機械式時計を選ぶ際、皆さんはどこに注目されるでしょうか。
多くの方は"デザイン性"や"機能性"、"資産性"とお答えになると思います。もちろん見た目やリセールというのは非常に重要なポイントになりますが、ここにブランドやモデルの歴史的背景、年代毎のマイナーチェンジなど、知識や理解が増えることで、さらに時計が好きになり、選ぶ楽しみを味わえるのではないでしょうか。 本コラムでは、初心者、上級者を問わず、機械式時計に関する知識を一つでも多くお伝えし、皆さまの時計選びの参考となるよう徹底解剖、徹底解説してまいります。
今回は【ロレックス】『サブマリーナー』「Ref.126610LN & 126610LV」にフォーカスを当ててお話ししていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
第五世代サブマリーナーデイト Ref.126610LN & Ref.126610LV
ロレックスのサブマリーナーは1953年の誕生以来、ダイバーズウォッチのアイコンとして君臨し続けています。そして、2020年に登場したのが第五世代にあたる「Ref.126610LN」と通称”グリーンサブ”と呼ばれる「Ref.126610LV」です。今回はこの2モデルの詳細について、細かいディテールを深掘りしていきます。
モデルの概要
「Ref.126610LN」と「Ref.126610LV」は、2020年に登場した第五世代のサブマリーナーデイトです。前世代である「Ref.116610」系と比較して、ケース・ブレスレット・ムーブメントに大きな進化が加えられています。
この世代の最大のトピックは、ケースサイズが41mmに大型化されたこと。ロレックスのサブマリーナーは誕生以来40mmのケースサイズを守ってきましたが、1mmのサイズアップが行われました。その一方で、ラグのデザインがスリム化され、全体的なバランスが洗練、よりエレガントな印象に仕上がっています。
また、ムーブメントは「Cal.3235」にアップグレードされ、パワーリザーブが約70時間に延長されるなど、実用性が大幅に向上しています。
さらに、”グリーンサブ”「Ref.126610LV」は、黒文字盤+グリーンベゼルの配色に回帰しました。前モデルの「Ref.116610LV(ハルク)」がグリーン文字盤を採用していたのに対し、「Ref.126610LV」はグリーンベゼルと黒文字盤の組み合わせとなったことで、初代”グリーンサブ”を彷彿とさせるデザインとなっています。このグリーンベゼルとブラック文字盤のカラーリングが、スターバックスコーヒーのコーポレートカラーに似ていることから”スターバックス”という愛称が定着しています。
基本スペック
「Ref.126610LN」
・製造年:2020年〜現在(2025年7月)
・ケースサイズ:41mm
・ベゼル:逆回転防止式(セラクロム製インサート)
・風防:サファイアクリスタル(6時位置に王冠透かし)
・防水性能:300m防水
・ブレスレット:オイスターブレスレット(グライドロック付き:97JB00)
・ムーブメント:Cal.3235(パワーリザーブ約70時間)
・振動数:28,800振動/時
「Ref.126610LV」
・製造年:2020年〜現在(2025年7月)
・ケースサイズ:41mm
・ベゼル:逆回転防止式(セラクロム製インサート、グリーン)
・風防:サファイアクリスタル(6時位置に王冠透かし)
・防水性能:300m防水
・ブレスレット:オイスターブレスレット(グライドロック付き:97JB00)
・ムーブメント:Cal.3235(パワーリザーブ約70時間)
・振動数:28,800振動/時
①文字盤
「Ref.126610LN」
黒文字盤にホワイトのクロマライト夜光が採用され、暗闇でブルーに発光します。デザインは従来のサブマリーナーデイトと大きく変わらないものの、ラグのスリム化によってより引き締まった印象になっています。
「Ref.126610LV」
最大の変更点は黒文字盤+グリーンベゼルの組み合わせ。前世代の”ハルク”と異なり、文字盤はブラックに回帰しました。この配色は、第三世代の”グリーンサブ”である「Ref.16610LV」を彷彿とさせます。
共通するダイヤルの特徴
・クロマライト夜光:青く発光する夜光塗料を採用し、暗所での視認性が向上。
・「SWISS MADE」表記:新ムーブメント搭載の証として、「SWISS MADE」のレター間にクラウンマークが入る。
②ベゼル
「Ref.126610」系も、前世代に引き続きセラクロム製ベゼルを採用。
セラクロムベゼルの特徴
・耐傷性:アルミ製ベゼルに比べて傷がつきにくく、長期間美しさを保つ。
・耐紫外線性:紫外線による色褪せの心配がほぼない。
また、インデックス部分にはプラチナPVDコーティングが施され、より高級感のある仕上がりになっています。
また、「Ref.126610LV」においては、2023年頃を境にベゼルの色味にマイナーチェンジが加えられています。
2020年~
2023年~
③ブレスレット
「Ref.126610」系のブレスレットも、前世代からアップデートが加えられています。
主な変更点
・ブレスレットの幅がわずかに広くなり、装着感が向上。
・グライドロッククラスプは引き続き採用され、ツールなしで約2mm刻みの細かい調整が可能(最大約20mm)。
・全体的な剛性が向上し、より堅牢な作りに。
④ムーブメント
「Ref.126610」系では、新ムーブメント「Cal.3235」が搭載され、実用性が飛躍的に向上しました。なんといっても、パワーリザーブが延びたことにより、ウィークエンドプルーフ (週末耐性)を得たことでしょう。金曜日の夜に時計を外し、月曜日の朝に身に着けた時に再びゼンマイを巻く必要がないことは、大きな利便性向上と言えるでしょう。
「Cal.3235」の特徴
・パワーリザーブが約70時間に延長:「Cal.3135」の約48時間から大幅に増加。
・クロナジーエスケープメントを採用:従来のレバー式脱進機よりもエネルギー効率が向上。
・パラクロムヒゲゼンマイ:耐磁性・耐衝撃性に優れ、環境変化の影響を受けにくい。
・精度の向上:クロノメーター認定(COSC取得)。
まとめ
「Ref.126610LN」と「Ref.126610LV」は、第五世代のサブマリーナーデイトとして、さらなる進化を遂げたモデルです。ケースサイズが41mmに拡大しつつも、ラグのデザイン変更により、全体的なバランスはより洗練されたものになりました。
特に、”グリーンサブ”「Ref.126610LV」の黒文字盤+グリーンベゼルの組み合わせは、第三世代の「Ref.16610LV」を彷彿とさせ、新たなファン層を獲得しています。
現在も市場では非常に人気が高く、特に”グリーンサブ”はプレミア価格で取引されています。今後の相場動向に注目しつつ、気になる個体があれば早めにチェックしてみてください。
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