映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第21弾の今回は、ニコラス・ケイジの腕時計に注目していきたいと思います。

*出典元:https://www.nj.com/

感動のアカデミー賞作品から荒唐無稽なジャンルムーヴィーまで、ありとあらゆる種類の映画で主演をこなすニコラス・ケイジほど、現代の「怪優」と呼ぶにふさわしい俳優は他にいないでしょう。この「怪優」の腕には一体どのような時計が着けられているのか?それでは早速みてまいりましょう。

リービング・ラスベガス

LEAVING LAS VEGAS(1995)

ハリウッドの人気作家・脚本家だった、故ジョン・オブライエンの半自伝小説を映画化。酒が原因で会社をクビになり、妻子にも逃げられたベン(ニコラス・ケイジ)は「死ぬまで酒を飲み続ける」ためにラスベガスを訪れる。そこで出会った娼婦とベンの愛と破滅の日々を描いた、重い重いラブストーリー『リービング・ラスベガス』。

希死観念に囚われたアル中男を演じた本作で、ニコラス・ケイジはアカデミー主演男優賞を受賞。「干渉されたくないが孤独にも耐えられない」という、悲哀に満ちた演技は特筆ものです。

*出典元:https://www.watchuseek.com/

*出典元:https://rare-watch.net/

「93年型のデイトナがたった500ドル?」

酒代にするため、愛用のロレックス デイトナを質に入れてしまうベン。Ref.16520、S番のエルプリメロは、今なら300万~500万円、パトリッツィなら500万~700万円くらいにはなりますので、隔世の感がありますね。とはいえ500ドルというのは90年代当時としてもさすがに安すぎるのではないでしょうか(笑)

この後、いつものように時間を見ようと左手首に目をやるが、もうそこに時計は無いという、時計愛好家なら切なくなること必至のシーンも心に響きます。

マッチスティックメン

Matchstick Men(2003)

強迫性障害で潔癖症の詐欺師ロイ(ニコラス・ケイジ)。別れた妻が生んだ娘アンジェラと出会い、絆を深めていくうち、アンジェラにも自分と同じ詐欺師の素質があることを見抜いたロイは、娘とのコンビで金持ちを騙し、大金をせしめる計画を立てるが…。

*出典元:https://y3p9n5g8.rocketcdn.me/

この映画で天才詐欺師を演じるニコラス・ケイジの腕に着けられているのは、カシオのGショック DW-5600。病的な潔癖症の役(チック症状などの演技が凄いです)だけに、気にせず水洗いできるGショックが選ばれたのかもしれません。

ナショナル・トレジャー

NATIONAL TRESURE(2004)

ニコラス・ケイジ演じるトレジャーハンターがフリーメイソンにまつわる財宝を追い、アメリカの歴史の裏側に迫っていくアドベンチャー大作。大きな声では言えませんがニコラス・ケイジ版『〇ンディー・〇ョーンズ』とお考えいただければ、それほど遠くないと思います。

*出典元:https://productplacementblog.com/
この映画でニコラス・ケイジが身に着けているのは、ロレックス サブマリーナー(Ref.16610)。地下神殿のトラップで水浸しになるなど「ダイバーズ着けてて正解」というシーンもあり。ディズニー制作だけあって、安心してお子様と一緒に楽しめる映画です。

ロード・オブ・ウォー

LORD OF WAR(2005)

利益のためなら敵味方に見境いなく武器を売りさばく、俗にいう「死の商人」をテーマにしたポリティカルサスペンス『ロード・オブ・ウォー』。実在の武器商人への取材を元にして作られており、そのリアリティはお墨付きです。この映画でニコラス・ケイジが演じるのは、まっとうな家業を捨てて転身した新人の武器商人、ユーリ・オルロフ。

*出典元:https://spiremagazine.com/

1984年のレバノン内戦を皮切りに、世界中で様々な相手に武器を売りさばき、利益を上げていくユーリの腕に着けられているのは、プラチナと思われるロレックス デイデイト

*出典元:https://www.pinterest.jp/

「ロード・オブ・ウォー=戦争の支配者」たるもの、最上級の時計を着けるべしという意味合いで選ばれたのか、それともモデルとなった武器商人の愛用時計だったのか、そのあたりは定かではありません。

ペイ・ザ・ゴースト

PAY THE GHOST(2015)

ハロウィンの夜に「幽霊に借りを返して」という謎の言葉を残したまま行方不明となった幼い息子を探す父親、マイクを演じるニコラス・ケイジ。息子を探すうち、300年前に魔女狩りで殺された女の霊の仕業で、毎年、ハロウィンの夜に3人の子供が行方不明になっていることを突き止める。

*出典元:https://bestwatchbrandshq.com/

このいかにもなB級ホラー映画でニコラス・ケイジが身に着けているのは、ハミルトン カーキ。ごく普通の大学講師であるマイクが、ロレックスなどの高級時計を着けているのは少し違和感がありますので、コスパに優れ、ヴィンテージミリタリー風で「画になる」ハミルトンはなかなかのチョイスではないかと思われます。

ネクスト

NEXT(2007)

2分後の未来を知ることができる超能力者とテロリストの戦いを描くSFアクション映画『ネクスト』。『ブレードランナー』の原作者、フィリップ・K・ディックのSF短編小説「ゴールデンマン」の映画化です。

この映画でニコラス・ケイジの手首に着けられているのは、タグホイヤー カレラ CV2010。2005年頃にタグ・ホイヤーのアンバサダーだったブラッド・ピットが広告で着けていたタキメーター・クロノグラフは、海外ではそのまんま「ブラッド・ピット」の愛称で知られるモデルです。

*出典元:https://theclock.fandom.com/

カレラの平面・直線・エッジで構成されたシャープでソリッドなデザインが、スタイリッシュでスピード感あふれるSFアクションの雰囲気にマッチしていますね。

まとめ

いかがだったでしょうか?
さすが当代きっての怪優だけあり、出演する映画のジャンル、役柄から着用時計まで、良く言えば多様性があり、悪く言えば節操がない、バリエーション豊富なラインアップと言えるのではないでしょうか。

*出典元:https://www.spoilerfreemoviesleuth.com/2015/

本来なら『赤ちゃん泥棒』『ワイルド・アット・ハート』『ザ・ロック』『コン・エアー』といった代表作で着用している時計も突き止めたかったのですが、なかなか情報が見つからず叶いませんでした。もしご存知の方がいらっしゃいましたら、コミット銀座がお届けしているYoutubeのコメント欄にタレ込んでいただけましたら幸いです!

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なお、ニコラス・ケイジはプライベートでも大の時計コレクターとして知られており(時計だけでなく、フェラーリ車やアメコミ古書のコレクターでもあるそうです)、ロレックストリプルカレンダー(Ref.6062)を着けた写真などが多数撮影されています。

*出典元:https://www.rolexmagazine.com

しかしそれら散財のせいで、一時期は10億円以上の税金を滞納して不動産を差し押さえられるなどの財政難に陥ったニコラス・ケイジ。ある時期、B級のホラーやアクション映画などに出まくって荒稼ぎしていたのはそのせいではないかとも言われております。

「時計沼」が、一度ハマると抜け出せない底なし沼であるということは、皆様よくご存知かと思います。今回は自戒も含め「何事もほどほどが一番」という言葉で締めさせていただきたいと思います。

でもわかっちゃいるけどやめられない♪
ではまた!

Actor's watch