みなさんこんばんは。

今日は、12月12日(土)にN.Y.(ニューヨーク)で開催された

PHILLIPS(フィリップス)の時計オークションの結果に基づき【 パテックフィリップ 】の時計について書いていきたいと思います。2020年最後のPHILLIPS(フィリップス)での時計オークションということもあり、開催前から話題であったモデルやコレクション性が高いモデル、アンティークと言われている年代の時計も多数見受けられました。

*価格については、オークションの落札価格に手数料(26%)が入った金額となっております。 
*日本円につきましては、オークション開催直近レートを参照しております。
*USD(ドル)=105.01円 
*画像は全て【PHILLIPS】を参照しております。

Lot.3 カラトラバ SS Ref.5565A-001

USD 40,320(JPY 4,234,003)

初めにご紹介するモデルは、2006年のジュネーブサロン再オープンを記念して、ジュネーブサロンのみで300本限定で発売されたモデル「Ref.5565A-001」。こちらの時計の基本デザインとなったのが【 パテックフィリップ 】のアンティークの中でも程よいサイズ感で人気の「Ref.565」。SS(ステンレススチール)ケースを採用してきたところも記念モデルにふさわしいと思います。保証書・箱等の付属品もしっかりと揃っており、コレクションにふさわしい時計ですね。

Lot.8 クロノグラフ 18KWG Ref.5070G-001

USD 81,900(JPY 86,00,319)

最後のレマニアベース製ムーブメントを搭載した二つ目のクロノグラフ「Re.5070」。1998年に18KYG(イエローゴールド)のケースに黒文字盤の組み合わせで発表され、サイズもさることながら話題をさらったモデルです。こちらのモデルは18KWG(ホワイトゴールド)ケースにシルバーの文字盤の組み合わせでクールな印象でカッコイイです。最近は以前と比べると市場で見かける個体も少なく、オークションで出品されると落札価格も安定しております。

Lot.9 クロノグラフ 18KWG Ref.5071G-001

USD 327,600(JPY 34,401,276)

レマニアベース製ムーブメントを搭載した二つ目のクロノグラフ「Re.5070」をベースに、ベゼル、ケースサイド、ラグ、バックルに118個のバゲットカットのダイヤモンドがセットされ、バックルにも16個のバゲットカットのダイヤモンドが使用されている極めて数が少なく希少なモデル「Ref.5071G-001」。ケースは18KWG(ホワイトゴールド)で、インデックスにダイヤモンドがセットされた黒文字盤も「Ref.5071」のみの仕様です。過去に数本見たことがあり、数が少ないのは分かっておりましたが、ここまで落札金額が高くなるとは思っていませんでした。

Lot.10 パーペチュアルカレンダー・ミニッツリピーター 18KWG Ref.3974G-001

USD 1,022,200(JPY 107,341,222)

「REf.3974」は【 パテックフィリップ 】150周年記念として、1989年に発表されました。
11年間製造が続いたモデルですが、18KWG(ホワイトゴールド)ケースは、PT(プラチナ)ケースに続いて少なく11本しか製造がされていないと言われています。11月のジュネーブで開催された際も出品されており、同じくPHILLIPS(フィリップス)のオークションでPT(プラチナ)ケースが出品され、高値で落札されました。日本円換算すると1億円を越える驚愕の落札価格です。

Lot.25 ミニッツリピーター・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー Platinum Ref.5016P-010

USD 478,800(JPY 50,278,788)

単体でも複雑な機構であるパーペチュアルカレンダー、トゥールビヨン、ミニッツリピーターを全搭載したモデル「Ref.5016P-010」。パーペチュアルカレンダーはレトログラードとなるため、さらに複雑なムーブメントとなっています。圧倒的にカッコいいブレゲ数字文字盤にブレゲ針の組み合わせ、ムーンフェイズなどクラシカルな要素も抑えた完璧なデザインです。落札の金額自体は高額ではありますが、市場での相場感を考えるとリーズナブルな落札価格と言えると思います。過去にコミットでも、PT(プラチナ)ケースに黒文字盤の組み合わせを販売した実績があり、近い将来また是非とも取り扱いたい時計であります。

ちなみに今回、実は私がアンダービッターでして$350,000まで入札しておりました。(笑)しかしながら$380,000で返されてしまい、、、これ以上はお客様に提供が出来ない金額となってしまうため諦めた次第です、、、

Lot.56 カラトラバ・パイロット SS Ref.5522A-001

USD 47,880(JPY 5,0278,878)

「ウォッチアート・グランド・エグジビション ニューヨーク2017」で発表された限定600本の特別モデル「Ref.5522A-001」。ヴィンテージ【 パテックフィリップ 】の「アビエイター」を連想させるダイヤルが特徴で、クラシカルでエレガントなイメージの強い、カラトラバコレクションとしては珍しい42mmという大型のSS(ステンレススチール)ケースを採用しています。大きなアラビア数字とブルーのスチールの広いバトン針は、暗闇での視認性に優れた夜光塗料が施されております。ミリタリー色の強いカーフストラップとスティールバックルの組み合わせは、もちろん私の好みでもございます(笑)

Lot.60 パーペチュアルカレンダー・ムーンフェイズ 18KYG Ref.3448

USD 529,200(JPY 55,571,292)

1962年に発売され、世界で初めて腕時計に自動巻のムーブメントをパーペチュアルカレンダーに搭載したと言われているモデル「Ref.3448」。写真で見るだけでも文字盤・ケースの状態が非常に良いのが伝わります。オリジナルの保証書も付いており、裏蓋にイングレービングがあり、アメリカでも名高い精神科医の方へ奥様からプレゼントされた時計との来歴が物語る、まさしくオークションピースと言える個体です。

Lot.85 ノーチラス・クロノグラフ 18KWG Ref.5976G-001

USD 352,800(JPY 37,047,528)

2016年にノーチラス生誕40周年記念として1300本限定で発表された「Ref.5976G-001」。18KWG(ホワイトゴールド)仕様で、今までにない44mmの大型ケースを採用したクロノグラフ搭載モデルです。ノーチラス人気に加えて”限定モデル”ということもあり、気が付けば市場でも軽く3000万円は越える評価の時計になっていました。状態も未開封のシングルシールドでしたので、落札価格も納得の高値を付けましたね。

Lot.136 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ 18KYG Ref.2499

USD 378,000(JPY 39,693,780)

この時計は、パーペチュアルカレンダー・クロノグラフの第2世代にあたる「Ref.2499」の3rdシリーズ。オークションでも安定した落札価格で、評価の高いモデルです。ケースサイドから見ても分かる、しっかりとしたラグが印象的ですね。こういったモデルもいずれは扱ってみたいです。

Lot.137 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ 18KYG Ref.1518

USD 504,000(JPY 52,925,040)

【 パテックフィリップ 】で初めて永久カレンダーとクロノグラフを同時に搭載した「Ref.1518」。諸説ありますが、1941年から1954年まで281本製造されたと言われています。ケース径は35mmと今では小ぶりなサイズ感ではありますが、アップライドのアラビックのインデックスにリーフハンド、文字盤外周のタキメータースケール、ケースサイズに似つかわしい大きめなリューズ、角型プッシャーの組み合わせがなんとも言えない存在感を放っております。こちらの時計はアーカイブによると、1946年に製造され、経年による文字盤の多少のいたみはありますが、オリジナル性を保っており、ケースもホールマークがはっきりと残った状態の良い個体です。

まとめ

以上が12月12日(土)にN.Y.(ニューヨーク)で開催されたPHILLIPS(フィリップス)の時計オークションの結果を踏まえ、私が気になった【 パテックフィリップ 】の時計結果でしたがいかがでしたでしょうか。

今回のPHILLIPS(フィリップス)のオークションは、あの”ポールニューマン”が所有していた手巻きデイトナ「Ref.6263」USD:5,475,000で落札されたり、スティーブ・マックイーンからハイグ・オールトゥーニアンに贈られたHEUERのモナコ「Ref.1133」USD:2,208,000で落札されたりと、全体的にエスティメートを大きく上回る結果となり、非常に見ごたえがあり、面白いオークションであったと思います。

ではまた!

阿部泰治のパテック論