みなさん、こんにちは。

本日はコミット銀座に【パテックフィリップ】待望のモデルが入荷いたしましたので、そちらをご紹介させていただきます。コミット銀座は実はすでに一度移転をしているのですが、今の場所に移転する前の旧店舗の時に、このモデルのシルバー文字盤を販売したことがございます。と、何が言いたいかと言いますと、6年で2回しか取り扱っていない、それほどなかなか出会えない個体ということです。

なかなかお目にかかれない個体となりますので、是非とも最後まで楽しんでお読みいただければと思います。それでは、早速ご紹介していきたいと思います。

「Ref.5204P-011」 パーペチュアルカレンダー・クロノスプリット Platinum

冒頭でも話をしていますが、2012年新作「Ref.5204P-001」は、レマニアベースのムーブメントを搭載した「Ref.5004」の後継機として発表されました。
文字盤はシルバーで、実際に時計を手に取って見ていない時点での印象は「Ref.5004」と大きさ、文字盤デザイン、ともに様変わりしており、私自身は戸惑いがあったのを覚えています。
ただそこにはもちろん、【パテックフィリップ】なりの様々な理由があり、実際にコミットで取り扱いをした時にとてもカッコよく完成されたデザイン、時計であることを実感しました。

今回ご紹介するモデルは、2014年のバーゼルに新作として発表された「Ref.5204P」の黒文字盤です。【パテックフィリップ】のモデルの中で、Platinum(プラチナ)ケース×黒文字盤の組み合わせは、全てに存在する訳ではなく、とりわけ上位モデルに多いと思われます。私の中で常々思うのが、価格は別として【パテックフィリップ】のモデルで通常に買うことが出来、上がり時計に位置するのが、パーペチュアルカレンダー ・クロノスプリットであると思っています。今回、こちらを販売させていただける話をいただき、居ても立っても居られないほど興奮しました。(笑)

文字盤デザインは、12時位置にある曜日・月を表示するカレンダーの小窓が「Ref.5004」と比べると大きくなり、表示も黒地に白文字と、非常に見やすくなった印象です。

閏年も4時位置と5時位置の間に数字で表示される別窓が配され、7時位置と8時位置の間には白と青で昼夜が分かる窓が備わりました。

6時位置にあるムーンフェイズも、今まで上部にくり抜かれていた窓が下部となり、大胆なデザイン変更であると思います。ムーンフェイズの外周にある日付の表示も、数字が大きくなり見やすくなりましたね。

また、完全自社ムーブメント「CHR 29-535 PS Q」の搭載により、3時位置と9時位置にあるインダイヤルが中央よりやや下に下がったのも特徴です。このインダイヤルの配置は、クロノグラフの「Ref.5170」でも見られ、レマニアベースのムーブメントを搭載した「Ref.5070」「Ref.3970」「Ref.5004」に見慣れていた私にとっては、最初こそ違和感を感じたのですが、今となっては全く気にはならず、さすが【パテックフィリップ】といったところです。

また、時・分針と文字盤インデックスに夜光が入ることにより、夜間での視認性が向上し、それまでは伝統を重んじてきた感が強いブランドが、日常での着用も考え、実用性の向上にも力を入れていることが伺えます。

ケース径が36.7mmから40.2mmとサイズアップしたことにより、小さいながらも存在感のあった「Ref.5004」よりさらに存在感が増し、しっかりとしたラグもインパクト大で、左右どちらから見ても非の打ち所がないケースデザインであると思います。

ケース6時位置には、プラチナケースのみに許されたダイヤモンドがセッティングされており、差別化されているのもしっかりと分かりますね。

スケルトンバックから覗くムーブメントは、先代のレマニアベース「Cal.CH 27-70 Q」から完全自社開発・製造の「Cal.CH 29-535 PS Q」へと変更となりました。一つ一つのパーツへの細かな仕上げも含めて【パテックフィリップ】の物作りへの拘り、伝統と技術が詰まっているのがひと目で分かりますね。


ムーブメントを見ていると、思わずうっとりとしてしまい、ずっと見ていても飽きないほどです。パーペチュアルカレンダーにクロノグラフ、ましてやスプリットセコンドを搭載している訳ですから、それもそのはずですね。(笑)

横から見ると分かりますが、ケース厚も14.3mmでストレスのないサイズ感です。個人的には、このぽってり感が好きであります(笑)

付属品ですが、流石にこのクラスになってくると保証書類を納めるレザー製のパスケースも、高級感がある仕様となっております。どの機能を搭載するモデルからこの仕様になっているかはハッキリとは分かり兼ねますが、パーペチュアルカレンダー・クロノグラフのモデルは違う仕様となっているため、差別化もしっかりと感じられます。

箱もアディショナルで付属しているクローズドバック(裏ブタ)と、カレンダー調整用のセッティングピンがセット出来る仕様になっております。付属品も完備で、保管状態も良くとても綺麗です。保証書日付は2015年7月。販売時の国内定価は、35,758,800円(8%税込)です。

こちらのプラチナケースのモデルは、惜しまれつつも2019年に生産終了となりました。特に黒文字盤を探されている方は多いと思います。使用による多少のスレや小キズはありますが、着用感少なく、過去にポリッシングも入っていないと思われるコンディションの良い時計です。そういった点も含めて私が力説してオススメ出来ます。(笑)

現行モデルは、革ベルトの仕様は18KRG(ローズゴールド)ケースのみで、国内定価35,596,000円(税込)。

現時点でプラチナケースのモデルがあったと仮定すると国内定価は4000万円近くでもおかしくないと思います。

気になるコミットでの販売価格ですが、30,998,000円(税込)

国内外のサイトを見ても、販売数自体少なく、ましてやこの価格で販売されている時計もなく、とてもリーズナブルな価格であると思います。

まとめ

今回は、コミットで初となる待望の「Ref.5204P」の黒文字盤の入荷ということもあり、私もかなり熱が入ってしまいました(笑)

「Ref.5204」につきましては、同じくPlatinum(プラチナ)ケースのシルバー文字盤、18KRG(ローズゴールド)ケースでブレスレット仕様の黒文字盤の販売実績がございます。

このクラスのモデルは私が大好きであり、コミットが得意としているモデルであります。
ご売却、ご購入をご検討されている方がいらっしゃいましたら、何なりとお問い合わせ、ご相談ください。

では、また!

阿部泰治のパテック論