2025年も高級時計業界にとって印象的な一年となりました。

過熱ムードが一服した時期がここ数年続いていましたが、2025年後半から再び盛り上がりをみせ、一部モデルの価格高騰が見受けられるようになりました。特に定番モデルや、根強い人気モデルに需要が集中している傾向も見られ、二極化が進んでいるように感じている方もいるのではないでしょうか。そんな中、多くの人気と支持を獲得しながら、2025年に惜しまれつつ生産終了(ディスコン)となった人気モデルが存在しています。

そこで今回は、2025年の動きを振り返りながら、ディスコンとなった人気モデルを紹介していきたいと思います。是非、最後までお楽しみください。

①【パテックフィリップ】『ノーチラス』「Ref.5712/1A-001」

基本スペック
製造年:2006〜2025年
ケース:40mm
素材:SS
防水性能:30m防水
ムーブメント:自動巻き:Cal.240 PS IRM C LU

2006年の『ノーチラス』誕生30周年に登場して以来、約19年の長きにわたり「プチコン」の愛称で親しまれた傑作SSモデルが、ついにラインナップから姿を消しました。マイクロローターを採用した超薄型ムーブメントにより、多機能ながら8.52mmという驚異的な薄さを実現。左右非対称のダイアルレイアウトは、ジェラルド・ジェンタのオリジナルデザインに唯一無二の個性を加え、SSモデルの中でも屈指の人気を誇りました。生産終了のアナウンスを受け、二次流通市場でのプレミアム価格はさらに加速しています。

②【パテックフィリップ】『アクアノート』「Ref.5167/1A-001」

基本スペック
製造年:2007〜2025年頃
ケース:40.8mm
素材:SS
防水性能:30m防水
ムーブメント:自動巻き:Cal.324 S C または Cal.26-330 S C

『アクアノート』の代名詞とも言える「Ref.5167」シリーズのうち、ステンレスブレスレット仕様の「5167/1A」が生産終了となりました。トロピカルバンド(ラバー)仕様がアクアノートの定番ですが、このブレスレットモデルは「ラグジュアリー・スポーツ」としての実用性と高級感をより強調した存在でした。後継機の噂が絶えない中でのディスコン(生産終了)となり、【パテックフィリップ】のスポーツモデルにおける世代交代を強く印象付ける出来事となりました。

 

③【ロレックス】『オイスターパーペチュアル』「Ref.124300 セレブレーション文字盤」

基本スペック
製造年:2023〜2025年頃
ケース:41mm
素材:SS
防水性能:100m防水
ムーブメント:自動巻き:Cal.3230

2023年に発表され、そのポップなデザインで世界を驚かせた「セレブレーションモチーフ」が、わずか2年という短期間で生産終了となりました。ターコイズブルーをベースに、歴代のラッカーカラーを散りばめた文字盤は、【ロレックス】としては極めて異例の遊び心に溢れたモデルでした。製造期間が極端に短いことから、コレクターズアイテムとしての価値が確定したと言えるのではないでしょうか。41mmだけでなく、36mm、31mmの全サイズが同時に廃盤となっています。

④【ロレックス】『ヨットマスター』「Ref.226659 ファルコンズアイ」

基本スペック
製造年:2022〜2025年頃
ケース:42mm
素材:18KWG
防水性能:100m防水
ムーブメント: 自動巻き:Cal.3235

ホワイトゴールドの『ヨットマスター42』にラインナップされていた、天然石「ファルコンズアイ」ダイアルがカタログから消えました。独特の青みがかった縞模様を持つこのダイアルは、一点一点表情が異なる希少性から高い支持を得ていましたが、登場からわずか3年でのディスコンとなりました。現行の『ヨットマスター42』はブラックダイアルとチタンモデルに集約され、天然石のミステリアスな魅力を持つこちらの「ファルコンズアイ」ダイアルは、これまでも流通数が少なかった分、より一層希少性が高まることでしょう。当店にも入荷実績がなく、今後の動向が楽しみなモデルのひとつです。

出典元 ”ロレックス” https://www.rolex.com/

まとめ

2025年の生産終了モデルを振り返ると、【パテックフィリップ】は長年ブランドを支えた「顔」とも言えるSSスポーツモデルの整理を行い、【ロレックス】は特色あるモデルを短期間で予定通り生産終了させたという対照的な動きが見て取れます。これらのモデルの「最終年式」は、今後さらに重要なポイントになっていくことでしょう。

また、【オーデマピゲ】、【ヴァシュロンコンスタンタン】については、目立つような人気主要モデルのディスコンはなく、ラインアップを拡充する年となった印象です。
今後、生産終了モデルは二次流通市場でしか入手することができなくなりますので、お探しの方がいらっしゃいましたら、入荷案内のご登録をオススメいたします。

ご興味ある時計がございましたら、この機会に是非インタレスト(再入荷希望)をご登録ください。

監修者のプロフィール

下川裕の写真

下川 裕(しもかわ ゆう)

高級腕時計専門店 コミット銀座 シニアアドバイザー / 鑑定士歴:2014年~現在

34歳 群馬県出身

大学卒業後に某ブランド買取・販売店に就職。各種ブランド品を幅広く見ている中で、高級腕時計の虜に。
高い向上心から、専門性の高い知見を有していることでも著名な鑑定士 阿部・金子が在籍しているコミット銀座へ入社。10年以上の鑑定士キャリアを持ちながらも、時計に対する勤勉で真摯な姿勢は、多くのお客様の心を鷲掴みにし、指名して来店いただくことも多数。今後のコミット銀座を担うまさに中心人物。

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