
機械式時計を選ぶ際、皆さんはどこに注目されるでしょうか。
多くの方は"デザイン性"や"機能性"、"資産性"とお答えになると思います。もちろん見た目やリセールというのは非常に重要なポイントになりますが、ここにブランドやモデルの歴史的背景、年代毎のマイナーチェンジなど、知識や理解が増えることで、さらに時計が好きになり、選ぶ楽しみを味わえるのではないでしょうか。 本コラムでは、初心者、上級者を問わず、機械式時計に関する知識を一つでも多くお伝えし、皆さまの時計選びの参考となるよう徹底解剖、徹底解説してまいります。
今回は【ロレックス】『GMTマスターⅡ』「Ref.126710BLRO・Ref.126710BLNR・Ref.126720VTNR・Ref.126710GRNR」にフォーカスを当ててお話ししていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
第四世代 GMTマスターⅡ Ref.126710BLRO・Ref.126710BLNR・Ref.126720VTNR・Ref.126710GRNR
2018年、【ロレックス】は次世代の『GMTマスターⅡ』として、待望のペプシベゼルを備えた「Ref.126710BLRO」を発表しました。
新開発の「Cal.3285」を搭載し、パワーリザーブが約70時間に向上。ケースやブレスレットの仕上げも刷新され、より洗練された高級感を備えた現代『GMTマスターⅡ』の代表格です。
その後、2019年に「Ref.126710BLNR(通称バットマン)」、2022年には左リューズ+グリーン×ブラックベゼルが話題となった「Ref.126720VTNR(通称スプライト)」、2023年にはブラック×グレーベゼルの「Ref.126710GRNR」が登場し、現行ラインナップがさらに多彩に展開されることとなりました。
基本スペック
・製造期間
126710BLRO:2018年〜
126710BLNR:2019年〜
126720VTNR:2022年〜
126710GRNR:2023年〜
・ケースサイズ:40mm
・ベゼル:回転式 24時間目盛り入りセラクロム製インサート
・風防:サファイアクリスタル
・防水性能:100m
・ムーブメント:Cal.3285
・ブレスレット:ジュビリーブレスレット/オイスターブレスレット
ダイヤルと夜光仕様
夜光
すべてのモデルにロレックス独自のクロマライト夜光を採用。
青く発光し、長時間の視認性と高い耐久性を誇ります。
ダイヤルバリエーション
ロゴ表記はすべて「GMT-MASTER Ⅱ」タイプ。
ブラックダイヤルのみの展開だが、ベゼルカラーとの組み合わせにより個性が明確に分かれます。
ベゼル
Ref.126710BLRO

クラシックかつ復刻を待ち望まれた伝統カラーであるブルー×レッドの通称”ペプシ”。初期(2018年頃)は色味薄い仕様になっており、Mk.1と呼ばれプレミア価格になっています。

※2021年まではジュビリーブレスレットのみの展開
Ref.126710BLNR

ブルー×ブラックのクールな配色が魅力である通称”バットマン”。「Ref.116710BLNR」との見た目の違いは少ないが、“SWISS MADE”の間にある王冠マークや搭載ムーブメントで差別化。
※2021年まではジュビリーブレスレットのみの展開
Ref.126720VTNR

グリーン×ブラックベゼル、シリーズ初の左リューズ&逆配置カレンダー仕様で、独特の存在感を持つ通称”スプライト”。初のグリーンベゼル+レフティー仕様として話題を呼び、初期デリバリー時は500〜600万円と言う価格まで高騰しました。
Ref.126710GRNR

アラビア語市場向けに先行公開され、2023年に正式登場。グレー×ブラックの落ち着いたモノトーン配色で、ビジネスにも合わせやすい一本です。
ブレスレット
ジュビリーブレスレット(69200)

オイスターブレスレット(79200)

いずれも、クラスプにはイージーリンク機構(約5mm延長調整)が搭載されており、快適性と実用性を両立。
ムーブメント
全モデルに「Cal.3285」を搭載。「Cal.3186」の後継機であり、以下の特徴を持ちます。
・パラクロム・ヒゲゼンマイ&クロナジー脱進機を採用し、耐磁性・耐衝撃性が向上
・振動数:28,800回/時
・パワーリザーブ:約70時間
・デイト機能付きGMT表示
・クロノメーター認定
まとめ
第四世代『GMTマスターⅡ』は、デザイン・性能・個性の三拍子を兼ね備えた現代のフラッグシップコレクションです。
「Ref.126710BLRO」と「Ref.126710BLNR」は、それぞれクラシックな魅力とクールな印象を持ち、多くのファンを魅了。「Ref.126720VTNR」は革新的な左リューズ設計と新配色で異彩を放ち、「Ref.126710GRNR」は落ち着きのある新たな選択肢として注目を集めています。
現行モデルながらも、それぞれが独自のストーリーと個性を持っており、用途やファッションに応じて選べる多様性が大きな魅力です。
今後も新しいバリエーションの登場が期待される中で、これら4本はコレクションとしても資産性の高い存在と言えるでしょう。





