みなさん、こんばんは。

 

当店新店舗がオープンしてから既に2週間。たくさんのお客様にご来店いただいておりますが、新店はいかがでしょうか?手前味噌ではございますが、旧店舗と比べて、時計のディスプレイが格段に見やすくなったとのお褒めの言葉を多数いただき、接客、査定時に関しても、以前にも増して快適に過ごせたとお話しをいただいております。まだお越しになられていないお客様、是非ご来店をお待ちしております。

さて今回は、発売当時に比べ、二次流通市場での相場感が上がっているオススメのモデルをご紹介したいと思います。今後の市場価値に関しても十分に期待できますので、お見逃しのないように!ぜひ最後までご覧ください!

 

    「Ref.5110」
    『ワールドタイム』

     

    ミレニアムにあたる2000年に発表された現代版『ワールドタイム』「Ref.5110」。

    2006年までの製造で、ケース素材は18KWG(ホワイトゴールド)、18KYG(イエローゴールド)、18KRG(ローズゴールド)、PT(プラチナ)の展開となっており、PT(プラチナ)素材のみインダイヤルのカラーがブルーで、ケース6時側にダイヤモンドがセットされた特別仕様となっています。ちなみに、この頃(2000年)から、PT(プラチナ)ケースにダイヤモンドがセットされるようになったと言われています。

     

     

    「Ref.5110」はケース10時位置のプッシュボタンを押下することで、時針、24時間表示回転ディスク、都市名ディスクが連動するようになっています。この話だけを聞くと、簡易な機能のようにも感じる方もいらっしゃるかと思いますが、実際に時計を操作してみると、その複雑な機構を体感いただけます。

     

     

    サファイアクリスタルのスケルトンバックから眺めることが出来る、画期的なワールドタイム機構を搭載するムーブメント「Cal.240 HU」は、その後の『ワールドタイム』にも引き継がれた名機であります。

     

     

    ケース径は37mmと、今となってはやや小ぶりに感じられる方もいるかと思いますが、トータルバランスを考えると非常に使い勝手の良い一本であると思います。ファンからの支持も厚く、インダイヤルの中心部分がブルーが目を惹く特別な一本多い印象です。
    現在、コミットでは18KYGケース「Ref.5110J-001』が在庫しております。

     

    商品詳細はコチラから

     

    「Ref.5110」を初めて見たのが18KYG(イエローゴールド)仕様のこちらのモデルでしたが、当時は未使用に近い状態で100万円台後半で販売されていた記憶がございます。それが現在では、付属品完備の中古品の個体で、400万円台後半〜となっておりますので、今後さらに相場が上昇することも見込めます。気になっている方がいらっしゃいましたら、お早目の購入をオススメいたします!

     

     

    「Ref.3940」
    『パーペチュアルカレンダー』

     

    1985年、次世代を担うパーペチュアルカレンダー搭載モデルとして発表され、名機「Cal.240 Q」を搭載した「Ref.3940」。

    1985年から2006年までと20年以上製造されていたロングセラーモデルであり、18KRG(ローズゴールド)、18KYG(イエローゴールド)、18KWG(ホワイトゴールド)、PT(プラチナ)の4素材で展開されていました。ケース径は36mmで、ケース厚も抑えられていることもあり、発表当初は控えめな印象ではありましたが、全体のバランスが良く、大きさ以上に存在感があり、【パテックフィリップ】の名誉会長である”フィリップ・スターン氏”も愛用している、時計好きを虜にさせるモデルであります。

     

     

    スケルトンバックから鑑賞いただける、外径27.5mm、厚さ僅か3.88mmの超薄型ムーブメント「Cal.240 Q」は、現行の『パーペチュアルカレンダー』にも搭載されているほど、完成されたムーブメントとされています。ちなみに、1990年代後半以降の製造個体には、マイナーチェンジされた「Cal.240/114」が搭載されています。

      


    ダイヤルバリエーションは大きく三つに分類されます。

    《第一世代》
    1985年から1987年に見られるとされ、製造個体数は700本ほどと言われている。
    3時・9時位置にあるインダイヤルが小さく、窪んでおり、文字盤とインダイヤルの色が異なる。

    《第二世代》
    1987年から1989年に見られるとされ、製造個体数は800本ほどと言われている。
    第一世代と比べてインダイヤルが大きく、窪みも浅くなっており、文字盤とインダイヤルの色味もほぼ同色になっています。9時位置の24時間計は、昼夜が瞬時に分かるように18時〜6時に色が付いており、3時位置の閏年表示の数字は線で分割されていない。

    《第三世代》
    1989年以降に製造されている個体で、3時位置のインダイヤルに書かれている閏年表示の数字が線で分割されている。初期製造個体は、9時位置の24時間計の18時〜6時の色が濃い。

     



    余談ですが、1990年代前半頃までの製造個体はケースバック(裏蓋)がクローズドのみの仕様でしたが、実は同時期に販売されていたモデルでスケルトンバック仕様の「Ref.3941」というリファレンス(型番)も存在しておりました。その後、スケルトンバックの仕様でクローズドの裏蓋が追加で付属するようになります。※それに伴い「Ref.3941」の製造は終了しています。 

    私が初めてお取り扱いした時の相場感ですが、18KYG(イエローゴールド)仕様の付属品完備の個体で200万円台であったと記憶していますが、直近の相場感では、第三世代でも付属品完備で800万円台後半程かと思います。第一世代はもちろんのこと、最近では第二世代も見かけることがめっきりなくなった印象で、直近では当店でのお取り扱いはございません。次回入荷した際には、是非”マスト”でご購入いただきたいモデルです。

      

    「Ref.3970」
    『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』

     

    『パーペチュアルカレンダー.クロノグラフ』搭載モデルの二代目にあたる「Ref.2499」の後継モデルとして1986年に登場した「Ref.3970」。

    12時位置にあるカレンダー小窓、3時、9時位置に配された積算計、9時位置のムーンフェイズその外周にあるデイト表示、文字盤外周のミニットスケール、文字盤デザインと、全てが完璧なバランスで仕上げられています。

     

     

    第一世代と言われる個体は生産本数が僅か100本と言われており、ケースバック(裏蓋)がクローズドのスナップバック(はめ込み式)であったことや、インダイヤルの色味が異なり、コントラストが効いたクラシカルな雰囲気であったことが特長にあげられます。これまで、海外の時計オークションで見たことがあるかな?というくらい希少なモデルです。

     

     

    その後、1986年~1991年頃まで製造されていたのが第二世代。リーフ型の針とバーインデックスを採用している点は、第一世代と同じですが、インダイヤルはダイヤルと同色になりました。裏蓋はスクリュー(ねじ込み式)のクローズドバックがほとんどと言われており、生産期間(1986年~1991年頃)の極めて後半にスケルトンバックのモデルも存在しております。過去当店で販売した「Ref.3970EJ-051」がまさしくそれにあたる個体で、その時はホームページ掲載後、複数名のお客様からお問い合わせをいただき、即販売となったのを今でも記憶してます。

     

     

    その後に登場したのが、第三世代「Ref.3970E」。「Ref.3970E」の”E”はetanche=フランス語で「防水」を意味し、ねじ込み式で、クローズドバックとサファイアクリスタルのシースルーバックがセットで販売されるようになりました。諸説ありますが、顧客たちより「Ref.3970」モデルのスケルトンバックの個別注文が相次いだという話を受けて登場したとも言われてます。文字盤は、インデックスがバトン型からトライアングル型へ、針がリーフ針からバトン針へと変わっています。

     

     

    ケースサイズは36mmとやや小ぶりに感じる方もいらっしゃるかと思いますが、その存在感から決して小さくは感じません。手首周りが細めな日本人には特に人気です。また、12時位置にあるカレンダー小窓、3時、9時位置に配された積算計、9時位置のムーンフェイズ、その外周にあるデイト表示、文字盤外周のミニットスケール、文字盤デザイン、レイアウトどこを取っても完璧です。

     

     

    サファイアクリタルバックから眺めることができるムーブメントは、ケースに対していっぱいに広がる、レマニア社製ベースで、名機としても名高い「Cal.CH 27-70 Q」。美しいの一言に尽きます。

     

     

    当店創業当初、18KYG(イエローゴールド)仕様の第三世代の個体は、付属品完備で700万円台であったのを記憶しておりますが、ここ直近で販売した18KYG(イエローゴールド)仕様の個体は1,870万円(税込)でした。あくまで私の感覚にはなりますが、『Ref.3970』はおそらくあと数年で、手の届かない高嶺の花になってしまうと危惧しています。決して煽るわけではございませんが、見つけたら即購入されることをオススメいたします。

     

     

    まとめ

    いかがでしたでしょうか。

    つい先日入荷した「Ref.3970EP-029』も掲載後、即販売となりましたし、
    今回ご紹介したモデルはどれも争奪戦になること必至だと思います。今はまだ入手出来るチャンスも転がっていますので、お探しの方はすぐ動けるように準備しておいてください!(笑)

    引き続き、みなさまにとって有益な情報を少しでも多くお伝えしていければと思いますので、次回のパテック論を楽しみにお待ちください!

    ではまた!

    阿部泰治のパテック論