
機械式時計を選ぶ際、皆さんはどこに注目されるでしょうか。
多くの方は"デザイン性"や"機能性"、"資産性"とお答えになると思います。もちろん見た目やリセールというのは非常に重要なポイントになりますが、ここにブランドやモデルの歴史的背景、年代毎のマイナーチェンジなど、知識や理解が増えることで、さらに時計が好きになり、選ぶ楽しみを味わえるのではないでしょうか。 本コラムでは、初心者、上級者を問わず、機械式時計に関する知識を一つでも多くお伝えし、皆さまの時計選びの参考となるよう徹底解剖、徹底解説してまいります。
今回は【ロレックス】『GMTマスターⅡ』「Ref.116710LN・Ref.116710BLNR」にフォーカスを当ててお話ししていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
GMTマスターII Ref.116710LN / Ref.116710BLNR
2007年、【ロレックス】は『GMTマスターⅡ』のデザインと機能を一新した新世代モデルとして「Ref.116710LN」を発表しました。ケースやブレスレット、ムーブメントの大幅なアップデートに加え、ベゼルには傷や退色に強いセラクロム製インサートを採用。『GMTマスター』誕生以来続く機能性と堅牢性に、現代的な高級感を融合させたモデルとなっています。
2013年には、『GMTマスターⅡ』初のブルー×ブラックのツートーンセラクロムベゼルを備えた「Ref.116710BLNR(通称バットマン)」が登場。視認性の高さと独特の配色から、現行モデルの中でも特に人気を博しました。
基本スペック
・製造期間
Ref.116710LN:2007年〜2019年
Ref.116710BLNR:2013年〜2019年
・ケースサイズ:40mm
・ベゼル:回転式 24時間目盛り入りセラクロム製インサート
・風防:サファイアクリスタル
・防水性能:100m
・ムーブメント:Cal.3186
・ブレスレット:オイスターブレスレット(Ref.78200)
ダイヤルと夜光仕様
夜光
①ルミノバ夜光
初期「Ref.116710LN」ではグリーン発光のルミノバ夜光を採用。暗所での視認性が高く、退色にも強い仕様です。
②クロマライト夜光
「Ref.116710LN」後期仕様および「Ref.116710BLNR」では、【ロレックス】独自のクロマライト夜光を採用。青く発光し、長時間の輝度維持性能を誇ります。
ダイヤルバリエーション

①モデルロゴタイプ
オーソドックスな「GMT-MASTER II」のロゴ。
②レクタンギュラー
「II」の上下の横線が短く、縦長に見えるタイプ。
③スティック
「II」に上下の横線がない書体。2009年製以降に稀に見られるレア仕様。
ベゼル
Ref.116710LN

ブラック単色セラクロムベゼルは落ち着きのある精悍な印象で、フォーマルからカジュアルまで幅広く対応。セラクロムは耐傷性・耐紫外線性に優れ、経年劣化による退色がほぼありません。
Ref.116710BLNR

ツートーンセラクロムベゼルはコレクション初のブルー×ブラックの配色で、昼夜の判別を視覚的にサポート。通称「バットマン」の愛称で親しまれています。
ブレスレット
オイスターブレスレット:78200
クラスプにイージーリンク(5mm延長調整)機構付きのオイスターロッククラスプを採用し、着用感と利便性が大きく向上しています。

2015年の夏頃からクラスプの仕様が梨地から鏡面へと変わっています。それにより価格も異なるのもポイントです。
※画像上部が梨地、下部が鏡面。
ムーブメント
「Ref.116710LN/Ref.116710BLNR」には、「Cal.3185」を進化させた「Cal.3186」を搭載。
・ブルーパラクロム・ヒゲゼンマイ採用で耐磁性・耐衝撃性が向上。
・24時間針の動きがスムーズになり、GMT機能の操作性が改善。
・振動数28,800/時、パワーリザーブ約48時間。
まとめ
「Ref.116710LN」は、『GMTマスターⅡ』におけるデザイン刷新の先駆けであり、耐久性と高級感を大幅に向上させたモデル。
「Ref.116710BLNR」はその個性をさらに際立たせ、現代『GMTマスターⅡ』の象徴的存在となりました。
生産終了後も人気が衰えることはなく、現在も市場で高い評価を維持。特に状態の良い個体やフルセット品は入手困難となりつつあります。
セラクロムベゼルと最新スペックを備えながら、現行とは異なる味わいを持つ「Ref.116710LN/Ref.116710BLNR」は、コレクションはもちろん実用性にも優れた魅力的な一本です。
それではまた次のモデル解説でお会いしましょう!
ではまた!!





