みなさん、こんばんは。

今回は11月26日(金)に香港で開催された【PHILLIPS(フィリップス)】のオークション結果に基づき【パテックフィリップ】についてお話ししていきます。

※価格については、オークションの落札価格に手数料(26%)が入った金額となっております。
※日本円につきましては、オークション開催直近レートを参照しております。
※HKD(香港ドル)=15.17円
※画像は全てPHILLIPSを参照しています

Lot.802
ノーチラス SS
Ref.5711/1A-010

CHF HKD 1,071,000(JPY 16,247,070)

ノーチラス生誕30周年記念として2006年に発表され、惜しまれつつも2021年に生産が終了した「Ref.5711/1A-010」。保証書の日付は2013年ですが、相場感通りの落札金額であったと思います。

Lot.805
ノーチラス クロノグラフ 18KWG
Ref.5976/1G-001

HKD 3,780,000(JPY 57,342,600)

ノーチラス生誕40周年記念にあたる2016年に1300本限定で発表された、ケースサイズ(44mm)、重さ(300g超)の迫力満点なノーチラス「Ref.5976/1G-001」。バケットカットのダイヤモンド・インデックスと、”1976-40-2016″と型押しされた、特別仕様の鮮やかなブルー文字盤が特徴です。こちらも現状相場に見合った落札金額であったと思います。

Lot.807
ノーチラス プチコンプリケーション TIFFANY&CO. SS
Ref.5712/1A-001

HKD 1,764,000(JPY 26,759,880)

ノーチラス生誕30周年記念として2006年に発表され、現在も販売されている「Ref.5712/1A-001」。こちらはSS(ステンレススチール)ケースに、ブラック・ブルー文字盤を配し、プチコンプリケーションも搭載している人気モデルです。さらには、希少且つ入手困難な「TIFFANY&CO.」とのWネームモデルで、文字盤上(5時-6時位置)には「TIFFANY&CO.」のスタンプが押されています。『ノーチラス』や『アクアノート』など、人気モデルのWネームは、価格もとどまるところを知らないですね。保証書日付は2019年。コレクションするのにもオススメの1本です。

Lot.809
パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KWG
Ref.5270G-014

HKD1.260,000(JPY 19,114,200)

パーペチュアルカレンダーにクロノグラフを搭載し、既に生産が終了している18KWG(ホワイトゴールド)×ブルー文字盤が特徴の「Ref.5270G-014」。こちらは「Ref.5270」の二代目にあたるモデルで、生産期間が短く、最近は見かける機会も少なくなりましたね。オークション結果から鑑みると相場感は上がっている印象です。

Lot.813
ノーチラス TIFFANY&CO. 18KRG
Ref.5711/1R-001

HKD 2,205,000(JPY 33,449,850)

2015年に発表された、18KRG(ローズゴールド)仕様のノーチラス「Ref.5711/1R-001」。こちらは、Lot.807(Ref.5712/1A-001)同様、希少且つ入手困難な「TIFFANY&CO.」とのWネームモデルで、文字盤6時位置に「TIFFANY&CO.」のスタンプが押されています。ここのところ市場でも枯渇状態にあり、相場感が一気に上がった印象です。保証書日付も2018年と、比較的高年式のモデルで、納得の落札金額であると思います。

Lot.814
ノーチラス 18KRG
Ref.5723/112R-001

HKD 4,914,000(JPY 74,545,380)

限られた顧客様のために作られたとされているノーチラス「Ref.5723/112R-001」。見た瞬間に分かるかと思いますが、バゲットカットのルビーがベゼルに32個、文字盤インデックスに12個セットされたスペシャルなモデルです。実際に時計を見た時のオーラが凄そうですね!もちろん、落札金額も驚愕でした(笑)

Lot.824
クロノグラフ 18KWG
Ref.5070G-001

HKD 554,400(JPY 8,410,248)

レマニアベースのムーブメントを搭載した、人気の二つ目クロノグラフ「Ref.5070G-001」。42mmのケース径が存在感抜群で、18KWG(ホワイトゴールド)ケースと同系色の針、文字盤の組み合わせもクールでとてもカッコいいです。コミット銀座をオープンさせてから一度も入荷したことがなく、是非とも取り扱いたいモデルであります。

Lot.849
ノーチラス SS
Ref.3700/1

HKD 1,071,000(JPY 16,247,000)

巨匠ジェラルド・ジェンタ氏のデザインによる初代『ノーチラス』通称”ジャンボ”が発表されたのが1976年。こちらの時計のアーカイブには、製造1974年・販売1977年となっており、約3年販売に至らなかった?少し面白い時計です。針は交換されているようにも見えますが、文字盤のインデックスにはヤケが見られ、雰囲気ある良い個体ですね。

Lot.851
ノーチラス Platinum
Ref.3800/1

HKD 1,134,000(JPY 17,202,780)

ノーチラス’’ミディアム’’サイズ「Ref.3800」の中でも非常に珍しいPlatinum(プラチナ)仕様の「Ref.3800/1」。私自身、時計業界に携わってから多くの【パテックフィリップ】のモデルを見てきましたが、Platinum(プラチナ)ケースの「Ref.3800」は過去に1、2本しか見たことがなく、市場への出回りも極めて少ないです。文字盤には11Pのダイヤモンドインデックスがさりげなく配されており、雰囲気も印象も良い時計ですね。落札金額についてもお得感のある価格であったかと思います。

Lot.852
パーペチュアルカレンダー Platinum
Ref.3448

HKD 17,795,000(JPY 269,950,150)

1962年、世界で初めて自動巻ムーブメントにパーペチュアルカレンダーを搭載したと言われている「Ref.3448」。こちらのモデルには極めてレアなポイントが2点あります。1点目はオリジナルのサファイアインデックスがセットされていること。2点目は1997年にケース素材がPlatinum(プラチナ)にアップグレードされていることです。そして、そのようなポイントがアーカイブにもきちんと記載されている、極めて希少な個体であります。Platinum(プラチナ)ケースの「Ref.3448」は、市場でも2本のみ確認されているようで、もう1本も1997年にアップグレードされたとのことです。落札金額も納得のプライスであったかと思います。

Lot.868
ノーチラス プチコンプリケーション SS
Ref.3712/1A-001

HKD 1,323,000(JPY 20,069,910)

2005年『ノーチラス』に初めてプチコンプリケーション機能を搭載し、発表された「Ref.3712/1A-001」。僅か1年ほどの製造期間と短命であったこともあり、市場で見かける機会も少なくなってきていますが、こちらはその中でも更に希少なビニール未開封(シングルシールド)の状態を保った個体になります。このような状態はコレクションとして最適です。

Lot.871
ノーチラス TIFFANY&CO. SS
Ref.5711/1A-011

HKD 1,827,000(JPY 27,715,590)

2012年に追加カラーとして白文字盤で発表された「Ref.5711/1A-011」。本記事内では3本目と、今回はとても豊作ですね(笑)保証書によると2016年にN.Y.のティファニーにて販売された時計のようです。2,200万円程の落札金額になるのでは?と予想しておりましたが、日本円にして2,700万円を超える落札結果となりました。やはりブラックブルー文字盤が人気ではありますが、流通している個体数を見ると、圧倒的に白文字盤が少ないからでしょうか。

Lot.915
アニュアルカレンダー クロノグラフ SS
Ref.5960/1A-001

HKD 504,000(JPY 7,645,680)

2014年のバーゼルワールドで新作としてサプライズ発表された「Ref.5960/1A-001」。発表当時は、時針・文字盤の組み合わせが、良い意味で【パテックフィリップ】らしからぬ、ポップでスポーティなデザインを採用したなと感じました。最近は相場感も上がっておりますが、私的には過小評価をされていたモデルではないか?と今後に期待を寄せております。

Lot.917
ワールドタイム ムーンフェイズ 18KWG
Ref.5575G-001

HKD 1,134,000(JPY 17,202,780)

【パテックフィリップ】創業175周年記念モデルとして、2014年に世界限定1300本で発売された、『ワールドタイム』にムーンフェイズを搭載した「Ref.5575G-001」。過去にコミットでも3本程扱っておりますが、実際に時計を見ると、とにかくカッコいいモデルです。市場での出回りも少ない時計ではありますが、また是非とも取り扱いたいモデルです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

実は今回、『ノーチラス』にフォーカスを当てつつ、その他は特にレアなモデルを中心にお話ししてみました。全体的には、現状の相場感からするとリーズナブルな落札価格が多く、少し落ち着いたかな?という印象です。もちろん。【パテックフィリップ】に関してはそもそも個体数(供給数)が少なく、正規販売価格も高いブランドですので、そのあたりは悪しからず。

今後も、世界オークションの情報はこちらのパテック論にて分かり易くお伝えできるよう努めて参りますので、是非ともお楽しみにしていてください。

では、また!

阿部泰治のパテック論