映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第124弾の今回は「トム・ホランドの腕時計」をお送りします。
*出典元:https://www.giantfreakinrobot.com/
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)へのゲスト出演という形で、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の3代目「スパイダーマン俳優」に抜擢されたトム・ホランド。
続く『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)の主演で人気を不動のものとし、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022)では、全米興収歴代3位&世界興収歴代6位という記録的メガヒットを記録。トム・ホランドは「世界で最も客が呼べる若手スター」と呼んでも過言ではない人気と知名度を獲得します。
そんな彼のニックネームは「ネタバレ王子」。公開前の新作映画のネタバレ情報を、インタビューなどでついつい「ポロリ」と話してしまった事が何度もあり、ファンの間では「映画を観る前にトム・ホランドのインタビューを見るのは厳禁」が合言葉となっております。
今回の「Actor’s Watch」は、そんな愛嬌ある若手トップスター、トム・ホランドの腕時計に迫ってまいりましょう。
チェリー
CHERRY(2021)
*出典元:https://www.beyazperde.com/
些細なスレ違いが原因で恋人と喧嘩をした大学生(トム・ホランド)。フラれたと思い込んだ彼はヤケクソになって大学を中退し、アメリカ陸軍に志願入隊する。
しかし、衛生兵としてイラクに派兵された彼は、戦場での壮絶な体験からPTSDを発症。無事に帰国はしたものの、PTSDの治療薬として医師から処方された鎮痛薬「オピオイド」の依存症になっていく。
次第にオピオイドが効かなくなり、ヘロインに手を出し始めた彼は、ついに麻薬中毒者となってしまう。やがてドラッグを買う金にも困り始めた彼は強盗を繰り返すようになり、その人生は転落の一途を辿り始めるが、、、
*出典元:https://coastalhousemedia.com/
帰還兵がPTSD治療の過程で薬物依存症となってしまうことが社会問題化しているアメリカ。ひとりの大学生が戦争をきっかけに人生を狂わせていく様を描いた『チェリー』(2021)では、トム・ホランドはカシオ G-SHOCK(Ref.GA900E-1A3)と思われる腕時計を着用しています。
頑丈さが売りのG-SHOCKの中でも、ベゼルの四方ビス止めが更なる強固な堅牢性を感じさせる「GA-900」シリーズ。米軍ではスペックさえ満たせば私物腕時計の使用も認められており、使い慣れたG-SHOCKを使っている兵士も非常に多いことが知られています。そういったアメリカ軍の兵役の背景を感じさせる一本です。
アンチャーテッド
UNCHARTED(2022)
*出典元:https://www.polygon.com/
幼い頃に兄のサムと生き別れ、孤独な身でバーテンダーとして働いていたネイト(トム・ホランド)。そんなある日、かつてサムとコンビを組んでいたトレジャーハンター、サリー(マーク・ウォールバーグ)が現れ、サムが追い求めていたというマゼランの秘宝を一緒に探しに行こうと誘われる。最初は断ったネイトだが、生き別れた兄の行方を知ることができるかもしれないと考えた彼は、サリーと共に秘宝を探すことを決意する。
秘宝の在処を示す「黄金の十字架」をオークション会場から盗み出すことに成功した二人だが、大航海時代にマゼランのスポンサーだったモンカーダ家の末裔、サンティアゴ(アントニオ・バンデラス)が、秘宝を我が物とすべく彼らの前に立ちはだかる、、、
*出典元:https://www.eurogamer.net/
トレジャーハンターのネイサン・ドレイク(通称:ネイト)を操作し、財宝を求めて世界中の秘境の謎を解き明かしていくアクションアドベンチャーゲーム『アンチャーテッド』。シリーズ累計4200万本の売り上げを誇る人気ゲームを映画化した本作で、トム・ホランドはフォッシル COACHMAN クロノグラフ(Ref.CH2565)を着用しています。
バーバリーやアルマーニなどの腕時計をOEMで製造していることでも知られる、世界有数のファッションウォッチメーカー、フォッシル。ゲーム内のネイトがフォッシルの腕時計を着用していることから、映画でもフォッシルの腕時計が選ばれたようです(ゲームと映画ではモデルは異なりますが)。
さて、トム・ホランドが劇中で着用した腕時計はここまで。
ここからは、彼のプライベートウォッチをご紹介してまいりましょう。
劇中で着用したモデルとは正反対の高級腕時計ばかりなので、価格差で「耳キーン」となっても責任は負い兼ねます。
パテックフィリップ
アクアノート エクストララージ【Ref.5167R-001】
*出典元:https://www.patekmagazine.com/
こちらは韓国のソウルで行われた、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)の公開記者会見でのひとコマ。パテックフィリップ アクアノート(Ref.5167R-001)が選ばれたのは、白い開襟ポロシャツのマリンスタイルに合わせたからでしょうか。
ちなみに彼はホワイトゴールド&青文字盤のアクアノート(Ref.5168G-001)も所有しており、着用姿が度々撮影されております。
パーペチュアルカレンダー【Ref.5940R-001】
*出典元:https://www.wristenthusiast.com/
続いて『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022)のプレミアでのワンシーン。シックな黒いスーツの袖口から顔を覗かせているのは、パテックフィリップ パーペチュアルカレンダー(Ref.5940R-001)と思われます。2019年にディスコンになった為、昨今は中々お目にかかれないグランドコンプリケーションモデルです。
スーツ袖口への収まりの良さを考慮し、ムーブメント厚3.88mm/ケース厚8.5mmという、複雑機構を持つ時計としては薄型モデルが選ばれたのでしょう。スーツスタイルでのお手本のような、スッキリとした腕元のスタイリングです。
ロレックス
デイトナ【Ref.116500LN】
*出典元:https://timeandtidewatches.com/
トム・ホランドが愛犬「テッサ」と戯れている写真で着用しているのは、皆様よくご存知のロレックス デイトナ(Ref.116500LN)。メルセデスのキャップにデイトナというセレブ感溢れるスタイリング。20代とは思えない貫禄すら感じさせます。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の彼の出演料は4億円と言われておりますので、セレブ感があっても何らおかしなことは無いのですが。
ちなみに愛犬のテッサ君は、非常に大人しくて聞き分けの良いワンちゃんらしく、映画の撮影現場にもたびたび同行しているそうです。
カルティエ
サントス 100 LM【W20073X8】
*出典元:https://www.wristenthusiast.com/
続いてはカルティエから、サントス ドゥ カルティエの誕生100周年を記念して作られたサントス100 LM(Ref.W20073X8)がエントリーしました。ちなみにこの時計は『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』で共演したジェイク・ギレンホールの所有品。
*出典元:https://www.polygon.com/
こちらは『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のプロモーションでのヒトコマ。トム・ホランドがネタバレを言いそうになるのを、ジェイク・ギレンホールが口を塞いで阻止しております。その腕に着けられているのが同じ時計と思われます。
あるインタビューでトム・ホランドは、カルティエ サントスについて「スリーピースのスーツにも、デニムとTシャツにも着用できる完璧なオールマイティウォッチ」と語っております。
ピアジェ
アルティプラノ【Ref.G0A43120】
*出典元:https://www.wristenthusiast.com/
続いては、ピアジェ アルティプラノ アルティメート オートマティック(Ref.G0A43120)。スイスの老舗が技術力を結集させた、ケース厚わずか4.3mmという極薄自動巻ウォッチが選ばれました。
前述のパテックフィリップ パーペチュアルカレンダー(Ref.5940R-001)もそうでしたが、トム・ホランドは「薄さが際立つエレガントな高級腕時計」が好きなようです。大ぶりのスポーツモデルを数多く所有しながら、薄いシルエットのエレガントな腕時計への目くばせも忘れないのは、まさに腕時計上級者ならではのコレクションと言えるでしょう。
タグホイヤー
モナコ キャリバー11 チタン【Ref.CAW218B.FC6496】
*出典元:https://www.bosshunting.com.au/
最後はタグホイヤー モナコ キャリバー11 チタン(CAW218B.FC6496)。2021年に世界限定500本のみ製造された、モナコ初のチタンモデルです。左リューズが特徴の「キャリバー11」搭載というのは、『栄光のル・マン』(1971)で名優スティーブ・マックイーンが着用した「Ref. 1133」と同じ仕様です。
映画俳優がモナコを着けていると、ついつい「マックイーンへの憧れ」かと思ってしまうのですが、トム・ホランドがスティーブ・マックイーンに言及しているインタビュー記事などは見つかりませんでした。残念。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
20代半ばを過ぎても高校生のように見える童顔のトム・ホランド。劇中で高級腕時計を着けたら違和感がありありでしょうから、低価格のG-SHOCKやフォッシルのファッションウォッチが選ばれるのは仕方がないところでしょう。
*出典元:https://www.marca.com/
それに対し、彼のプライベートウォッチの豪華さは半端ではありません。これでもご紹介したのは全体の3分の1くらいでしょうか。また機会がありましたら他の腕時計もご紹介させていただきたいところです。
しかし超高級品は多いものの、ギラギラした宝飾モデルなどは選ばず「腕時計の王道」たるモデルをスポーツモデルからドレス系までしっかりと押さえ、シーンに合わせた最適解の腕時計をスタイリングしてくるトム・ホランド。これでまだ20代というのだから、末恐ろしいというか、先が楽しみというか、、、
ではまた!