機械式時計を選ぶ際、皆さんはどこに注目されるでしょうか。
多くの方は"デザイン性"や"機能性"、"資産性"とお答えになると思います。もちろん見た目やリセールというのは非常に重要なポイントになりますが、ここにブランドやモデルの歴史的背景、年代毎のマイナーチェンジなど、知識や理解が増えることで、さらに時計が好きになり、選ぶ楽しみを味わえるのではないでしょうか。 本コラムでは、初心者、上級者を問わず、機械式時計に関する知識を一つでも多くお伝えし、皆さまの時計選びの参考となるよう徹底解剖、徹底解説してまいります。
今回は【ロレックス】『サブマリーナー』「Ref.116613、126613」にフォーカスを当ててお話ししていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
第四世代ロレゾール・サブマリーナー Ref.116613
2009年に登場した「Ref.116613」は、ステンレススチールと18Kイエローゴールドを組み合わせた「ロレゾール」仕様の第4世代サブマリーナーデイト。堅牢なダイバーズ性能にラグジュアリー感を融合させ、ブルー(LB)とブラック(LN)の2色展開で人気を集めました。セラクロムベゼルとマキシダイヤルを採用したことで、耐久性と視認性を飛躍的に高めたモデルです。
基本スペック
製造年:2009〜2020年頃
ケース:40mm
素材:SS/18KYG
ベゼル:セラクロム製逆回転防止ベゼル
防水性能:300m
ムーブメント:Cal.3135
ラグとケースが厚みを増し、全体的に重厚感がアップ。従来モデルよりも一段と高級感を放つデザインへ進化しました。
ダイヤル
〇116613LB(初期ブルーラッカー)
〇116613LB(後期サンレイブルー)
〇116613LN(ブラックラッカー)
116613LB(ブルー文字盤)は金無垢モデル同様、初期生産のマットダイヤル(ラッカー)からサンレイ仕上げの鮮やかなブルーへと変更しています。LN(ブラック文字盤)はラッカー仕上げの艶やかなブラックを採用。インデックスと針は大型化した「マキシダイヤル」で、暗所でも高い視認性を誇ります。
また、コンビモデルにもダイヤモンドインデックスをあしらったモデルが存在します。
〇116613GLB(ブルーラッカーダイヤインデックス)
夜光
クロマライト夜光を採用。青く長時間発光し、夜間のダイビングでも抜群の視認性を確保しています。
ベゼル
ブルーまたはブラックのセラクロム製インサートを採用。PVDコーティングされたゴールドの目盛りが際立ち、傷に強く退色もほとんどない点が特徴です。
ムーブメント
「Cal.3135」を搭載。1988年から長く【ロレックス】を支えた名機で、信頼性・耐久性・精度のすべてにおいて高い評価を得ています。
第五世代ロレゾール・サブマリーナー Ref.126613
2020年に登場した「Ref.126613」は、最新キャリバー「Cal.3235」を搭載した第5世代サブマリーナー。ケース径は41mmに拡大されつつ、ラグ幅をスリム化し、バランスの取れたシルエットへ刷新されました。ロレゾール特有の華やかさと最新技術が融合した現行コンビネーションモデルです。
基本スペック
製造年:2020年頃〜
ケース:41mm
素材:SS/18KYG
ベゼル:セラクロム製逆回転防止ベゼル
防水性能:300m
ムーブメント:Cal.3235
新設計ケースにより装着感が向上。1mm大きくなったケース径ながら、全体の印象はよりスマートに仕上げられています。
ダイヤル
〇126613LB(サンレイ仕上げのブルー)
〇126613LN(ラッカー仕上げのブラック)
126613LBは生産当初からサンレイ仕上げのブルー、LNはラッカー仕上げのブラックを採用。いずれも前モデル同様にマキシダイヤル仕様で視認性に優れています。ブルー文字盤は従来よりもさらに発色が鮮やかになり、ラグジュアリー感が一層高まりました。
また、現在のところ、前モデルでラインアップされていたダイヤインデックス仕様は登場しておりません。
「Ref.116613」と「Ref.126613」の見分け方は、ダイヤル6時位置の“SWISS MADE”の間に新キャリバー搭載の証である王冠マークが入っていれば「Ref.126613」になります。
また、LBに関してはレターの色も異なり、「Ref.116613」はゴールドレター、「Ref.126613」がホワイトレターに変更されている点も判別ポイントになります。
夜光
クロマライト夜光を継続採用。青く発光し、暗所での判読性はもちろん、長時間の発光持続力も高水準です。
ベゼル
ブルーまたはブラックのセラクロム製インサートを搭載。ゴールドの目盛りはPVDコーティングで仕上げられ、耐傷性と高級感を両立しています。こちらも前モデル同様で継続採用されています。
ムーブメント
ロレックスが新たに開発した新ムーブメント「Cal.3235」を搭載。クロナジー脱進機を備え、耐磁性・耐衝撃性に優れ、約70時間のパワーリザーブを誇ります。精度と信頼性がさらに向上しました。
まとめ
2009年登場の第4世代ロレゾールモデル「Ref.116613」は、セラクロムベゼルとマキシダイヤルで耐久性・視認性・高級感を一気に引き上げた完成度の高いコンビモデルとなっています。
また、2020年登場の第5世代「Ref.126613」は、41mmケースと最新ムーブメント「Cal.3235」を搭載、より洗練されたデザインと実用性を備えた現行コンビモデルと言えるでしょう。
どちらもサブマリーナーにラグジュアリーを融合させた「ロレゾール」ラインを代表する存在であり、時代ごとの技術進化を象徴する2本といえます。
それではまた次のモデル解説でお会いしましょう!
ではまた!!