みなさん、こんばんは。

前回、人気の希少モデル、レマニアベースのムーブメントを搭載した「Ref.5070」を2本ご紹介させていただきましたが、それに呼び寄せられるかのように、レマニア社製のエボーシュ(ベースムーブメント)を搭載した希少モデルが入荷して来ましたので、ぜひご紹介したいと思います。ぜひ最後までご覧ください!

    「Ref.5970R-001」
    『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』18KRG

    三代目『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』「Ref.3970」の後継機として、2004年のバーゼルワールドにて、18KWG(ホワイトゴールド)仕様と共に発表された「Ref.5970R-001」。

    その後の2008年には18KYG(イエローゴールド)仕様、2009年にはPT(プラチナ)仕様も発表され、「Ref.5970」としては全4素材で展開されています。

    2004年の発売当時こそ比較的見掛けることもあったご紹介の「Ref.5970R-001」ですが、現在の国内市場では非常に流通が少ないモデルとして知られています。実際に「Ref.5970」シリーズの生産期間は2004年から2010年頃までの僅か6年しかないため、18KYG(イエローゴールド)素材やPT(プラチナ)素材の個体に比べれば多くはございますが、そもそも流通個体自体が少ないのです。

    ここからは、素材別のモデルの特徴に触れながらご紹介していきましょう。

    まずは今回ご紹介の「Ref.5970R-001」。ややグレー掛かった文字盤に、ケース、針、インデックスの18KRG(ローズゴールド)がアクセントとなり、とても柔らかく暖かみがある印象に仕上げられています。やはりこちらのモデルを見ると、18KRG(ローズゴールド)ケースが魅了する色気やカッコ良さを感じられますね。当店では、過去2本の取り扱いがございますが、何度見ても惚れ惚れしてしまいます。

    「Ref.5970R-001」と同タイミングで発表された「Ref.5970G-001」。ケースと同系色のグレーがかった文字盤に、黒で統一された針・インデックス、ブランドネーム等が配され、モノトーンに仕上げられています。「Ref.5970」シリーズの中でも一番クールな印象ですね。こちらはこれまでに1本のみのお取り扱いとなっています。

    18KYG(イエローゴールド)ケースに爽やかな印象のシルバー文字盤を採用して2008年に登場した「Ref.5970J-001」。初代『パーペチュアルカレンダー』「Ref.1518」、二代目『パーペチュアルカレンダー』「Ref.2499」を彷彿とさせる”王道”のルックスに仕上げられています。発表の翌年にあたる2009年には生産終了がアナウンスされ、「Ref.5970」シリーズの中でも最も生産数が少ないと言われております。残念ながら、未だ当店でのお取り扱いがないモデルとなっていますので、お持ちの方がいらっしゃいましたら是非お待ちしております。(笑)

    最後にご紹介するのは、PT(プラチナ)ケースに「Ref.5970」シリーズ唯一となる”黒文字盤”を搭載して2009年に発表された「Ref.5970P-001」。黒文字盤に白のクロノ針や、カレンダー表示、インダイヤル、タキメータースケール等が配されており、視認性高く仕上げられています。また、デイト表示が大きく太く描かれ、タキメータースケールの6時位置には”120″が描かれるなど、他素材とは異なる点があるのもポイントです。なお、こちらのモデルも生産期間は短く、18KYG(イエローゴールド)素材の「Ref.5970J-001」に次いで、生産数は少なくなっております。

    *初代『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』「Ref.1518」出典元:https://collectability.com/buy_listing/patek-philippe-ref-1518/

    *二代目『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』「Ref.2499」 出典元:https://wristreview.com/the-only-known-asprey-signed-patek-philippe-ref-2499-sells-for-3-88-million-at-sothebys/

    「Ref.5970」は誰が見ても美しいと思う程、まさに”完璧”なデザインを有していますが、それもそのはず、歴代の『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』の良いところを盛り込んで作られているのです。文字盤外周部のタキメータースケールは、初代『パーペチュアルカレンダー』「Ref.1518」、二代目「Ref.2499」の1stモデル、2ndモデルに見られるデザインを踏襲しているのが分かるかと思います。また、クロノグラフのスタート/ストップ、リセットのプッシュボタンについても、初代『パーペチュアルカレンダー』「Ref.1518」、二代目「Ref.2499」の1stモデルに採用された人気の角形を採用しています。

    ケース径は先代モデル「Ref.3970」が36mmであったのに対して、「Ref.5970」は40mmへとサイズアップされています。36mmケースのサイズもクラシカルな雰囲気があって良いですが、40mmケースの方がサイズ感を含め使い勝手が非常に良いと個人的に思います。抜群のオーラを放つ時計でありながらも上品で、嫌味なく着用出来てしまうのは【パテックフィリップ】ならではの特徴とも言えるのではないでしょうか。

    サファイアクリスタルのスケルトンバックから鑑賞いただけるのは、レマニア社製のエボーシュ(ベースムーブメント)を採用した「Cal.27-70 Q」。見た目の美しさだけでなく、精度に関しても素晴らしく、1万8000振動/時の安定したロービート仕様で、約60時間のパワーリザーブを有しています。私もこれまでに、こちらのムーブメントを相当数見てきていますが、とにかく精度が良いという印象が強いです。

    使用による細かなスレや小キズこそございますが、ケース・バックルはしっかりとした印象の良個体です。保証書、クローズドのケースバック、調整ピン等、付属品も揃っておりますので、お探しの方にはこの機会でのご購入をオススメいたします。

    気になる販売価格は、、、

    と言いたかったのですが、本記事公開直前に多数のお問い合わせをいただき、販売が終了してしまいました。本当に申し訳ございません!!

    商品詳細をご覧になりたい方はこちら

     

    コチラの個体も生産数が少なく、さらには魅力的な状態で付属品も完品と、もはや完璧な一本でしたが、やはり需要は高かったようです。なかなかこのような状態の個体は少ないですが、次回の入荷をお待ちください!!

    まとめ

    市場ではほぼ見かけなくなった、レマニアベースのムーブメントを搭載した人気の『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』「Ref.5970R-001」。まだまだ今後の伸び代があるモデルだと思います。

    以前のコラムでもご紹介させていただいた「Ref.5070」「Ref.3970」「Ref.5004」等、
    レマニアベースのムーブメントを搭載したモデルは特に人気で、探されている方も多いため、今後はより一層出回りが少なくなっていくことが予想されます。気になっている方は、お早めに手にしておくことをオススメいたします。

    今回のようにご紹介する前に売れてしまうモデルも多数ございますので、定期的に当店ホームページをチェックいただけますようお願いいたします。また、新店舗へのご来店も心よりお待ちしてます!!

    引き続き、みなさまにとって有益な情報を少しでも多くお伝えしていければと思いますので、次回のパテック論を楽しみにお待ちください!

    ではまた!

    監修者のプロフィール

    阿部泰治の写真

    阿部 泰治(あべ やすはる)

    高級腕時計専門店 コミット銀座 オーナー / 鑑定士歴:2004年~現在

    51歳 埼玉県出身

    30歳の時に二次流通の某高級腕時計専門店に勤務。数多くの高級時計を査定してきたが、とりわけパテックフィリップの技術力並びに芸術的な美しさに感銘を受ける。
    約10年の勤務期間を経て、コミット銀座を創設。自ら仕入れ・販売をこなす傍らで、鑑定士、店頭スタッフの教育を兼務。お客様・時計と向き合う日々を過ごし、今でも第一線でその手腕を遺憾なく発揮している凄腕鑑定士。

    阿部泰治のパテック論