みなさん、こんばんは。

 

 

今回は、5月28(水)~29日(木)香港で開催された【Christie's(クリスティーズ) の時計オークション結果をお伝えしていきます!残念ながら、私は現地に赴くことは出来ませんでしたが、当店スタッフの数名は実際に現地を訪れて、オークションプレビューにも足を運んでおります。見聞きした情報も踏まえながら、早速見ていきましょう!

※価格については、オークション会社支払分の手数料(26%)も含んだ金額となっております。
※日本円につきましては、オークション開催時の直近レートを参照しております。
※HKD(香港ドル)=18.36円
※画像は全てChristie's参照

 

 

Lot.2237
『クロノグラフ』
「Ref.5170P-001」PT

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6533285?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 320,000 – 650,000
(JPY 5,875,200 – 11,934,000)

Sold for HKD 604,800(JPY 11,104,128)

2017年の新作として発表され、完全自社開発製造の手巻き式ムーブメント「Cal.CH 29-535 PS」を搭載した『クロノグラフ』「Ref.5170P-001」。

PT(プラチナ)ケースにグラデーション掛かったブルー文字盤、バゲットカットのダイヤモンドが配されたインデックスと、ゴージャスな雰囲気のこちらは、「Ref.5170」シリーズの最終モデルにまさに相応しいモデルだと思います。生産期間も短く、2017年に発表されてから僅か2年ほどで生産が終了となったため、探されている方も多く、当店でも入荷すると、比較的早くに販売へと繋がる人気モデルでもあります。

 

 

Lot.2241
『ワールドタイム クロワゾネ』
「Ref.5231J-001」18KYG

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6533293?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 550,000 1,100,000
(JPY 10,098,000 – 20,196,000)

Sold for HKD 630,000(JPY 11,566,800)

現代版『ワールドタイム』の三代目に当たる「Ref.5230」をベースに、インダイヤル中央部分にクロワゾネ本七宝を施して、2019年に発表された『ワールドタイムクロワゾネ』「Ref.5231J-001」。

従来の『ワールドタイム』と比べて、リューズがなくなり、ベゼル、ラグの形状なども変わるなど、よりクラシックな印象となり、名作「Ref.2523-1」を彷彿とさせるデザインへと変更されました。文字盤中央部分には「Ref.5131J-001」と同様に、美しいクロワゾネ本七宝で描かれた大西洋を中心としたヨーロッパ、アフリカ大陸、南北アメリカ大陸を見ることが出来ます。『ワールドタイム クロワゾネ』シリーズの中でも最も美しい色使いと評されているモデルでもあります。

 

 

Lot.2248
『パーペチュアルカレンダー クロノスプリット』
「Ref.5004P-021」PT

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6533307?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 1,600,000 3,200,000
(JPY 29,376,000 – 58,752,000)

Sold for HKD 2,394,000(JPY 43,953,840)

2025年の【PHILLIPPS(フィリップス)】香港オークションにも出品されていた「Ref.5004P-021」。

こちらは、フォールディングバックルではなくピンバックル(尾錠)の仕様となっており、クローズドバックが付属されておりませんでしたが、保証書日付が2008年と、比較的高年に販売がされている個体であったため、落札価格はそれなりに伸長したのではないかと思います。日常使いを考えると高年式の個体はオススメですし、「Ref.5004」はPT(プラチナ)ケースの黒文字盤を探されている方も多いですが、視認性を考えるとシルバー文字盤に分があるのではないでしょうか。

 

 

Lot.2322
『ワールドタイム ムーンフェイズ』
「Ref.5575G-001」18KWG

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6533448?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 500,000 1,000,000
(JPY 9,180,000 – 18,360,000)

Sold for HKD 945,000(JPY 17,350,200)

2014年に【パテックフィリップ】創業175周年記念として、世界1,300本限定で発表された『ワールドタイム ムーンフェイズ』「Ref.5575G-001」。

複雑機構のワールドタイムに、高精度なムーンフェイズが追加されたこちらは、星空が描かれた中央のインダイヤルに、美しい月が大きく描かれ、従来のムーンフェイズとは全く異なる、まるで本物の月を見ているかのようなデザインに仕上げられています。"南十字星"をモチーフとした時針、外周の都市名が「PARIS(パリ)」ではなく、「GENEVA(ジュネーブ)」に変更されているのも限定モデルならでは。"シングルシールド"であったことを考えると、落札価格はリーズナブルであったかと思います。

 

 

Lot.2332
『クロノグラフ』
「Ref.5070P-001」PT

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6533467?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 900,000 1,800,000
(JPY 16,524,000 – 33,048,000)

Sold for HKD 1,197,000(JPY 21,976,920)

「Ref.5070」シリーズ誕生10周年となる2008年に登場した「Ref.5070P-001」。

42mmの迫力あるケースやステップベゼル、存在感のある太いラグなど、どの角度から見ても美しく、発表から約15年経った今も多くの人を魅了しています。鮮やかなブルーにほんのりパープルが加えられたような色味の文字盤に、PT(プラチナ)ケースの組み合わせで登場しましたが、僅か1年程で生産終了となってしまった為、当時から市場での出回りが非常に少ないモデルです。また、クロノ針・インダイヤル・タキメータースケールが白で描かれていることにより、視認性も抜群。"シングルシールド"であった事を考えると、とてもリーズナブルな落札価格であったと思います。

 

 

Lot.2342
『パーペチュアルカレンダークロノグラフ』
「Ref.3970EP」PT

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6534790?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 900,000 1,800,000
(JPY 16,524,000 – 33,048,000)

Sold for HKD 3,276,000(JPY 60,147,360)

「Ref.3970」の第二世代にあたる『パーペチュアルカレンダークロノグラフ』「Ref.3970EP」。

ケースバックはスクリューバック(ねじ込み式)で、時・分針がリーフ型となっている点が第二世代のモデル特徴でありますが、こちらは製造初期個体ということもあり、ムーブメントが見えない、ソリッドのケースバックが採用されています。また、ラグのサイドにホールマークが刻印されているのもポイントの一つ。こちらは、オリジナルの保証書はもちろんのこと、年代に合った箱、さらには追加でインデックスにダイヤモンドがセットされた文字盤が付属しているのもポイントになっていました。

 

 

Lot.2343
『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』
「Ref.5970P-001」PT

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6534791?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 1,200,000 2,000,000
(JPY 22,032,000 – 36,720,000)

Sold for HKD 2,016,000(JPY 37,013,760)

2004年のバーゼルワールドにて、18KWGケースと18KRGケースで登場した「Ref.5970」。

1986年から2004年頃まで製造されていた三代目『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』「Ref.3970」の後継機にあたるこちらは、文字盤上のカレンダー、インダイヤル、ムーンフェイズの配置、文字盤外周に書かれたタキメータースケールのバランスと、どれをとっても完璧な仕上がりとなっています。中でも、PT(プラチナ)ケースは、唯一の黒文字盤仕様となっているため、各文字盤上のパーツに白色が採用されています。また、6時位置に配されたムーンフェイズの外周にある日付表示は、数字が他素材と比べると明らかに大きく、視認性にも長けております。生産期間も2年程しかありませんので、今後さらに評価されていくのではないでしょうか。

 

 

Lot.2346
『パーペチュアルカレンダー クロノスプリット』
「Ref.5204P-010」PT

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6534794?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 1,000,000 2,000,000
(JPY 18,360,000 – 36,720,000)

Sold for HKD 1,575,000(JPY 28,917,000)

完全自社開発製造の新水平クラッチ式スプリット秒針クロノグラフ機構を搭載した手巻ムーブメント「Cal.CHR 29-535 PS Q」を備え、2012年に登場した「Ref.5204P-001」。

初代モデルである「Ref.5204P-001」のマイナーチェンジモデルにあたるのこちらのモデルは、「Ref.5204」シルバー文字盤の色味、インデックスの縁取り、時・分針の色もシルバーと、高級感に加えて視認性も良く、機能性も文句無しと、高い実用性を有しています。「Ref.5204」の現行モデルは、18KWG(ホワイトゴールド)ケースのみしかありませんので、PT(プラチナ)ケースは今後、もっと評価されていくのではないでしょうか。

 

 

Lot.2348
『ミニットリピーター トゥールビヨン パーペチュアルカレンダー レトログラード』
「Ref.5016P-018」PT

*出典元:https://www.christies.com/en/lot/lot-6534796?ldp_breadcrumb=back

 

Estimate:HKD 3,000,000 – 6,000,000
(JPY 55,080,000 – 110,160,000)

Sold for HKD 5,207,000(JPY 95,600,520)

“パーペチュアルカレンダー”、”トゥールビヨン”、”ミニッツリピーター”、”レトログラード”と、複雑機構が詰め込まれた”超絶”モデル「Ref.5016P-018」。

ただでさえ製造個数が少ないモデルですが、PT(プラチナ)ケースに黒文字盤、アップライドのブレゲ数字にブレゲ針という組み合わせは、特に人気となっており、市場での出回りも極めて少なくなっています。過去に当店でも1本だけお取り扱いしたことがあり、高価格帯なモデルでありながらも複数のバックオーダーをいただきました。落札価格は軽く1億円オーバー!!驚愕ではありますが、納得の落札価格であります。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

他にも【パテックフィリップ】の時計が多数出品されておりましたが、私の中で結果も含めて気になったモデルをピックアップしてご紹介させていただきました。

これらのように、非常にレアなピースを一気に見れるのは、海外オークションの醍醐味ですよね。次回は、是非とも参加して、気になるモデルを入札⇒落札したいと思います!

また、当店においてもオークションハウスに負けない位のレアモデルを多数取り揃えておりますので、是非ともみなさまのご来店お待ちしております!!

では、また!

監修者のプロフィール

コミット銀座のロゴ

コミット銀座

2015年の会社設立以来、"高く買い、安く売る"をモットーに、顧客第一主義を徹底。価格面におけるメリットのみならず、お客様が安心して買い物出来る環境づくり、お客様に最適な時計の提案も実現。
徐々にお客様からの信頼も得て、多くの顧客様を抱えることに成功。高い知識を要するヴィンテージロレックスや、パテックフィリップを始めとするハイエンド商材の取り扱いを得意とする、新進気鋭の高級腕時計専門店。

阿部泰治のパテック論