極悪非道な強盗団と暴力刑事の血みどろの戦いを描いた、フランス映画界を代表するバイオレンスアクション映画『ドーベルマン』(1997)。本作で強盗団のリーダーを演じたヴァンサン・カッセルは、アクの強さとクールさを兼ね備えたその演技と、190cm近い長身から、日本の映画ファンから「フランスの松田優作」と呼ばれることに。その後はハリウッドに進出し、『オーシャンズ12』(2004)や『ジェイソン・ボーン』(2016)などにも出演。クセのある演技でファンを魅了し続けています。
映画やテレビなどで活躍する映画人の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。第207弾の今回は、そんなヴァンサン・カッセルが着用した腕時計をご紹介して参ります。
オーデマピゲ
ロイヤルオーク ジャンボ エクストラシン【Ref.15202ST.OO.1240ST.01】
こちらは2022年のヴェネツィア国際映画祭のヒトコマ。当時の妻でモデルのティナ・クナキーをエスコートしてレッドカーペットに登場したヴァンサン・カッセル。ベージュのセットアップをカジュアルに着こなした彼の袖から覗いている腕時計は、オーデマピゲ ロイヤルオーク ジャンボ エクストラシン(Ref.15202ST.OO.1240ST.01)と思われます。
文字盤の色に近いネイビーのポロシャツをチョイスし、ベージュとブルーでまとめたシンプルなスタイリング。派手目なハリウッドスターとは一味違う、いかにもフランスのスター俳優という佇まいを感じさせます。
ちなみにこの腕時計には、ブルーグレーに近いダイヤルカラーの前期型と、ブルーの色味が鮮やかな後期型の違いがあります。写真のモデルの色味は、私には後期型のように見えますが、皆様はどちらに思われましたでしょうか?
オーデマピゲ
CODE 11.59 バイ オーデマピゲスターホイール【Ref.15212NB.OO.A002KB.01】
続いては2024年に行われたパリオリンピックからのヒトコマ。開会式には大勢のアスリートやセレブが集いましたが、その中にヴァンサン・カッセルの姿もありました。新たなパートナーのナラ・バプティスタと夫婦揃ってカジュアルな装いで式に参加したヴァンサン・カッセル。その腕に着けられていた腕時計は、オーデマピゲ CODE 11.59 バイ オーデマピゲ スターホイール(Ref.15212NB.OO.A002KB.01)でした。
時(アワー)を示す3つのディスクが回転し、文字盤の上部120°に記された00~60のミニッツトラックを指し示すという、独自の「ワンダリングアワーコンプリケーション機構」を搭載。星空のようなアベンチュリンダイヤルと、惑星の公転のようなアワーディスクの動きが相まって、スペーシーな浮遊感を漂わせるモデルです。
ルイヴィトン
タンブール【Ref.Q1122】
最後は大ヒット映画『オーシャンズ12』(2004)のワンシーンから。ジョージ・クルーニー演じる大泥棒、ダニー・オーシャンにライバル心を燃やすフランスの怪盗「ナイト・フォックス」を演じたヴァンサン・カッセル。彼が劇中で着用していた腕時計は、ルイヴィトン タンブール(Ref.Q1122)でした。
ナイト・フォックスは、大富豪のイタリア貴族の子孫で、金と暇を持て余して泥棒稼業を始めた洒落者のフランス人という設定のキャラクター。スイスではなくフランスを代表するラグジュアリーブランド、ルイヴィトンの腕時計が選ばれたのは、その設定が理由でしょう。絵に描いたような伊達男の腕にはピッタリの一本です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
プライベートではオーデマピゲを愛用しているヴァンサン・カッセル。今回ご紹介した以外にも、複数のロイヤルオークやCODE 11.59を着用している姿が目撃されており、それらをシーンやスタイリングに合わせて使い分ける、充実したウォッチライフを満喫しているようです。
ワイルドな風貌に鋭い眼光、その長身などから、今まではギャングや犯罪者などといった悪役のイメージが強かったヴァンサン・カッセル。そんな彼も、還暦を間近に控えた近年は柔和な雰囲気を醸し出し始め、自閉症の子供たちをケアする施設を守るために尽力する男たちの奮闘を描いた『スペシャルズ! ?政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話?』(2019)では、心優しき施設の運営者を好演するなど、新境地を開拓しつつあるようです。
とは言うものの、ファンとしては『ドーベルマン』での狂犬のような彼の演技を再び観たいというのが正直なところ。ヴァンサン・カッセル主演の『ドーベルマン2』、誰か製作してくれないかなぁ、、、
ではまた!