みなさん、こんばんは。

先週は暖かい日も数日あり、春の訪れが待ち遠しい今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。来月の13日からはマスクの着用も個人判断となり、長らく続いていたコロナ問題もまた一歩前進しそうですね。ただ、花粉症の方には辛い時期も始まりますので、まだマスクを外すのは先の話と言ったところでしょうか。

さて今回は、コミット銀座(以下:当店)でも過去に取り扱いのある希少モデル『パーペチュアルカレンダー クロノスプリット』「Ref.5204/1R-001」が、久しぶりの入荷となりましたので、ご紹介していきたいと思います。是非とも最後までお楽しみください。

「Ref.5204/1R-001」
『パーペチュアルカレンダー クロノスプリット』18KRG

※Ref.5204/1R-001

まずはじめに、「Ref.5204」について簡単におさらいしていきます。

※Ref.5204P-001 参照:Christies

2012年、完全自社開発製造の新水平クラッチ式スプリット秒針クロノグラフ手巻ムーブメント「Cal.CHR 29-535 PS Q」を備え、PT(プラチナ)ケース × シルバー文字盤で登場した「Ref.5204P-001」。

このムーブメントは『パーペチュアルカレンダークロノグラフ』「Ref.5270」(2011年)に搭載された、自社製手巻クロノグラフをベースにスプリット秒針機構が追加されたものです。

※Ref.5204P-011

2年後にあたる2014年。バーゼルワールドで登場した黒文字盤仕様「Ref.5204P-011」。

【パテックフィリップ】の中で、PT(プラチナ)ケース×黒文字盤の組み合わせは『グランドコンプリケーション』、とりわけ『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』搭載モデルでは格別であると思います。

※Ref.5204P-010

そして、初代「Ref.5204P-001」のおそらくマイナーチェンジにあたる「Ref.5204P-010」。

見た目に関しては、文字盤インデックスの縁取り、時・分針の色が黒からシルバーに変わったところではないかと思います。実はこのモデル、謎が多く、私で正確な資料が見つけられず発売された時期が断言出来ないのですが、黒文字盤「Ref.5204P-011」と同時期、もしくはその少し前に発表されたと推測されます。

過去、当店においてシルバー文字盤の取り扱いは2本ほどあるのですが、初代モデルである「Ref.5204P-001」は入荷したことがないのです、、、次、入荷する際にはその謎を解き明かしたいと思います。(笑)

※Ref.5204/1R-001

そして、今回ご紹介するのが、2017年に新作として発表された18KRG(ローズゴールド)ケース、ブレスレット仕様の「Ref.5204/1R-001」です。(※2022年生産終了)

※Ref.5270/1R-001

ちなみに、翌年の2018年に発表された『パーペチュアルカレンダー クロノグラフ』のブレスレット仕様である「Ref.5270/1R-001」は、何度かパテック論でもご紹介しております。皆さん見覚えがございますかね?とても似ているので、間違えないように覚えて下さい!

話を戻しまして、18KRG(ローズゴールド)ケースに黒文字盤の組み合わせは、とにかく色気をふんだんに感じさせてくれますね。やや艶のあるエボニーブラックソレイユ文字盤が、更に色気を加えてくれています。

文字盤デザインは、12時位置にある曜日・月を表示するカレンダーの小窓が大きくなり、表示はPT(プラチナ)仕様が黒地に白文字であったものが逆転し、白地に黒文字となりました。時針・分新・クロノ針・インダイヤルの針、インデックスの縁にRG(ローズゴールド)が使用され、より明るさも強調されています。更には、時針・分針・文字盤インデックスに夜光が入ったことで視認性も向上し、伝統やデザインだけでなく、しっかりと現代のニーズに合わせた実用性も備わっております。

4時位置と5時位置の間に数字で表示される”閏年の別窓“と、7時位置と8時位置の間に白と青の色で表示される”昼夜が判別できる別窓“は、見慣れると非常に利便性が高いです。さらには、6時位置にあるムーンフェイズ窓が下部となり、外周の日付表示も数字が大きくなったことで、これまた視認性が向上しております。

サイズアップした40.2mmのケース径は、ブレスレット仕様ということもありますが、存在感が増しているのはもちろんのこと、とにかくインパクト大であります。やはりこのクラスになると、左右どちらから見ても非の打ち所がないデザインですね。

スケルトンバックから眺めることが出来るムーブメントは、完全自社開発・製造の「Cal.CH 29-535 PS Q」。一つ一つのパーツの仕上げが丁寧で細かく、【パテックフィリップ】の伝統と技術を感じることができます。

状態は使用によるスレや小キズが全体的に見られますが、目立つようなうちキズなどはない、ノンポリッシュのケース・ブレスレットがしっかりとした印象の良い個体。

ちなみに、所有者の方々が必ず口を揃えて「【パテックフィリップ】のブレスレットモデルは、腕馴染みがとにかく良い!」というので、今回は着用して写真も撮ってみました。
※嘘っぽくなるので私の感想は控えます。(笑)

写真の通り、付属品は完備で状態も良いです。保証書日付は2018年3月。2022年12月にメーカーでオーバーホールもされているので、安心してご使用いただけます。

気になる販売価格は、29,700,000円(税込)

販売ページはこちらをクリック

現行モデル「Ref.5204R-011(革ベルト)」の国内定価が43,703,000円(税込)という点を考慮すると、ブレスレット仕様でこの価格はかなりお得であるかと思います。国内で販売されている個体もほぼなく、海外有名販売サイト「Chrono24」を見ても税別3000万円アンダーはございません!今後の市況は読みづらいのは引き続きですが、既に生産が終了していること、メーカーでオーバーホールが完了していることを考えると、とてもおすすめの1本であります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

なかなかお目にかかれない希少個体。もちろん簡単に手に入れられる価格ではございませんが、是非とも気になった方は、お気軽にご相談いただければと思います。

今後も入手困難なおすすめの時計が入荷しましたら、いち早くご紹介いたしますね!

ではまた!

阿部泰治のパテック論