みなさん、こんばんは。

本日のパテックフィリップ論は、複雑三大機構を備えた超絶モデル『ミニット・リピーター トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー』「Ref.5207G-001」が入荷致しましたので、ご紹介していきたいと思います。ここまでの超絶モデルは、過去にも数本しか扱った事がなく、前回のアラーム・トラベルタイム同様、またまた熱が入っております。是非ともみなさま最後までお楽しみください。

「Ref.5207G-001」
『ミニット・リピーター トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー』
18KWG

2018年の新作として発表されたこちらは、18KWG(ホワイトゴールド)ケースに手彫金による装飾を加え、ゴールド植字インデックスとブルーソレイユ文字盤が、美しさをこれでもかと引き立たせている1本です。

公式サイトによると、ミニット・リピーター、トゥールビヨン、瞬時日送り式窓表示永久カレンダーを搭載した【パテックフィリップ】の現行コレクション唯一の時計とのことです。

ちなみに、このクラスの時計になると、価格も”リクエストにより”と書かれており、その時の為替により価格が一円単位で変わると言われております。お金がないと買えないのは大前提ですが、【パテックフィリップ】が所有するに値する人物かどうかの審査もあるようで、それを聞くだけでも私には恐れ多いモデルであります。(笑)

今でこそ良く見るデザインですが、「ダイヤル上部に弧を描く様に配置された独特の三つのカレンダー窓」は、今までの【パテックフィリップ】の古典や伝統を重んじていたデザインとは全くもって真逆と解釈され、これは、2004年に発表された”トノーシェイプ”通称”カレンダリオ ”「Ref.5135」から始まっています。

※参照:CHRISTIE’S

今回ご紹介している「Ref.5207G-001」は、三つの窓のカレンダー表示こそ同じですが、永久カレンダー(パーペチュアルカレンダー)機構を搭載しているので、文字盤4時-5時の間に閏年表示窓、同じく7時-8時の間に昼夜表示窓があります。午前0時になると曜日、日付、月、閏年が瞬時に切り替わる瞬間日送り式なのです。

実は、前述したアニュアルカレンダー搭載の「Ref.5135」や「Ref.5960」の日付の変わり方は独特で、0時過ぎると一瞬右にズレてから真ん中に戻ります。一方で、今回ご紹介している「Ref.5207G-001」はそのようなストレスがなく、大袈裟に聞こえるかもしれませんが、”パシャッ”と音がするくらい、気持ち良くカレンダーが全て切り替わり、その様子は圧巻です。

正面から見ると、『アニュアルカレンダー』「Ref.5205」に似ていますが、こちらはケースサイズが1mm(Ref.5207=41mm)大きく、ケースサイドの仕上げも異なります。

手彫金によって装飾が加えられた仕上がりは、特別なモデルに相応しい美しい仕上りといえるでしょう。

ケースサイド9時側に配されたリピーターのスライドレバーにも装飾が加えられており、三大複雑機構を有するモデルに相応しい、とても丁寧な仕上げとなっております。このケースサイドから見る光景は、まさに美しいの一言ですね。それでありながら、ケースの厚みもわずが13.81mmに抑えられているのは”さすが【パテックフィリップ】”の一言につきます。

続いてムーブメント。とにかく美しいの一言に尽きますね。テンプは60秒間で1回転するトゥールビヨン。これにより姿勢差を打ち消し、高い精度を誇ります。そして写真右の二つのハンマーでムーブメント外周を囲むゴングを打ち、音色で時を知らせるミニット・リピーター。

《ミニット・リピーター》のおさらい

▶アワー  (1時間刻み)=低音・・・時間に合わせ最大12回鳴ります。
▶クォーター( 15分刻み)=高音+低音で1セット・・・45分まで最大3回鳴ります。
▶ミニッツ ( 1分刻み)=高音・・・最大14回鳴ります。

例【12時59分】
❶低音で12回鳴ります。
❷次に高音と低音のセットで3回鳴り(45分)
❸最後に高音が14回鳴ることで59分となる(45+14分)

文章で読むと複雑ですが、音を聞きながらだとすぐにご理解いただけるかと思います。

付属品は完備。箱はびっくりするほど大きい特別な仕様となっています。アディショナルで付属しているクローズドバック(裏ブタ)と、カレンダー調整用のセッティングピンもついており、保管状態も良くとても綺麗です。

保証書日付は2020年。現在の国内正規販売価格は、残念ながら”リクエストによる”と書かれているため分かり兼ねますが、1億円に届くところ、もしくはほど近い値段と想像出来ます。

気になる当店での販売価格は、84,150,000円(税込)

国内外問わず、二次流通市場で販売されている個体は極めて少なく、【パテックフィリップ】の国内正規販売価格が2月から改定されるとも言われているため、簡単に言えるモデルではございませんが、ご購入を検討できる方にはオススメできる個体であります。

まとめ

前回の『アラーム・トラベルタイム』「Ref.5520P-001」に続き、今回も超絶モデルをご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

もちろん、他にも魅力的な【パテックフィリップ】の時計が続々と入荷しておりますので、ホームページや新着LINE@もチェックしていただけますと幸いです。

このような状況下でありながら、連日多数のお客様にご来店をいただき、スタッフ一同大変嬉しく、感謝しております。引き続き、皆様の楽しい時計ライフの手助けを出来るよう、精進してまいります。

では、また!

阿部泰治のパテック論