アカデミー賞を5部門受賞した名作『グラディエーター』(2000)。その24年ぶりの続編『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』がいよいよ公開となり、話題となっています。本作の主役は、前作でラッセル・クロウが演じた剣闘士マキシマスの息子、ルシアス。スターとしての頭角を現しつつある若手俳優、ポール・メスカルがこのルシアスを演じています。
映画やテレビなどで活躍する映画人の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。第200弾の今回は、ポール・メスカルが着用した腕時計をご紹介して参ります。
カルティエ
ファバージ【Ref.78101】
2023年9月に開催されたラグビーワールドカップ。アイルランド出身のポール・メスカルは、同じアイルランド人の俳優仲間であるシアーシャ・ローナンと共に、アイルランド対スコットランド戦をパブで観戦。36対14でアイルランドが見事に勝利を収め、サムズアップでご満悦なお二人です。
この時、ポール・メスカルが着用していた腕時計は、カルティエ黄金期のウォッチデザインを復興させた、1970年代の「ルイ カルティエ コレクション」のひとつ、カルティエ タンク ファバージ(Ref.78101)と思われます。
いかにもスポーツ観戦らしい、Tシャツにデニムというラフなスタイルのポール・メスカルですが、そこにヴィンテージのカルティエを合わせることで、少し大人っぽい雰囲気も醸し出されています。
ゴンドーロ【Ref.17010】
続いては2024年10月。カルティエ ロンドンで行われた、『グラディエーターⅡ』出演者のディナー会。デンゼル・ワシントンやコニー・ニールセンなど、同作の共演者たちと共にカルティエを訪れたポール・メスカルがこの時に着用していた腕時計は、1977年製のカルティエ ゴンドーロ(Ref.17010)でした。
こちらも前述のファバージと同じく、「ルイ カルティエ コレクション」のひとつとして知られているモデル。横幅27mmという、現代ではレディース相応サイズのヴィンテージウォッチですが、ポール・メスカルはエレガントに違和感なく着けこなしています。
プチ サントス【1963年製】
最後は2024年11月、『グラディエーターⅡ』のロンドンプレミアのレッドカーペットから。グッチのタキシードと変形襟のシャツにポール・メスカルが合わせたのは、またまたヴィンテージのカルティエ プチサントス(1963年製)でした。写真を見てもわかる通り、メンズウォッチとしては明らかに小さいサイズですが、タキシードに合わせた事で、洒脱でドレッシーな雰囲気に仕上がっています。
近年、ハリウッドの若手スターの間では小さめなサイズの腕時計が流行しつつあるようで、『DUNE/デューン 砂の惑星』のティモシー・シャラメも、男性向けの「LM」サイズではなく、あえて小ぶりな「SM」サイズのカルティエを着けている姿が目撃されています。ポール・メスカルも、そのトレンドを自分のスタイリングに積極的に取り入れているようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
実は、ポール・メスカルは2023年からカルティエのアンバサダーを務めており、カルティエの腕時計が並ぶであろう事は想定しておりましたが、リサーチの結果、それが1960~70年代の希少なヴィンテージばかりであったことは少々意外でした。
聞くところによると、彼が着用したヴィンテージウォッチは、彼自身がカルティエのアーカイブから選び出したものとの事。つまり、彼が着けている腕時計は「アンバサダーとしてのお仕事」以上の、彼のこだわりが表現されたものであると言えるでしょう。
ヒューマンドラマでの陰のある若者役など、どちらかというと大人しい役柄が多かったポール・メスカル。『グラディエーターⅡ』の剣闘士役への抜擢は、ファンとしては意外でしたが、リドリー・スコット監督からの覚えもめでたく、監督の次回作の主演を再び務めるのではないかとも噂されています。
今まさに、スターへの階段を一気に駆け上がっている真っ最中の彼が、今後も小ぶりでエレガントなドレスウォッチを着け続けるのか、どこかのタイミングでロレックスやパテックフィリップのスポーツウォッチを着け始めるのか、動向を楽しみにチェックしていきたいと思います。
ではまた!