今回は人気モデルをカスタムしていてる腕時計を取り上げたいと思います。

カスタムと聞くと、どうしてもオリジナルより二次流通市場にて売りづらい、メンテナンスをどこに出したらいいのか分からない、など不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。近年、「そこまでカスタマイズするのか!」と驚くカスタムブランドも出てきており、二次流通市場でプレミアム価格が付いているモデルなどもあります。

それでは早速わたしが注目しているカスタムモデルを紹介していきたいと思います。

①Artisans de Genève「THE PEARL」

当店でも多数取り扱ってきているスイスのカスタムブランド【Artisans de Genève】(アルティザンズ ドゥ ジュネーブ)。ロレックスのカスタマイズが有名ですが、今回ご紹介するのは、パテックフィリップのノーチラスをカスタマイズした「THE PEARL」というモデルです。

スケルトン化したダイヤル、このモデルのために開発されたカーボン製ベゼルなど、アルティザンズ ドゥ ジュネーブの特色をよく表したカスタマイズとなっています。Artisans De Genève は基本的に依頼者がその時計を所有していて初めてカスタムを注文できるシステムとなっています。現在ノーチラスは非常に高値で取引されており、それをカスタマイズしてしまうなんて、狂気の沙汰(表現が悪いのは許してください笑)ですね。

【出典】アルティザンズ ドゥ ジュネーブ

②Label Noir Design「Rolex Milgauss 116400 LNT01HS」

2011年に設立されたカスタムブランド「ラベル ノワール デザイン」は、ロレックスのトゥールビヨンカスタム「Rolex Milgauss 116400 LNT01HS」を発表しております。

ロレックスで複雑機構といえば、アニュアルカレンダー搭載のスカイドゥエラーですが、実用性や機能性に重きを置くロレックスは、皆さまご承知のようにトゥールビヨンなどの複雑モデルを製作していません。こちらのトゥールビヨン搭載のミルガウスは、匿名のクライアントから依頼されたもののようで、ムーブメントはそのままに、既存のムーブメント「Cal.3131」にコンポーネントを追加し、トゥールビヨンを搭載したようです。ADLCコーティングでブラックに加工されたケース・ブレスに、トゥールビヨンの窓がとても映えますね。

【出典】Label Noir Design

③Label Noir Design「Explorer II 216570 LN040C」

続いても、ラベルノワールデザインから面白いカスタムを見つけたのでご紹介します。昨今、オメガのスヌーピーを筆頭にキャラクターとのコラボレーションモデルが非常に人気となっています。こちらでご紹介するのは、ポパイとロレックスのエクスプローラーⅡをカスタムで組み合わせたモデルです。

ポパイといえば、ほうれん草を食べると超人的パワーを出すセーラー服姿の小男ポパイと、その恋人オリーブ、そしてポパイの天敵である大男ブルート(ブルータス)の三人をめぐるコメディで有名ですね。ベースボールシャツを着たポパイの左腕が長針、右腕が短針、バットをGMT針で表現しているユニークなデザインです。

ここで一つ気になるのが著作権。調べてみると米国司法省による判断で、著作権については保護期間が満了しているようで、このデザインが実現しているようです。キャラクターコラボの高騰に伴い、こちらのモデルもカスタムでありながら、プレミアムがつくようなことがあるのでしょうか。ちなみにバンフォードもポパイモデルを出しています。

【出典】Label Noir Design

④DIW「CARBON ROLEX DAYTONA BLACK AND GOLD」

2011年ベルギーで設立され、イタリア産のハイエンドガーボンを使用したカスタマイズ製品を数多く発売してきた「DIW」。2020年5月には日本初上陸も果たしています。今回ご紹介するのは、ロレックスデイトナのカスタムモデル「CARBON ROLEX DAYTONA BLACK AND GOLD」です。

DIWによってカスタマイズされたロレックスデイトナは、わずか48.68gの軽量化を実現しています。ブラックとゴールドのコントラストが非常にカッコいいモデルですね。リューズやプッシュボタン、文字盤などには18Kゴールドを使用しています。ケースとベゼルを欧州製のハイエンドカーボンで製作しているとのことです。

【出典】DIW日本総代理店 プリンチペプリヴェ表参道

⑤DIW「CARBON NAUTILUS 5711 THE BLACK GRAIL」

続いても、DIWからパテックフィリップ ノーチラスのカスタムモデルをご紹介します。BLACK GRAILと題されたプロジェクトは、DIWのカーボンコレクションの中で最も高価格帯とされ、その発売当初の国内参考定価は¥26,400,000-だったようです。驚愕ですね(笑)

こちらのノーチラスは、10ヶ月以上の開発期間を経て、製作期間6ヶ月の手作業による製造というのですから驚きです。 ベゼルはフルカーボンファイバー、ケースはブラックDLCコーティングで仕上げられています。DIWではそのブランド価値を維持するために、全てのモデルを数量限定で発売しておりますが、こちらは全世界で5本のみ製作されたそうです。

【出典】DIW日本総代理店 プリンチペプリヴェ表参道

⑥Bamford Watch Department「スヌーピー」

ロレックスのカスタマイズというと、真っ先にBamford Watch Departmentを思い起こす方も多いのではないでしょうか。こちらは、ロンドンのThe Rodnik Bandとのコラボレーションで、スヌーピーをあしらったスペシャルエディションのロレックスデイトジャストです。

また、スヌーピーといえばオメガの印象が強いのですが、バンフォードもしっかりとコラボレーションしています。

そしてもう一本。パリの有名セレクトショップ『colette』とのコラボレーションでスヌーピーモデルが発売されています。先ほどご紹介したモデルはイエローが差し色として使用されていましたが、こちらは『colette』のカラーであるブルーがアクセントとして使われています。

こちらのロレックス デイトジャストは、『colette』限定25本での販売だったようです。

【写真出典】Bamford Watch Department

⑦Bamford Watch Department「スター・ウォーズ」

続いてもバンフォードから、またまたキャラクターのコラボレーションモデルです。こちらは、2015年に公開された『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を記念し、韓国のセレクトショップ『BOONTHESHOP』とコラボレーションして販売されました。

サブマリーナー、デイトナをベースに、スター・ウォーズに登場する「ダース・ベイダー」や「ストーム・トルーパー」をモチーフにデザインされました。何を隠そう、私も大のスターウォーズファンなのですが、こんなコラボレーションモデルが存在したとは!と、本当に驚きました。さりげなくスモールセコンドに存在する「ストーム・トルーパー」が堪らないですね。

【写真出典】Bamford Watch Department

⑧Artisans de Genève「TRIBUTE TO 6241 GOLD」

最後にご紹介するのは、アルティザンズ ドゥ ジュネーブのデイトナカスタムです。ポール・ニューマンモデルといえば、ロレックス デイトナ「Ref.6241」 が思い浮かびますが、その別名、JPS(ジョン・プレイヤー・スペシャル)にトリビュートしたモデルです。

カスタムのベースとなっている時計は「Ref.116508」 で、プッシャーをはじめ細部に渡り緻密にカスタムされています。当店でもアルティザンズ ドゥ ジュネーブのカスタムは凄い!とスタッフ間でよく話していますが、さすがのクオリティです。Chrono24然り、アルティザンのカスタムは驚く値段で販売されていますが、納得の1本であります。

【写真出典】Artisans de Genève

まとめ

いかがでしたでしょうか。

PVD(Physical Vapor Deposition)やDLC(Diamond Like Carbon)で、ブラックコーティングされたカスタムモデルはとても多い印象ですが、今回ご紹介したモデルたちのように、細かいディテールにこだわってカスタムしているモデルも多数ある!ということがお分かりになって頂けたかと思います。

当店でもお取り扱いがあるタイミングはございますので、是非とも気になる方は、お見逃しのないようにチェックしてください。

今後も面白そうなモデルが出てきましたら、また紹介しますね。

ではまた!

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