*出典元:https://www.diastyl.cz/

 

1977年に42歳の若さで亡くなったエルヴィス・プレスリー。レコードやCDの総売り上げは5億枚を超え、数年おきに伝記映画が作られ、ゴシップ紙には「プレスリーは生きていた」というニュースがたびたび報道されるなど、その人気やカリスマ性は、死後40年以上経った今も衰えを知らない「キング・オブ・ロックンロール」。

映画やテレビなどで活躍する俳優の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第193弾の今回は、歌手だけでなく、映画俳優としても数々の作品に主演したエルヴィス・プレスリーの愛用時計をご紹介して参ります。

 

 

ロレックス

サブマリーナー "ビッグクラウン"【Ref.6538】

*出典元:https://www.rolexmagazine.com/

 

人気プレイメイトのステラ・スティーブンスをヒロインに迎えた、プレスリー主演のロマンス映画『ガール!ガール!ガール!』(1962)。劇中では、金のためにナイトクラブの歌手となり、たちまち人気者となる漁船の船長を演じたエルヴィス。その腕に着けられていた腕時計は、ロレックス サブマリーナー(Ref.6538)でした。

リューズガードがなく、大ぶりなリューズを採用している事から「ビッグクラウン」の愛称で知られるこのサブマリーナーは、皆様ご存知の『007/ドクター・ノオ』(1962)の劇中でショーン・コネリーが着用していたモデルと同じ。にも関わらず、プレスリーの「Ref.6538」があまり知られていないのは、大きな声では言えませんが、映画の出来が「アレ」だったからでしょうねぇ、、、

 

 

チェリーニ キングマイダス【Ref.9630】

*出典元:https://www.wristenthusiast.com/

 

現在もテキサス州ヒューストンで毎年行われている、カウボーイの祭典「ヒューストン・ライブストック・ショー&ロデオ」。1970年にこのイベントに参加したエルヴィスがヒューストンのアストロドームで6回の公演を行うと、チケットは全て完売。公演は大成功の裡に幕を下ろしました。

そんなイベントの功労者たるエルヴィスに、主催側が感謝の印として贈ったプレゼントは、パテックフィリップ ノーチラスや、オーデマピゲ ロイヤルオークの生みの親として知られるジェラルド・ジェンタがデザインした金無垢時計、ロレックス キングマイダス(キングミダス)(Ref.9630)でした。こちらは限定1000本のシリアルナンバー入りで、彼に贈られた個体のシリアルナンバーは「No.343」だそうです(写真に刻印があります)。

 

 

オメガ

キャリバー510(Ref.-)

*出典元:https://www.watchobsession.co.uk/

 

1962年2月、エルヴィスのレコードの売上が7500万枚に達したことを記念するチャリティーコンサートが開催されました。この時、彼が生涯在籍したレコード会社「RCA」がエルヴィスに贈った腕時計が、こちらのオメガ キャリバー510(Ref.-)。ホワイトゴールドケースに44石のダイヤがセッティングされた豪華な一本です。

エルヴィス・プレスリー・ミュージアム創設者による証明書や、彼が着用した写真も残るこの腕時計は、2018年のフィリップス・オークションで1億6千万円という、オメガの腕時計としては当時の過去最高額でオメガミュージアムが落札。現在は、ミュージアムの貴重なコレクションとして所蔵されています。

 

 

ハミルトン

ベンチュラRef.-

*出典元:https://www.hamiltonwatch.com/

 

ハワイの美しい景観をバックに、観光ガイドを演じるエルヴィスが数々のヒット曲を歌う青春ミュージカル映画『ブルー・ハワイ』(1961)。映画の冒頭、兵役姿の彼が着用していた腕時計は、ハミルトン ベンチュラ(Ref.-)でした。

アメリカの高級車、キャデラックのデザイナーとして知られるリチャード・アービブがデザインしたベンチュラは、世界初の電池式腕時計という斬新さだけに留まらず、当時としては非常にアバンギャルドな「左右非対称の三角形」のフォルムを持つ腕時計。60年代当時の既成概念に囚われない若者たちに愛されたベンチュラは、現代でもハミルトンのアイコンウォッチとして人気を博しています。

エルヴィスはこの革新的な腕時計、ベンチュラを気に入り、映画の中だけでなくプライベートでも愛用し、また、知人にプレゼントすることもあったそうです。

 

 

まとめ

*出典元:https://www.imdb.com/

 

いかがでしたでしょうか。

「ロックンロール」の創始者として、またアメリカン・ドリームの象徴として、彼の人生は何度も伝記映画化されており、『ザ・シンガー』(1977)ではカート・ラッセルが、『エルヴィス』(2022)ではオースティン・バトラーがエルヴィス役を熱演。いずれの作品も高い評価を受けています。

黒人音楽であるブルースと、白人音楽のカントリー&ウェスタンを融合させた、革新的なムーブメント「ロックンロール」を、保守層からのバッシングを受けながら世に広めた「キング・オブ・ロックンロール」、エルヴィス・プレスリー。

いつまでも衰えない彼の人気と同じく、彼が愛用した腕時計たちもまた、忘れ去られることなく、いつまでも人々の心に残り続けるのではないかと思います。

ではまた!

Actor's watch