みなさん、こんばんは。

今回のパテックフィリップ論は、コミット銀座(※以下:当店)では初入荷となる”超絶モデル”『アラーム・トラベルタイム』「Ref.5520P-001」が入荷いたしましたので、ご紹介していきたいと思います。是非とも最後までお楽しみください。

『アラーム・トラベルタイム』
「Ref.5520P-001」Platinum

2019年の新作として発表された『アラーム・トラベルタイム』「Ref.5520P-001」は、一見すると『カラトラバ・パイロット・トラベルタイム』「Ref.5524」のように見えますが、全くの別物でございます。

ケース両側に付いたプッシュボタン、文字盤12時位置の下に数字が記載された2つの小窓、それを挟むように上下に付いた2つの表示窓。そして、エボニーブラック・ソレイユ 文字盤に、重厚感のあるPlatinum(プラチナ)ケース。ひとつひとつのディティールを理解すると、ただものではない!ということを感じられるかと思います。

このひとつひとつのディティールが備わった理由は、モデル名にもある通り、従来のトラベルタイムタイム機構に追加してアラーム機構を搭載しているからです。

表示と機能

ここで、表示・機能についての説明をしていきたいと思います。ちょっと複雑ではありますので、良く読んでご理解いただけますと幸いです。

まずは12時のインデックス真下にある表示窓ですが、よく見るとベルの形をしているのが分かります。これは、アラームのON/OFFが分かるようになっており、ON=白、OFF=黒になります。ON/OFFの切り替えは2時位置のプッシュボタンで行います。4時位置のリューズを時計回りに巻き上げると、アラーム専用ゼンマイが巻き上げられ、完全に巻き上がった状態でないとアラームをONには出来ません。

続いて、ベルの下にある2つの小窓。こちらはアラーム時刻を表しています。15分単位で設定でき、最大23時間前まで設定することが可能です。左側の小窓が”時間”を表しており、12時までしか表示はありませんが、2つの小窓下にある昼夜表示窓で設定時間が分かるようになっています(午前6時〜午後6時=白、午後6時〜午前6時=青)。アラーム時刻の設定は、4時位置のリューズを一段引き、前後することで設定が出来ます。

この4時位置のリューズは、アラーム専用のゼンマイ巻き上げ、アラーム時刻の設定、更には時刻調整をする時にも使います。リューズを2段階引き上げると時刻の調整が出来、リューズを元に戻して時計と反対回りにするとムーブメント(ゼンマイ)が巻き上げられます。ムーブメントの損傷を避けるため、20回ほどゼンマイを巻き上げ、文字盤9時位置にある現地(LOCAL)の昼夜表示が白であることを確認し、時刻を午前7時に合わせて、調整してくださいと使用説明書に書いてあります。既に頭がパンク寸前ですね。(笑)

続いて、ケース左側のプッシュボタンですが、『カラトラバ ・パイロット・トラベルタイム』と操作方法は同じです。タイムゾーンを変更(スケルトン時針を操作)するには、8時位置のプッシュボタンを押すと1時間前進、10時位置のプッシュボタンを押すと1時間後進します。現地(LOCAL)は9時位置、出発地(HOME)は9時位置の表示窓の色(白/青)により、昼夜が分かるようになっています。

ムーブメント

新しく開発されたムーブメント「Cal.AL 30-660 S C FUS」を見ると、ミニッツリピーターに似ている構造になっているのが分かると思います。

それもそのはず、アラーム設定時刻になると約35秒間、ハンマーがゴングを叩き、音色を響かせるのです。気になるアラーム音は、さすが【パテックフィリップ】。ミニッツリピーターの音色を彷彿とさせ、とても美しいです。おそらく、これまでのアラーム機能を備えた時計を想像されていた方は根底を覆されると思います。私は、こんな素敵な音を聞いて毎日目覚めてみたいもんです。(笑)

バックル

美しい黒のカーフスキンベルトには、重厚感のあるPlatinum(プラチナ)のピンバックル(尾錠)がしっくりきますね。複雑機構を備えたスペシャルモデルに相応しい仕様だと思います。

付属品・状態・価格

【付属品】*完備

保証書類を納めるレザー製のパスケースは、高級感のある特大仕様となっております。超絶クラスになってくると、この仕様であることが多いですが、正直未だにどの機能を搭載するモデルからこの仕様になっているかは、ハッキリとは分かり兼ねます。(笑)箱の仕様は、アディショナルで付属しているクローズドバック(裏ブタ)と、カレンダー調整用のセッティングピンがセット出来るようになっており、付属品は完備です。

【状態】

状態は保管状態も良くとても綺麗な状態です。保証書日付は2021年ですので、メーカーでの保証期間も残っており、その点も安心ですね。

【価格】

国内正規販売価格は、29,887,000円(税込)
当店での販売価格は、27,489,000円(税込)です。

【パテックフィリップ】の国内正規販売価格が2月から改定されるようです。高額モデルになると、価格差がかなり生じると思いますので、お考えの方はこのタイミングでいかがでしょうか。国内外での販売個体も非常に少なく、非常にオススメ出来るモデルです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

年明け早々、魅力的な【パテックフィリップ】のモデルの入荷が続いております。残念ながらご紹介前に売れてしまうことも多々ございますが、市場では流通が少なくお目にかかれないモデルや、希少モデルも多数ございますので、是非とも一度、当店に足を運んでいただき、ご覧になって頂ければと思います。

それでは来週もお楽しみにお待ちください。

では、また!

阿部泰治のパテック論