皆さまが機械式腕時計を購入する上で、気になる点のひとつが【メンテナンス】ではないでしょうか。腕時計修理は機械式腕時計を所持する方ならば気になるところですし、わたしたちもよくお客様から「3年または5年に一度はオーバーホールしたほうが良いですか?」と、質問をいただきます。

もちろん、時計の使用環境や使用方法によって、この【メンテナンス】の間隔は変わってくると思いますが、キャリバーに塗布されている潤滑油は、使っていない時計でも経年により乾いていきます。潤滑油が少ない、又はほとんどない状態で時計を使用すれば、部品が摩耗したり、部品同士がスレて傷がついたり、最悪の場合は破損などの問題が起こりうる可能性があります。そのため、オーバーホール等のメンテナンスは定期的に必要なのは間違いなく、その頻度のひとつの目安として、5年程度と認識しておくことも良い指標だと思います。

しかしながら、10年以上メンテナンスをしていない個体でも、日差の狂いが少なく、精度が良い時計(個体)もあります。日常使用で違和感を感じた(一日に〇分も進む・遅れる、リューズが重い、ローターに異音がする、デイトの切り替わりがスムーズでない・ズレる等)際に、点検をしてみても良いと思います。

日差(一日にどれくらいズレるか)について言及したのでひとつの見解を伝えておきますと、某ブランドの公式見解として、日差±30秒程度は許容の範囲と謳っていたりもします。日差のズレは気になるところではあるとは思いますが、それが機械式時計だからこその味でもあります。長く使用していきたい大事な時計だからこそ、時計への気配りも心掛けつつ、味も楽しんでいただきたいと思います。

前置きが長くなりましたが、今回はコミット銀座のホームページ《メンズブランド一覧》にあるブランドのカスタマーセンターを紹介していきたいと思います。長文となるため三回にわけ、各回6ブランドをご案内していきますので、ご自身の愛機の管理に役立てて頂ければ幸いです。

*概算料金は全て税込で表記しています。

18ブランドのメンテナンスパート①

①IWC

リシュモングループに属しているIWCは、時計自体が本物であれば、並行輸入品であっても国内正規品と同様のメンテナンスを受けることができます。また、オーバーホール後に修理保証が2年間付保される点も安心ですね。

現在、国際保証期間内の時計をMyIWCに登録すると、通常2年間の国際保証が8年間に延長されるようですので、正規店で購入のお客様は是非登録をしてください。

【連絡先】リシュモンジャパン(株)テクニカルサービス
【電 話】03-5639-7241
【住 所】135-0031 東京都江東区佐賀2-9-8 MSC深川ビル2号館 

【オーバーホール基本料金】
・3針モデル \56,160~
・クロノグラフモデル \69,120~
・手巻きモデル \92,880~
・自動巻きモデル \92,880~
・ムーンフェイズ搭載モデル \79,920~
・パーペチュアルカレンダー搭載モデル \159,840~
・グランド・コンプリケーション搭載モデル \287,280~

*モデルや機能、部品交換などにより追加で料金が加算されます。
*下記URLの「サービス料金計算」から、概算の料金およびカスタマーサービス送付用の無料の送付キットを請求することができます。

【サービス料金計算】

IWC

【ホームページ】

IWC

②ヴァシュロン・コンスタンタン

IWC同様に1996年からリシュモングループに属しているヴァシュロン・コンスタンタンは、時計自体が本物であれば、並行輸入品であっても国内正規品と同様のメンテナンスを受けることができます。また、オーバーホール後、修理保証が2年間付保される点も安心です。

ヴァシュロン・コンスタンタンは、創業時(1755年)からすべての時計の修理が可能で、オーバーホール時のポリッシュもサービスで行ってくれます。

【連絡先】リシュモンジャパン(株)ヴァシュロン・コンスタンタン テクニカルサービス
【電 話】03-5639-7243
【住 所】135-0031 東京都江東区佐賀2-9-8 MSC深川ビル2号館

【オーバーホール基本料金】

・\92,400~

【ホームページ】

ヴァシュロン・コンスタンタン

③ウブロ

2008年よりLVMHに属するウブロ。原則的にLVMHに属する時計ブランドのメンテナンスは、並行差別(国内正規品と並行輸入品との取り扱いの違い)を設けています。しかしながら、ウブロはブライトリング(スタジオ・ブライトリング)やタグ・ホイヤー(エドワードクラブ)のように、会員で分類しているわけではないようです。

また、購入した時計をHublotista.comに登録すると、国際保証が1年間延長されますので、国内正規店でご購入の際は是非登録をしてください。

【連絡先】LVMHウォッチ・ジュエリージャパン(株)
【電 話】(修理)03-5635-7051 受付時間:月~金 10:00~17:00(土・日・祝日休)
【住 所】(修理)〒135-0016 東京都江東区東陽6-3-2 イースト21タワー18階

【オーバーホール基本料金】
・自動巻(3針) \51,150~
・ビッグバン \73,700~
・自動巻(クロノグラフ) \99,000~
・ウニコ(自社製ムーブメント) \138,600~

*ポリッシュはオーバーホールに含まれず。別途 \39,600円~
*修理保証期間:1年間
*見積りキャンセル料:国内は無料、本国スイス送りの場合は\19,800
*国内代理店の保証書がない場合、見積金額の約1.5倍程度加算される可能性がある。
*新型ムーブメント搭載モデルについては、発売から1年間はすべて本国スイス対応。

【ホームページ】

ウブロ

④オーデマ・ピゲ

オーデマ・ピゲはコンプリートメンテナンスサービスを提供しており、購入当初は2年の保証が付保されています。購入から2年以内に公式サイト(ギャランティー記載のQRコードをカメラで読み込む)から延長保証を申し込むと、3年間まで延長が可能です。正規店で購入された方は、延長保証を忘れずにしていただきたいと思います。また、正規店でのオーバーホール後は、2年間の修理保証が付保されます。

【連絡先】オーデマ・ピゲ ジャパン
【電 話】03-6830-0789(土・日・祝を除く10:00〜19:00)
【住 所】〒104-0061 東京都中央区銀座6-5-13 CSSビルディングⅢ 2F 

【オーバーホール基本料金】
・クォーツ \58,300~
・手巻 \90,200~
・自動巻 \110,000~
・クロノグラフ \168,300~
・コンプリケーション \221,100~
・ポリッシュ 本体・尾錠・Dバックル \31,900~

*製造より25年以内の時計(クオーツ時計は15年以内)に限り、それを超えると本国スイス修理になる可能性あり。
*見積料は初回無料、2回目以降は\16,500

【ストラップ専用サロン】

2021年3月に、オーデマ・ピゲ ブティック銀座の2Fにあるカスタマーサービスを拡充させ、ストラップ専用サロンを開設しました。「ロイヤル オーク」「オフショア」「CODE 11.59」など、アリゲーター、カーフ、ラバーといった異なる素材や、豊富なカラーバリエーションのストラップを別売りでラインアップしています。こちらでは、ストラップを購入し、交換も行ってくれます。また、無償で時計のチェックやクリーニングサービスも実施しています。

遠方で来店が難しかったり、時間がない方には、送料無料のピックアップサービスも開始されたようです。ストラップを交換することで、印象が変わったり、素材によっては夏場の汗などによる傷みを抑えることも可能ですので、是非お持ちの方は相談してみてください。

【ホームページ】

オーデマ・ピゲ

⑤オメガ

スウォッチ・グループに属するオメガは、メンテナンス体制も非常にしっかりしていて、銀座の中央通りに立地する「ニコラス・G・ハイエックセンター」はその象徴のように思えます。2018年7月以降のモデルは、保証期間も5年となっていて安心感もありますね。

それ以前のモデルは、それぞれ異なるため確認が必要です。また国内正規品のみでなく、並行店のスタンプでも保証を受けられる点も安心ですね。修理後の保証は2年間付保されます。

【連絡先】オメガ 東京カスタマーサービス
【電 話】03-6254-7300(営業時間: 11:00-19:00)
【住 所】〒104-8188 東京都中央区銀座7-9-18 ニコラス・G・ハイエックセンター5F

【オーバーホール基本料金】
・クォーツ(クロノグラフ以外 非貴金属素材) ¥51,700
・クォーツ(クロノグラフ以外 貴金属素材) ¥63,800
・メカニカル(クロノグラフ以外 非貴金属素材) ¥63,800
・メカニカル(クロノグラフ以外 貴金属素材)¥74,800
・クォーツ(クロノグラフ 非貴金属素材) ¥57,200
・クォーツ(クロノグラフ 貴金属素材) ¥80,300
・メカニカル(クロノグラフ 非貴金属素材) ¥85,800
・メカニカル(クロノグラフ 非貴金属素材) ¥108,900

*非貴金属(ステンレススティール・チタン・セラミック)
*貴金属(シルバー・ゴールド・プラチナ・パラジウム・上記素材を含むコンビモデル)

【ホームページ】

オメガ

⑥カルティエ

1993年からリシュモングループに属しているカルティエは、時計自体が本物であれば並行輸入品であっても国内正規品と同様のメンテナンスを受けることができます。また、オーバーホール後、修理保証は1年付保(コンプリート サービスは2年間)されます。

実はカルティエのコンプリートサービスは、チューダーのそれと似ていて、原則としてキャリバーを新しいものと交換する形になります。キャリバーを新しいものと交換せずオーバーホールの対応を依頼する場合は、本国へ送る形となります。他ブランドとは一線を画すサービス内容ですね。

また、Cartier Careの登録をすることで(保証延長申請が承認された場合)、正規店購入時のカルティエ国際保証2年間に加えて最大6年まで延長することができるようですので、詳細はカルティエ カスタマーサービスセンターにお問い合わせください。

【連絡先】リシュモンジャパン(株)テクニカルサービス
【電 話】03-5639-7251 (9:30~18:00まで営業・土、日、祝日を除く)
【メール】contact.jp@cartier.com
【住 所】〒135-0031 東京都江東区佐賀2-9-8 MSC深川ビル2号館

【オーバーホール基本料金】
・カルティエ タンクフランセーズ(クォーツ) ¥46,200~
・カルティエ ミニパンテール ¥46,200~(税別)
・カルティエ ロードスター クロノグラフ ¥82,500~

*ライトポリッシュはオーバーホール料金に含まれます。
*見積もりキャンセル料は無料(返却の際の送料は自己負担)

【ホームページ】

カルティエ

まとめ

いかがでしたでしょうか。

最後に、時計を購入するうえで、その時計のメンテナンス(オーバーホール)費用をあらかじめ把握しておくことをオススメいたします。

自家用車の車検などとは異なる面もありますが、末永く愛用いただくうえで、やはり維持費は重要となってきます。コンプリケーションモデルともなれば、¥200,000~を超えることも多々あり、定期的に負担しなければならない費用として備えておく必要があります。是非こちらのコラムを参考に購入以前にある程度メンテナンス費用を把握しておいていただければ幸いです。

わたしたちも提携のメンテナンス業者があります。

詳細については下記URLにてご確認いただきたいのですが、メーカー修理よりもお安くメンテナンスすることも可能ですので、お困りの方は是非一度ご相談くださいませ。

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