みなさま、こんばんは!

 

 

機械式時計について技術者視点で語る本コラム。第47回となる今回は、

『2022年の高級時計バブルはなぜ起きたのか』

こちらをテーマにお話ししていきます。

 


ここ数年で一部の高級時計の価格が”異常なほど”上がったのは、時計好きなら誰もが実感している事実です。

ロレックス、パテックフィリップ、オーデマ・ピゲ。 10年前までは定価に近い金額で取引されていたモデルが、気づけば2倍、3倍に。多くの時計が投資対象のように扱われることに、違和感を覚えた方も多いのではないでしょうか。特に、2020年から2022年にかけては、バブルと言える高騰を見せました。

そこで今回は、2020年代前半の時計バブルと、現在の相場について、わかりやすく解説していきたいと思います。

 

 

コロナショックが引き金


高級時計バブルのスタートは、皆さんご存じのように2020年のコロナショックです。世界中でロックダウンが起き、

・工場の稼働が止まる
・物流が止まる
・ブティックが閉まる

こうした状況で、新品の時計が市場にほとんど出回らなくなりました。一方で、富裕層はどうなったかというと、

・旅行に行けない
・高級レストランに行けない
・お金の使い道がない

結果として、時計にお金が集中しました。需要は増えるが、供給は止まる。相場が上がるのは自然なことでした。

 

 

SNSが欲望を過度に増幅

 

この時期、InstagramやYouTube、TikTokを始めとしたSNSで高級時計の投稿が爆発的に増えました。

・「ロレックスマラソン完走!」
・「正規店で購入できました!」
・「定価〇〇円が2倍に!」

高級時計が”ステータス”から”資産”として認知された瞬間です。SNSは比較と承認欲求を刺激します。

「自分も欲しい」「早く買わないと乗り遅れる」

こういった感情が、需要をさらに加速させました。

 

 

投資から投機へ


2020年以降、世界的に金利は超低水準。株式、仮想通貨、トレーディングカードなど、あらゆるものが投機対象になりました。時計も例外ではなく、その対象として注目を浴びることに。

ポイントは、「流動性」。

ロレックス、パテックフィリップ、オーデマピゲの人気モデルは、世界中で現金化できる。つまり「動かせる資産」として認識されたのです。「着ける」より「保証書の日付が若いうちに売る」未使用の時計が増えたのも、この時代の特徴です。

 

 

通好みのブランドも投機対象に

 

ムーブメントや外装の造りも、仕上げも素晴らしい。でも一般市場では名前が通じない。例えていうと、独立系マイクロブランドや、老舗の小規模ブランド。これらは時計としては最高に魅力的でも、売却時に大きく値を下げてしまうものがほとんどです。しかし2022年の時計バブル末期には、こうした時計たちにも投機の目が向けられ、異常な値上がりを見せました。

でもやはり、投資では「誰もが知っていること」が最大の武器。2023年以降、金利上昇とともに投機マネーが引き上げられ、通好みブランドの相場は大きく崩れました。

 

 

バブルが教えてくれたこと

 

このバブルで分かったのは、

・高級時計は資産になる
・しかし投機に向いているわけではない
・本質は”その時計の背景を理解することができるか”

ということ。価格が上がっても下がっても、良い時計の価値をしっかりと見いだせるものを選びましょう。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

歴史を見れば、バブルはいつか必ず終わります。最後に残るのは、本当に美しく、長く愛される時計だけ。

現在、一部の人気モデルは2022年を上回る相場を形成している反面、非常に魅力的なプライスで素晴らしい時計たちが販売されてもいます。時計を投資ではなく、”人生の道具”として選ぶチャンスかもしれません。

本記事が皆さまにとって有益な情報となり、高級腕時計に対する興味が少しでも湧いたようであれば幸いでございます!また、ご不明点は直接ご質問いただければしっかりとお答えさせていただきますので、みなさま是非ご来店、お問い合わせをお待ちしております。

次回もお楽しみに!ではまた!

監修者のプロフィール

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コミット銀座

2015年の会社設立以来、"高く買い、安く売る"をモットーに、顧客第一主義を徹底。価格面におけるメリットのみならず、お客様が安心して買い物出来る環境づくり、お客様に最適な時計の提案も実現。
徐々にお客様からの信頼も得て、多くの顧客様を抱えることに成功。高い知識を要するヴィンテージロレックスや、パテックフィリップを始めとするハイエンド商材の取り扱いを得意とする、新進気鋭の高級腕時計専門店。

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