かつてハリウッド女優が着ける腕時計といえば、カルティエやブルガリといったジュエラーの腕時計が多かったものですが、ジェンダーに囚われた表現が好まれなくなってきた近年は、スクリーンの中でもプライベートでも、メンズの腕時計を着ける女優たちが増えているようです。
映画やテレビなどで活躍する俳優の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第190弾の今回は、そんなロレックスのメンズモデルを着用するハリウッド女優たちをご紹介して参ります。
ジェニファー・アニストン
ミルガウス ブラックDLC カスタム【Ref.116400】
テレビドラマ『フレンズ』(1994)のレイチェル役でブレイクし、2000年にはブラット・ピットと結婚、2005年に離婚し、現在は「ブラピの元妻」のイメージが強いジェニファー・アニストン。個人的には、アニメ映画『アイアン・ジャイアント』(1999)で演じた、主人公の少年のシングルマザー、アニー役が強く印象に残っています。
そんな彼女が愛用する腕時計は、主演作『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(2008)のプロモーションや、癌治療のチャリティーイベントなどで着用していた、ロレックス ミルガウス ブラックDLC カスタム(Ref.116400)。
ブラックDLCでコーティングしたカスタムロレックスは、彼女の他にも『アイアンマン』(2008)のロバート・ダウニーJrや、『ジュラシック・ワールド / 新たなる支配者』(2022)のジェフ・ゴールドブラムらも愛用しており、ハリウッドには愛用者が少なくないようです。
シャーリーズ・セロン
シードゥエラー ディープシー【Ref.116660】
殺し屋の恋人を演じた『2 days トゥー・デイズ』(1996)で大胆なヌードやラブシーンを披露し、以降、セクシーなブロンド美女役として多くの映画に出演して人気女優となったシャーリーズ・セロン。そんな彼女の転機となった作品が、主演・製作を務めた『モンスター』(2003)。15kgも体重を増やし、7人の男性を殺害して死刑となった実在の売春婦、アイリーン・ウォーノスを演じてアカデミー主演女優賞の栄冠に輝いたシャーリーズ・セロンは、演技派の本格女優として開眼することになります。
熱狂的なファンを生んだアクション映画『マッドマックス 怒りのデスロード』(2015)では、自ら丸坊主になることを監督に提案し、復讐に燃える戦う女「フュリオサ」を熱演。個人的にはシャーリーズ・セロンといえば「フュリオサ」の雄姿が真っ先に思い浮かびます。
2010年4月、NBAのレイカーズ戦の観客席に姿を見せたシャーリーズ・セロン。フードを口に運ぶ彼女の手元に着けられていたのは、ロレックス シードゥエラー ディープシー(Ref.116660)でした。フュリオサを演じる5年前の写真ですが、この頃から既に「戦う女」に最も似合いそうなデカい&ゴツいロレックスを選んでいた彼女。さすがのチョイスです。
フローレンス・ピュー
サブマリーナー【Ref.116618】
ホラー映画『ミッドサマー』(2019)のヒロイン役で注目され、アカデミー賞で7部門の受賞に輝いた『オッペンハイマー』(2023)でも重要なキャラクターを演じた、いまハリウッドで最も期待されている女優と言っても過言ではないフローレンス・ピュー。情緒不安定なヒロインを演じさせたらピカイチの雰囲気を感じさせます。
名優モーガン・フリーマンとの初共演となった彼女の主演作『87分の1の人生』(2023)の中では、彼女は金無垢のロレックス サブマリーナー(Ref.116618)を着用。彼女の人生に転機をもたらす高額な父の形見として描かれています。
ひと昔前なら、そういう役割を担う腕時計は、誰が見ても高額とわかる「ギラギラ輝く宝飾時計」でしたが、その座は今や、ロレックスのスポーツモデルに取って代わられております。
ゼンデイヤ
デイトナ【Ref.116500LN】
トム・ホランド主演の『スパイダーマン』三部作(2017~)でヒロインを演じ、ヒュー・ジャックマンと共演した『グレイテスト・ショーマン』(2017)、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のSF超大作『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)でも存在感を示したゼンデイヤ。大ヒットホラー『ミッドサマー』のアリ・アスター監督がプロデューサーを務める新作映画『ザ・ドラマ(原題)』への出演交渉中というニュースも飛び込んできており、ホラー映画好きとしてはゼンデイヤに注目せざるを得ない今日この頃です。
さて、そんな彼女が2022年にショッピング中の姿をパパラッチされた時に着用していた腕時計は、ホワイト文字盤のロレックス デイトナ(Ref.116500LN)でした。ゼンデイヤは現在、『スパイダーマン』三部作で共演したトム・ホランドと交際しており、そのトム・ホランドもこれと同じロレックス デイトナを愛用中。ペアで所有しているのか、仲良く共用しているのか、気になるところです。
【トム・ホランドの愛用時計】はコチラ
👉 Actor’s Watch #163 【スパイダーマン】 トム・ホランドの愛用時計
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ミルガウス、ディープシー、サブマリーナー、デイトナと、40mm以上のケース径のロレックスが並びましたが、いまや、女優がこのようなメンズのロレックスを着けていたとしても、違和感を感じる方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。時代が移り変わるスピードの速さを思い知らされます。
とは言うものの、遡れば、1960年代の映画の中にもメンズのロレックスを着用する女性キャラクターは既に登場していました。上の写真は、『007 / ゴールドフィンガー』(1964)に登場する悪役ボンドガール、プッシー・ガロア。捕らえたジェームズ・ボンドを、自ら操縦する飛行機で連行する男勝りの美悪女の腕には、いかにもパイロットらしく、ロレックスの初代GMTマスター(Ref.6542)が着けられておりました。
これはつまり、60年もの昔に、やがてメンズのロレックスを女性が着用する時代が来るであろうことをハリウッドが予測していた、ということ。映画文化が時代を先取りする先進性に驚かされます。
映画を見れば腕時計の未来がわかる、かもしれません。
ではまた!