みなさん、こんばんは。

近年は各ブランドの定価改定が頻繁に行われ、ただでさえ高額な時計が更に高額に、、、と嘆きの声が多いことかと思います。なかでも【パテックフィリップ】はそもそも高額な時計が多く、今年行われた2回の定価改定だけでも、大幅な値上がりとなりました。二次流通市場(中古市場)は、定価改定から遅れて値上がりが起こります。何が言いたいのかというと、この”遅れ”までの一定期間は”チャンス期間”ということ。

今回は、そんな”チャンス期間”に、久しく入荷が無かった希少モデルRef.5575G-001
ワールドタイム ムーンフェイズが入荷いたしましたので、ご紹介していきたいと思います。是非とも最後までお楽しみください。

「Ref.5575G-001」
『ワールドタイム ムーンフェイズ』18KWG

2014年に【パテックフィリップ】創業175周年記念として、世界1300本限定で発表された「Ref.5575G-001」『ワールドタイム ムーンフェイズ』。発売当初、当店の顧客様から”相当な争奪戦”という声を多く聞き、その注目度は極めて高かったと記憶しています。

※Ref.7175R-001 参照:Patek.com

同タイミングでレディースモデル「Ref.7175R-001」も450本製造されており、ケース経はメンズモデルより1.8mm小さい38mm、ベゼルに70個、ピンバックル(尾錠)に27個のダイヤモンドがセットされた豪華な仕様となっております。

※Ref.5575G-001 参照:Patek.com

話を戻しまして、ただでさえ複雑であるワールドタイム機構に、高精度なムーンフェイズ機構が追加されたこちらは、星空が描かれた中央インダイヤルに、美しい月が大きく描かれ、これまでのムーンフェイズ搭載時計に見られるそれとは全く異なる、まるで本物の月を見ているかのようなデザインです。これは、極めて薄いガラスの上に金属のコーティングを重ねることにより、美しい月の陰影を表しているとのこと。簡単に革新的なことをやってしまう【パテックフィリップ】の技術力は、さすがの一言に尽きます。

※Ref.5575G-001 参照:Patek.com

“南十字星”をモチーフとした時針も、インダイヤルのデザインにマッチしていて素敵ですね。通常の『ワールドタイム』のモデルですと、外周の都市名に「PARIS(パリ)」の表記があるのですが、このモデルに限り「GENEVA(ジュネーブ)」に変更されております。このような仕様変更も、限定モデルならではです。

ケースデザインですが、現代版『ワールドタイム』「Ref.5110」/「Ref.5130」/現行モデル「Ref.5230」の三世代いずれにも見られない、ケースからラグへかけて流れるようなデザインはとてもインパクトがあり格好いいですね。39.8mmというケース径も、ちょうど良いサイズ感であると思います。

この創業175周年記念モデルは、裏蓋の仕様も特別です。クローズド仕様となっている裏蓋には「PATEK PHILIPPE GENEVE」「175 Anniversaire」「1839 – 2014」と三行に渡って刻印されています。ただ、正直に申しますと、個人的な意見と言いつつも、時計好きな方であれば同感を得れると自信をもって思うことは、ワールドイム機構にムーンフェイズが追加されたムーブメント「Cal.240 HU LU」を眺めてみたいです(笑)!!

創業175周年の記念モデルだけあって、限定証明書であるATTESTATIONも付いております。更には、創業150周年記念で発表された「Ref.3960」『カラトラバ・オフィサー』や、ミレニウム(2000年)に発表された「Ref.5100」『10 デイズ』などでも付属していた、記念のメダルもございます。

付属品は、限定証明書、記念メダル、保証書、175周年記念モデル用の特別な内箱・外箱、ムーンフェイズ調整用のセッティングピン、純正の交換用アリゲーターベルト(※多少使用感あり)。限定モデルは、付属品もしっかりと揃っていることが評価としては前提であり、将来的により価値が増すと思います。

気になる販売価格は、15,873,000円(税込)

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『ワールドタイム ムーンフェイズ』「Ref.5575G-001」は、今後がとても楽しみなモデルであり、今回ご紹介した時計は、状態、付属品含めてコレクションピースにも最適であると思います。お探しだった方は、是非この機会にご検討ください。

と、終わろうと思ったのですが、もう1本だけどうしてもご紹介したい個体が入荷致しましたので、お付き合いください!

「Ref.5110P-001」
『ワールドタイム』PT

こちらは、インダイヤルのギョーシェ仕上げ部分に淡いブルーを採用した『ワールドタイム』「Ref.5110P-001」。このモデルの販売時期(2000年)頃から、PT(プラチナ)ケース6時側にダイヤモンドがセットされ、差別化が図られるようになりました。

状態は使用によるスレや小キズが多少ございますが、年代を考慮するとケース・バックルはしっかりとしております。現状付いている純正のアリゲーターベルトは、使用感もごく僅かで、インダイヤルのブルーともマッチしておりオススメです。交換用でブラックの未使用のアリゲーターベルトも付属しているお得な仕様となっております。「Ref.5110」はラグ幅20mm、バックル幅14mmと、探すとなかなかないベルトサイズです。

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6,468,000円(税込)

既に海外のお客様からの反響も多く、探していらっしゃった方は特におすすめいたします!!

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここのところ、希少なモデルの動きはとても早い印象です。今回ご紹介した『ワールドタイム ムーンフェイズ』「Ref.5575G-001」、『ワールドタイム』「Ref.5110P-001」、どちらも、おそらく今後なかなかお目にかかる機会がなくなってくるのではないかと予想されます。

思い出せば、創業してまだ比較的間もない頃、コミット銀座をみなさまに知っていただくために一念発起して取り扱いをした、私自身とても思い入れのあるモデルの中の一本が『ワールドタイム ムーンフェイズ』「Ref.5575G-001」でございました。久しぶりの入荷で改めて素晴らしい時計であると再認識し、その素晴らしさを、しっかりとお伝えできていれば幸いです。

ではまた!

阿部泰治のパテック論