みなさん、こんにちは。

いよいよ明日から、パラリンピックが開催されますね。このような状況下ではありますが、オリンピック同様に、怪我無く選手方にはご活躍頂きたいですね。

さて、今回は【パテックフィリップ】の人気シリーズ『ノーチラス』より、「Ref.5711/1P-010」が入荷しましたので、そちらをご紹介したいと思います。またまたコミットを始めてから’’初入荷’’となる超絶レア時計ですので、是非最後まで楽しんでご覧になってください。

「Ref.5711/1P-010」 ノーチラス ラージサイズ Platinum

※Ref.5711/1P-010

まず初めに、『ノーチラス』ラージサイズのPlatinum(プラチナ)ケースと聞くと、その存在を知っている多くの方が、2016年に『ノーチラス』生誕40周年を記念した限定700本モデル「Ref.5711/1P-001」を思い浮かべると思います。

※参照:sotheby’s

その特徴は、インデックスにバゲット加工のダイヤモンドが配され、サンバースト加工されたブルーの文字盤6時位置には《40》という数字と、その下段に《1976 – 2016》と型押しがされています。『ノーチラス』誕生の年にあたる、1976年から2016年までの40周年を表しているのが、一目で分かる文字盤デザインですね。販売当初から、正規店購入は困難。実際に販売された本数も極めて少なく、今では国内市場で見かけることもほぼ無くなっており、海外某有名サイトでも高額な販売価格が設定されております。

前置きが長くはなりましたが、今回ご紹介する時計はそのモデル「Ref.5711/1P-001」ではなく、それにも増して極めて製造個数が少なく、海外の時計オークションでも今まで数本しか登場していない「Ref.5711/1P-010」です。

今回ご紹介するにあたり、私なりにいろいろと調べ、過去のお客様とのお話をもとに紐解くと、【パテックフィリップ】の上顧客様向けに、2012年~2016年の間に製造・販売されたのではないか?その個体の数については、諸説ありますが50本くらいなのではないか?ということです。

一見すると、SS(ステンレススチール)素材の『ノーチラス』ラージサイズ「Ref.5711/1A」と思いがちですが、文字盤の色味も明らかに違います。保証書の文字盤表記をみると

「Ref.5711/1A-010」は”NOIR(ノワール)
「Ref.5711/1P-010」は”BLEU ROI(ブルー・ロワ)

とフランス語で記載があります。それぞれ”“、”ロイヤルブルー”という意味です。

それまでの『ノーチラス』のブルー文字盤というと、ブルーとブラックが混ざった色味、且つグラデーションがかっている印象を持たれている方が多いと思いますが、「Ref.5711/1P-010」の文字盤はグラデーションではなく、明るみのあるスカッとしたブルーの文字盤という印象です。また、3時位置の日付け表示に枠が付いている点も異なります。

今までも何度かPlatinum(プラチナ)ケースのモデルをご紹介する際に触れていますが、こちらの『ノーチラス』もケース6時側にダイヤモンドがセッティングされており、他素材との差別化がされております。

ケース裏側には、Platinum(プラチナ)であることが分かるPT950を含む刻印が4箇所ございます。重量は259g!Platinum(プラチナ)ならではの重さを感じることができます。また、スケルトンバックから覗くムーブメントは、【パテックフィリップ】が誇る2万8800高振動の「Cal.324 S C」。安定の精度です。

こちらの時計はまさしくコレクションピースであり、着用感も少なく、コンディションも抜群です。付属品の状態も綺麗で、保証書類を納めるレザー調のパスケースを入れる紙製の封筒にもリファレンス/ムーブ/ケース番号の記載がされております。

気になる販売価格ですが、67,980,000円(税込)

販売価格だけを見てしまうと、とんでもなく高額に感じますが、先月(2021年7月)開催された海外時計オークションのアンティコルムで、今年話題をさらったSS(ステンレススチール)ケースのグリーン文字盤『ノーチラス』「Ref.5711/1A-014」未開封品が、バイヤーズプレミアム込みで日本円で約5400万円で落札されたのを考慮すると、製造された個数や素材などを踏まえ、今回ご紹介した「Ref.5711/1P-010」がそこまで高くはないのでは!?と思ってしまいます。もちろん、私には一生手の届かない時計ではありますが、夢のある話ですね(笑)

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はせっかくなので、記念に2ショット写真を撮りました。みなさんのお好みはどちらになりますか?(笑)

とにかく超絶な時計が緊急入荷しましたので、私もだいぶテンションが上がってしまいましたが、今後も超絶レアモデルが入荷する際には、こちらでご紹介していきますね。

まだまだ暑い日が続き、コロナも収束の目途が立ちませんが、当店ではより感染予防に努めて運営をしております。みなさまも体調管理にはくれぐれも気をつけて、また、このような状況ではありますが、お会いして直接お話をするのを励みに、そして楽しみにしております。

では、また!

監修者のプロフィール

阿部泰治の写真

阿部 泰治(あべ やすはる)

高級腕時計専門店 コミット銀座 オーナー / 鑑定士歴:2004年~現在

51歳 埼玉県出身

30歳の時に二次流通の某高級腕時計専門店に勤務。数多くの高級時計を査定してきたが、とりわけパテックフィリップの技術力並びに芸術的な美しさに感銘を受ける。
約10年の勤務期間を経て、コミット銀座を創設。自ら仕入れ・販売をこなす傍らで、鑑定士、店頭スタッフの教育を兼務。お客様・時計と向き合う日々を過ごし、今でも第一線でその手腕を遺憾なく発揮している凄腕鑑定士。

阿部泰治のパテック論