みなさんこんばんは。

本日は11月6日(金)7日(土)に、スイスのジュネーブで開催された

の時計オークションの結果に基づき【 パテックフィリップ 】の時計について書いていきたいと思います。

今回はジュネーブでの開催ということもあり、通常のモデルよりもコレクション性が高い物、アンティークと言われている年代の時計も多く見受けられました。その中で私が気になった時計で選んでお話ししていきます。

*価格については、オークションの落札価格に手数料(26%)が入った金額となっております。

*日本円につきましては、オークション開催当日のレートを参照しております。

*CHF(SWISS FRANC)=115.50円

*画像は全て【PHILLIPS】参照

Lot.15 ノーチラス ジャンボ 18KWG Ref.3700/11

CHF 693,000(JPY 80,415,500)

ノーチラスの初代ジャンボ「Ref.3700」は、SS(ステンレススチール)ケースでもなかなか市場では探しづらい時計となっており、価格も高値で安定しております。こちらはその中でも極めて数が少ない18KWG(ホワイトゴールド)ケースで、オリジナルの保証書も付属している希少性の高い時計です。オークションとは言え、落札の価格にはびっくりですね。

Lot.17 ノーチラス ジャンボ SS Ref.3700/1

CHF 189,000(JPY 21,829,500)

ノーチラスの初代ジャンボ「Ref.3700」の最初期にあたるリファレンス「Ref.3700/1」のSS(ステンレススチール)ケースです。オリジナルの保証書、コルク製の箱も付属しているコレクション性の高い時計です。今のノーチラスの人気の大元になっているのは間違いなくこのモデルでしょう。

Lot.38 クロノグラフ 18KYG Ref.1463

CHF 302,400(JPY 34,927,200)

1940年代初頭から1970年頃まで製造され、世界で初めての防水機能が付いたと言われている2つ目のクロノグラフです。とてもしっかりとした18KYG(イエローゴールド)ケースにアーカイブにも記載のあるブレゲ数字のアップライドインデックス、雰囲気のある経年変化をした文字盤がとてもカッコいいです。オークションではありますが、納得の金額ではあると思います。

Lot.39 ワールドタイム 18KRG Ref.2523/1

CHF 4,991,000(JPY 576,460,500)

ワールドタイム「Ref. 2523」は1953年に発表され、2つの竜頭システムを搭載し、9時位置の竜頭で都市ディスクを動かせます。リファレンスが「Ref.2523」「Ref.2523/1」と2種類あり、ケースサイズが若干大きく、ラグがケースにフラットに着いているのが「Ref. 2523/1」です。こちらの時計はアーカイブによると1954年に製造がされているのが分かります。落札価格が物語っている通り、現存している個体も非常に少なく、素材・文字盤のデザイン違いで10本は無いと言われています。

Lot.70 カラトラバ SS Ref.96

CHF 378,000(JPY 43,659,000)

非常にしっかりとしたSS(ステンレススチール)ケースに、1937年に製造されたとは思えないほど綺麗な珍しいブラックを基調としたセクターダイヤルが入ったカラトラバ「Ref.96」。文字盤6時位置に記載のある、リテイラーであるEBERHARD-MILANも歴史ある時計店です。本来、搭載されているムーブメント「Cal.12-120」は、6時位置にスモールセコンド(秒針)があるのですが、こちらの時計についてはセンターセコンドになるようにムーブメントが変更されているのも、コレクターへの評価が高い点であります。アーカイブにもダイヤルの特徴の記載もあるとの事ですし、こちらも納得の落札価格です。

Lot.80 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ 18KRG Ref.5970R-001

CHF 157,500(JPY 18,191,250)

既に生産が終了して10年以上経ちますが、全てにおいて絶妙なバランスを持ったかっこいい時計です。コミットでもPT(プラチナ)ケースでの販売実績は過去に数本ございますが、18KRG(ローズゴールド)ケースの取り扱いはなく、是非とも入荷させたい時計であります。

Lot.81 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ 18KYG Ref.2499

CHF 705,600(JPY 81,496,800)

この時計は、パーペチュアルカレンダー・クロノグラフの第2世代にあたる「Ref.2499」の3rdシリーズです。BEYERのネームが入った綺麗な文字盤に1977年製とは思えないほど、手が加えられた感じのないケース、オリジナルの保証書付きとなれば、こちらも納得の価格です。

Lot.89 クロノグラフ Platinum Ref.5070P-001

CHF 170,100(JPY 19,646,550)

レマニアベースのムーブメントを搭載した二つ目のクロノグラフ「Re.5070」の10周年記念として2008年に発表されたPT(プラチナ)ケース×青文字盤の組み合わせが、なんともかっこいい「Ref.5070P-001」。製造期間も2年ほどと短く、気がつけば市場でも2,000万円以上の販売価格が付いている時計です。

Lot.90 パーペチュアルカレンダー・ミニッツリピーター Platinum Ref.3974P-001

CHF 1,421,500(JPY 164,183,250)

「Ref.3974」は【 パテックフィリップ 】150周年記念として、1989年に発表されました。
11年間製造が続いたモデルですが、PT(プラチナ)ケースはなんと”8本”しか製造がされていないと言われているそうです。それだけでも希少な時計ですが、こちらはほぼ最終の製造にあたる時計で、アーカイブにも記載がありますが、インデックスがブレゲ数字でアップライドの黒文字盤がアディショナルで持つスペシャルな仕様です。

Lot.91 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ Platinum Ref.5020/1

CHF 585,900(JPY 67,671,450)

“TV Screen”という愛称でも知られているパーペチュアルカレンダー・クロノグラフ「Ref.5020」。同時期に生産されていた「Ref.3970」と比べると生産されていた時期も短く、市場で見かける機会も少ないと思います。販売当時は、そこまで人気がなかったモデルのようですが、今では知る人ぞ知る時計です。その中でもこの時計はPT(プラチナ)ケースにオリジナルで同素材のブレスレット仕様、ダイヤモンドインデックスのサーモン文字盤という極めてレアなモデルです。PT(プラチナ)ケースにダイヤモンドインデックスのサーモン文字盤を持つ「Ref.5020」は世界で3本しか無いと言われているようで、そのうちの2本はブレスレットの仕様のようです。

*こちらは、アーカイブにもオリジナルのブレスレット仕様と記載のある唯一の時計のようです。

Lot.103 パーペチュアルカレンダー・クロノスプリット Platinum Ref.5004P-033

CHF 289,800(JPY 33,471,900)

レマニア製のムーブメントを搭載した、人気のパーペチュアルカレンダー・クロノスプリット「Ref.5004」の黒文字盤にダイヤモンドインデックスの仕様です。こちらの特筆すべき点は、追加でスペシャルオーダーのダイヤモンドインデックスの白文字盤も付属している点です。このようなオーダーは当たり前ですが誰しもが受けられる訳ではなく【 パテックフィリップ 】が認める特別なお客様しか受けられないので、この時計も極めてレアな仕様であることがわかります。

Lot.115 ノーチラス ジャンボ ダイヤモンドベゼル 18KYG Ref.3700/003

CHF 189,000(JPY 21,829,500)

ノーチラス ジャンボ「Ref.3700」の18KYG(イエローゴールド)ケースで、ベゼルに二重巻のダイヤモンドがセットされたラグジュアリー仕様の「Ref.3700/003」。こちらも極めてレアな時計でありますが、オリジナルの保証書も付属するコレクターピースです。ミディアムサイズ「Ref.3800」のラグジュアリー仕様は見たことがありましたが、こちらのジャンボサイズは私も見るのは初めてです。

Lot.147 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ 18KYG Ref.2499

CHF 1,288,400(JPY 148,810,200)

この時計は、パーペチュアルカレンダー・クロノグラフの第2世代にあたる「Ref.2499」の2ndシリーズです。1stシリーズとの大きな変更は、丸型のプッシャーが採用された点で、文字盤外周のタキメータースケールは継続され、1stシリーズに続いて人気があります。1stシリーズ同様に製造された個数が少なく希少な時計です。こちらの特筆すべき点は、時計収集家として知る人ぞ知る”John Goldberger”氏が所有していた、来歴の良い時計でケースコンディションもノンポリッシュと言える時計とのことです。

Lot.179 パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ 18KYG Ref.1518

CHF 415,800(JPY 48,024,900)

【 パテックフィリップ 】で初めて永久カレンダーとクロノグラフを同時に搭載した「Ref.1518」。諸説ありますが、1941年から1954年まで281本製造されたと言われてます。ケース径は35mmと今では小ぶりなサイズ感ではありますが、アップライドのアラビックのインデックスにリーフハンド、文字盤外周のタキメータースケール、ケースサイズに似つかわしい大きめなリューズ、角型プッシャーの組み合わせがなんとも言えない存在感を放っております。色々な意見はあるかと思いますが、パーペチュアルカレンダー・クロノグラフの初代でありながら、”完成されたデザイン”であるのはさすが【 パテックフィリップ 】と言わざるを得ないですね。

まとめ

他にも【 パテックフィリップ 】の時計が多数出品されておりましたが、私の中で結果も含めて気になったモデルを紹介させていただきました。

やはり海外のオークションに目を通してみると、非常にレアなピースから、驚愕のモデルまで面白い結果を沢山みることが出来ますね。

コロナウィルスの影響で1年近くオークションには参加できていませんが、早くまたオークションに実際に参加して、生で至極の【 パテックフィリップ 】コレクションを見に行きたいです。

こういった記事は非常に実勢価格にも影響を及ぼしますし、単純に面白い記事だと思いますので今後もしっかりとレポートをしたいと思います。

では、また!笑笑

 

 

阿部泰治のパテック論