「よく聞くけどクロノグラフって何?」
高級時計の中にもクロノグラフ付きの時計は多くあります。ですが、デザインの一つとして受け入れて用途を気にしていない方も多いようです。
そこで今回の記事では、知ると時計を見るのが楽しくなるクロノグラフについてご紹介していきます。
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クロノグラフとは?
クロノグラフと聞いても専門用語でよく分からないという方は多いでしょう。中には「調べてみたけど、結局よく分からなかった」と答える方もいらっしゃいます。
クロノグラフとは簡単に言えば「ストップウォッチ」です。「じゃあ最初からストップウォッチと名乗ればいいのに」そんな風に感じてしまうかもしれませんが、実はクロノグラフには定義があります。
『ストップウォッチ機能を備えかつ時計機能と同一動力源である懐中時計又は腕時計であること』
これがクロノグラフという名称がつく理由です。
クロノグラフとして最もポピュラーなのはこの三つの円になっているタイプです。
右が「30分計」です。クロノグラフ針が何周したかを示す目盛りです。
左が「12時間計」です。30分計が何周したかを表示する目盛りです。
下が「スモールセコンド」です。名前は違いますが秒針です。
クロノグラフ時計が普通の時計と違うのはスモールセコンドが秒針の役割を果たし通常の秒針に見える針は「クロノグラフ針」と呼ばれる点です。このクロノグラフ針を利用して様々な計測ができるようになっています。
ただ、この三つの配置については決まったものではなくブランドやモデルによって変わりますのでご注意ください。
絶対失敗しないクロノグラフの選び方
クロノグラフは、使いこなせるようになっておくといざというとき役立つかもしれません。
クロノグラフのことを詳しく知ったときに「あっちにしておけばよかった」と後悔しないように、クロノグラフの選び方を見ておいて損はありません。
では、早速見ていきましょう。
縦目と横目どちらかを選ぶ
クロノグラフ時計には縦目と横目というものがあります。
縦目のクロノグラフ
こちらが縦に並んだクロノグラフです。縦に刻まれているためデザインの印象が時計を見たときに時計よりもクロノグラフが強調される印象を受けます。
横目のクロノグラフ
こちらが横に並んだクロノグラフです。ほとんどのクロノグラフ時計はこちらのデザインになっています。時計に目がいきクロノグラフはデザインの一部といったようにバランスが良い印象を受けます。
横目と縦目はどちらが優れているということではありませんが、こうしてみると与えられる印象が少し違うと感じるのではないでしょうか。
数としては横目が多く、縦目は少ないため、まずはどちらのタイプのクロノグラフを選ぶことから選定していくと良いかもしれません。
クロノグラフのメーター種類で選ぶ
クロノグラフには実はいくつかの種類があります。それにより何を測るかが変わってきます。
まず速さを計測する「タキメータ―」です。タキメータ―ではベゼルに刻まれている数字とクロノグラフ針を利用して平均速度を計測することが可能です。タキメータ―は多くのブランド時計で採用されている最もポピュラーな機能です。
次に「テレメータ―」です。これはほとんど使いどきはないかもしれませんが、戦時中大砲の光を確認してから音が聞こえるまでの時間を計測して光と音の速度差から発砲元との距離を計測するといった機能です。
今でしたら花火の光と音のタイムラグを計測して距離を割り出すというのも面白い使い方かもしれませんね。
次に脈拍を測る「パルスメーター」があります。クロノグラフをスタートさせたらその時計による基準回数を測った時点でストップボタンを押します。そしてクロノグラフ針を見ると一分間当たりの脈拍数を測れます。搭載モデルにはクロノグラフ パルスメーターという風にモデル名にパルスメーターの名前が記載してあることが多いのですぐに分かるでしょう。
ちなみに画像のフランクミュラー ダブルフェイス クロノグラフは裏面にタキメーター、テレメーター、パルスメーターが表示されているという変わったモデルです。
他にも航法計算ができる「デシマルメーター」というパイロットウォッチに搭載されたものや呼吸回数を測ることのできる「アズモメーター」というものもあります。
ただこの二つは現在では特定のブランド以外ではほとんど搭載されていないため、探すほうが大変かもしれません。
クロノグラフの使い方については専門知識を有した正規店の方やあらゆる時計に精通している鑑定士などの専門家に聞くのが確実です。
時計を販売していてもクロノグラフの使い方を詳しく知らないという店員も多いのが実情です。
コミット銀座では鑑定士が常駐していますので、クロノグラフも使いこなしたいということであればご相談くださいませ。
着用シーンに合ったデザインを選ぶ
クロノグラフがついていると非常識になるという場面はありませんが、クロノグラフ付きの時計は少しカジュアルな印象を与えることもあります。一番良いのは試着してみて自分に似合っているかご自身で確認することです。
また、時計に詳しい専門の店員に着用シーンに合っているか確認してもらうのも一つの手です。時計に詳しい方でも着用シーンを間違えていることを自分では気づきにくいため購入前に専門知識が高い店員などに確認してもらいましょう。
資産価値の高いもの選ぶ
時計を選ぶのであれば長い間価値が落ちにくいものを選ぶほうが良いでしょう。高級時計の良いところは定価からあまり値を落とさずに売却することができる点です。もちろん、どんな時計でも良いというわけではないため、資産価値が落ちにくい時計モデルの中から選ぶ必要があります。
この辺りは正規店では教えてくれないため、中古市場に詳しい鑑定士に相談してみるのも良いでしょう。
おすすめのクロノグラフブランド8選
ここまでの説明でなんとなくでもクロノグラフについてご理解いただけたでしょうか。
ここからは実際のクロノグラフを搭載しているおすすめブランドをクロノグラフモデルと共にご紹介していきます。
ロレックス
ロレックスは国内でも随一の知名度を誇るブランドです。ステータス性はもちろんのことその製造技術も申し分ありません。
画像のロレックス デイトナ エルプリメロ 黒文字盤 N番はタキメータ―がついているタイプになりますね。ベゼルに刻まれた数字を利用して速度を測ることができます。
ブライトリング
ブライトリングは世界最初のクロノグラフ腕時計を開発したブランドになります。
画像のブライトリング モンブリランは文字盤中心に赤い丸が刻まれています。これは航法計算ができるデシマルメーターです。
当時のパイロットは管制塔やレーダーがなかったためこれを利用して燃費や速度を計算しながら空を飛んでいました。多くの人が必要のない機能ではありますが、かつての空に必須だったと思えば浪漫がありますね。
セイコー
セイコーは日本の中でもトップクラスのハイブランド時計です。かつて世界初のクォーツ時計を開発し、その方式が「セイコー式」として標準化されるなど時計業界に大きく寄与したブランドです。
画像のクロノグラフは縦目のクロノグラフが搭載されているシンプルなものですね。
オーデマピゲ
ロイヤルオークという代表的なドレスウォッチを生み出した高級ブランドです。今ではポピュラーになったステンレススティールを世界で初めて素材に使用したことで知られています。
スポーツウォッチとしても使えるドレスウォッチを初めて誕生させたロイヤルオークはその後のスポーツウォッチ人気の火付け役となりました。
画像のモデルではシガーブラウンの「メガ・タペストリー」模様の文字盤が印象的でクロノグラフにはタキメーターを採用しています。縦目の水色のクロノグラフが他にはないデザインで印象的です。
常識を打ち破るオーデマピゲらしい時計と言えるでしょう。
パテックフィリップ
パテックフィリップは世界一のステータス性があると世界に認められたブランドです。その気品のあるデザインはパテックフィリップならではと言えるでしょう。パテックフィリップの時計にはクロノグラフが搭載されているものは希少です。その分、パテックフィリップのクロノグラフ付きの時計は非常に人気があります。
画像のモデル、パテックフィリップ パーペチュアルカレンダークロノスプリットは完全自社開発のクロノグラフ手巻きキャリーバー「Cal.CHR 29-535 PS Q」を搭載しています。
技術的には非常に難しい永久カレンダー搭載のクロノグラフです。これは通常の12時間計の部分が日付になっており、末日、うるう年なども計算されているため永久的に日付合わせの必要はないというスグレモノです。
技術に定評のあるパテックフィリップならではの時計ですね。
チュードル
チュードルは2018年10月に日本に上陸したロレックスの派生ブランドです。ロレックスの弟分的な立ち位置からロレックスではできない独自の路線を突き進むチュードルは今国内でも急速に人気を集めつつあります。
画像のクロノタイムは縦目とデイト表示、ベゼルにはタキメーターがついたものでブラックダイヤルに赤くペイントされたクロノグラフ針が良いアクセントになっています。チュードルは比較的縦目のクロノグラフが多いブランドになります。
パネライ
パネライはイタリア空軍と密接な関係があり、もともと軍事用の計器・時計を納入していました。そのため、軍事用らしく非常に高い視認性と耐久性があるのが特徴です。特に夜に発光するラジオミールやルミノールといった発明は特許を得るほど革新的でした。
画像のパネライ ルミノール クロノ エルプリメロは1999年に限定的に発売したモデルをレギュラー化したものです。武骨な印象が強いルミノールがクロノグラフとタキメーターを搭載した姿はルミノールファンの間でも話題になりました。
IWC
スイス時計の中でも精度の高い時計を作ることで定評のあるブランドです。時計愛好家の中でも玄人はIWCを買うと言われるほど質と実績、評判が高いブランドです。
画像のIWC GSTクロノ ラトラパンテはIWCのトップラインであるアクアタイマーの原型ともいえるモデルです。2つのクロノグラフ秒針が赤と青で色分けされているのも特徴です。
まとめ
今回の記事ではクロノグラフとその選び方、そしておすすめブランドについてご紹介いたしました。
クロノグラフは簡単に言えば「ストップウォッチ」機能です。
ですが、数あるメーターによって時間を測ること以外にも様々な計測ができることをご紹介しました。
- 速度を測るタキメータ―
- 光と音のタイムラグから距離を算出するテレメーター
- 1分間当たりの脈拍を測るパルスメーター
- 航空計算ができるデシマルメーター
- 1分間当たりの呼吸回数を測れるアズモメーター
クロノグラフ時計の選ぶ際には以下のようなことを気を付けたほうが良いということもご紹介しました。
- メーターの種類によって選ぶ
- 縦目か横目かを選ぶ
- 資産価値の高いもの選ぶ
- 着用シーンに合ったデザインを選ぶ
そして、おすすめのブランドとして7つのブランドとクロノグラフ搭載モデルをご紹介いたしました。
- ロレックス デイトナ エルプリメロ 黒文字盤 N番
- ブライトリング モンブリラン
- グランドセイコー スプリングドライブ マスターショップ限定モデル
- チュードル クロノタイム
- パテックフィリップ パーペチュアルカレンダークロノスプリット
- パネライ ルミノール クロノ エルプリメロ
- IWC GSTクロノ ラトラパンテ(IWC)
クロノグラフ時計はデザインとしても格好いいのはもちろんですが、ちょっとだけその意味や使い方を覚えておくとよりその時計に愛着が湧いてくるものです。
ぜひ、ご自身の最適なクロノグラフ時計に出会えますようお祈りいたします。
もちろん、「どんなクロノグラフ時計が良いか、見ただけでは分からない」という場合には鑑定士が常駐するコミット銀座にお気軽にご相談くださいませ。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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