ/ボタン操作感、ベゼル回転やクリック感(モデルによる)
- 顔まわり:文字盤のシミ・劣化、針の腐食、夜光の色味、オリジナル性
- 中身:精度、巻き上げ感、ローター音、カレンダー送り(モデルによる)
- 付属:箱/保証書/コマ(第1話)、サービス明細や修理伝票(あると強い)
- 保管:湿気・匂い・カビ、ストラップ劣化
※モデルやブランド、年式、素材(SS/金/PT)によって“効き方”は変わります。
結論:同じ型番でも“状態”で価格が変わるのは、だいたい合理的
お客様
なるほど…同じ型番でも“コンディション”が違うと値段変わるんですね。
鑑定士
そうです。
ヴィンテージモデルでは味とも言えますが、新しいモデルだと、コンディションがマイナス査定に直結することも少なくないのです。
ヴィンテージモデルでは味とも言えますが、新しいモデルだと、コンディションがマイナス査定に直結することも少なくないのです。
お客様
気をつけなきゃいけないポイントが分かった気がします…
今日からできる:コンディションを良く見せる3つ
- 査定前に軽く拭く(皮脂や汚れだけで印象が変わる)
- 余りコマ・保証書・明細をまとめる(“整ってる感”が強い)
- 無理に磨かない(迷ったら先に相談。磨きすぎは戻せない)
※研磨やパーツ交換は、モデルによって評価が変わります。判断が難しい場合は、先に写真で相談が安全です。





