各社から続々と新作が発表されていますが、今回のコラムでは、各ブランドでわたしが気になるモデルを取り上げたいと思います。
内容に関しては、各ブランドで一本ずつ選出、計8選とさせていただきます。

2021年の傾向としては、グリーン文字盤を採用するブランドが非常に多かったですね。
『ノーチラス』に『ロイヤルオーク』『レベルソ』『ルミノールマリーナ』など、
示し合わせたかのようでした。
いや、きっと間違いなく示し合わせています(笑)

はい、、、

云々語っても仕方ありませんので、早速わたしが気になる新作モデルを紹介していきたいと思います。

おすすめモデル

おすすめモデル①【パテックフィリップ】『 コンプリケーション』「Ref.4947/1A-001」

こちらは、38mmのラウンドケースにポリッシュ仕上げを施した、SS(ステンレススチール)素材のモデルです。革ベルトが多い【パテックフィリップ】の中で、5連リンクのブレスレット仕様は珍しいですね。

4947

縦横サテン仕上げ(山東絹仕上げ)がされた、上品なミッドナイトブルーダイヤルとのコントラストがなんとも美しい仕上がりです。また、【パテックフィリップ】が特許を取得している自動巻ムーブメント「Cal.324 S QA LU」は、1年に1度だけ日付修正を行えば良いという、使い勝手も良いモデルです。

最終的には実機を見るまで何とも言えませんが、使いやすい素材、ケース径、ブレスレットの仕様等、魅力溢れるモデルなのは間違いないでしょうね。ノーチラスのオリーブグリーンRef.5711/1A-014や、クルードパリが美しいカラトラバRef.6119も気になるところですが、私はあえてこちらのモデルをご紹介させて頂きました。

 

 

【出典】パテックフィリップ

参考定価 ¥5,511,000-

おすすめモデル②【ジャガールクルト】『レベルソ トリビュート スモールセコンド』「Ref.Q3978430」

【ジャガールクルト】といえば、真っ先に思い浮かぶモデルの筆頭がこちらの『レベルソ』。ポロ競技において、風防がある文字盤面を守る為に開発された反転ケースを備えたモデルです。余談ですが、ポロ競技は紀元前6世紀のペルシャ(現在のイラン)を起源としたスポーツで、現在のルールを敷いたのは19世紀の英国と言われています。英国を発祥とする近代競馬然り、馬系のスポーツが盛んだった当時の英国人たちが『レベルソ』を身に着けていたことが多いのも納得ですね。

Q3978430

『レベルソ』は、様々なケース径やデザインで作成されていますが、こちらのトリビュートモデルは初期の『レベルソ』を当時のスタイルで復刻したモデルです。そして、2021年新作の一番の特徴は、一目でそれと分かるグリーンダイヤルです。サンレイ仕上げのグリーンは公式サイトで見ても非常に美しいのが分かります。ダイヤルに合わせたグリーンのレザーストラップも良い色目ですね。ポロ競技は芝生の上で行われますが、自然のグリーンに溶け込む美しいモデルではないでしょうか。

【出典】ジャガールクルト

参考定価 ¥994,400-

おすすめモデル③【チューダー】『BLACK BAY FIFTY-EIGHT 925』「Ref. M79010SG-0001」

【チューダー】の2021年新作として、ロレックスのデイトナを彷彿とさせる『ブラックベイクロノ』「Ref.M79360N」が話題となりましたが、今回ご紹介するのは『フィフティーエイト』の新作です。

M79010SG-0001

ダイバーズウォッチでは珍しい、シルバー925製のケースを採用したモデルで、独自の配合により、年月を経ても美しさを保持する〈インカンデセント シルバー〉と呼ばれるシルバー合金を素材としています。表面にはサテン仕上げ、エッジ部分にはポリッシュ仕上げを施すことにより、素材感を際立たせる工夫もされているところがニクいですね。トープカラーの文字盤、逆回転防止ベゼルとの配色の妙により、ケースの素材感が一層引き立てられている印象です。

外見でさらに特徴的なのは、【チューダー】のダイバーズウォッチで初となるシースルーバック仕様になっている点です。搭載している自社製自動巻きムーブメント「Cal.MT5400」の駆動を鑑賞できる点は、メカ好きには嬉しいところです。約70時間のロングパワーリザーブを備えたムーブメントは、39mmのケース径とも相まり、見た目も使い勝手も良いモデルだと思います。こちらはブレスレット仕様ではなく、レザーベルト仕様およびファブリックベルト仕様の展開になっています。

【出典】チューダー

参考定価 ¥467,500-

おすすめモデル④【パネライ】『ルミノール マリーナ ESteel™ Verde Smeraldo』「Ref.PAM01356」

皆さま〈サスティナビリティ〉という言葉を聞いたことがありますでしょうか。直訳すると「持続可能性」という意味で、一般的にはシステムやプロセスが持続できることをいい、環境や生物がその多様性と生産性を期限なく継続できる能力のことを指し、持続可能な発展を意味します。【パネライ】は、このサスティナビリティに配慮した時計ブランドの一つです。

2020年もリサイクルした新素材を用いた新作を発表しましたが、2021年は《 eSteel 》と冠された『ルミノール マリーナ』が発表されました。この《 eSteel 》とは、新しいリサイクルスティール合金のことで、時計総重量の6割を再生素材ベースで作っているとのことです。

PAM01356

【パネライ】といえば!の”サンドイッチ文字盤”にも《 eSteel 》を用いているようで、環境に配慮した素材を使用しつつ、同時に300m防水が実現されている点は、素直に凄いなぁという印象です。自社製ムーブメント「Cal.P.9010」を搭載し、72時間のロングパワーリザーブも備えています。本モデルは、美しくグラデーションを施したグレー、グリーン、ブルーの三色がラインアップされていますが、是非実機を見比べてみたいですね。そして《 eSteel 》がどのような素材感なのか非常に入荷が楽しみです。

【パネライ】の企業としての方向性・今後の取り組みに期待したくなる一本ですね。

【出典】パネライ

参考定価 ¥1,056,000-

おすすめモデル⑤【A.ランゲ&ゾーネ】『トリプルスプリット』「Ref.424.037」

『ランゲ1』好きとしては、ダークブルーのゴールドストーンを文字盤に使用した『リトル・ランゲ1・ムーンフェイズ』「Ref.182.086」をご紹介しようと思いましたが、YouTubeにて当店広報が作成した新作紹介にて、すでに取り上げておりますので(単純に先を越された笑)、異なるモデルを紹介したいと思います。424.037こちらは、2018年に発表した『トリプルスプリット』に追加された新色モデルです。鮮やかなブルーダイヤルとロディウムカラーのサブダイヤル、18KPG(ピンクゴールド)製のケースを組み合わせた上品な仕様となっています。『トリプルスプリット』とは、ラトラパンテ(中間タイムと基準タイムを最長12時間まで計測できる)を備えたクロノグラフのことで、フライバック機能も搭載されています。ムーブメント「Cal.L132.1」をみると、ダトグラフ(アップダウンのムーブメントは「Cal.L951.6」)のような美しさがありますね。

【A.ランゲ&ゾーネ】の技術の粋を集め、素材も厳選されて製作されているとはいえ、おいそれとは手の届く価格ではありません(笑)世界限定100本のモデルでもあり、是非実機を見てみたい一本です。

【出典】A.ランゲ&ゾーネ

参考定価 ¥20,240,000-

おすすめモデル⑥【ヴァシュロン コンスタンタン】『ヒストリーク アメリカン 1921』「Ref.82035/000G-B735」40mm

以前も【ヴァシュロン コンスタンタン】のコラムで、『ヒストリーク アメリカン 1921』を取り上げましたが、100周年を記念し、2021年新作として発表されたモデルを紹介いたします。

こちらは、特徴的なスクエアケース、ユニークなリューズ位置、斜めに配置されたダイヤルなど、非常に個性がある時計です。新作として発表されたのは18KWG(ホワイトゴールド)製の2モデル(36.5mmと40mm)と、PT(プラチナ)製の100本限定モデルですが、今回は40mmの18KWG(ホワイトゴールド)製モデルを取り上げたいと思います。

82035

グレイン仕上げのシルバートーンダイヤルにペイントされたインデックスは、ヴィンテージ感ある書体となっています。また、色目と質感がヴィンテージ感溢れる、ブラウンカーフレザーが付属している点も魅力的ですね。

【出典】ヴァシュロン コンスタンタン

参考定価 ¥4,356,000-

おすすめモデル⑦【ピアジェ】『ポロ スケルトン』「Ref.G0A45004」「Ref.G0A45001」

歴史ある時計ブランドですが、なかなか入荷もなく、取り上げる機会も少ない【ピアジェ】。こちらは2021年新作、ラグジュアリースポーツウォッチの『ポロコレクション』では初となるスケルトン仕様のモデルです。【ピアジェ】独自のデザインによる丸みを帯びたケースは、独特の魅力があります。サファイアクリスタルを用いた風防とシースルーバックの両方から、精巧なムーブメントを眺めることができます。G0A45001ブルーとスレートグレーの2カラーで展開され、ブレスレットもインターチェンジャブル式となっており、付属しているレザーベルトと簡単に交換することが可能となっています。【ヴァシュロン コンスタンタン】の『オーヴァーシーズ』同様、シーンに合わせてベルトを交換することができる点は魅力のひとつですね。

スケルトンモデルというと、【オーデマ ピゲ】『ダブルバランスホイールオープンワーク』など、超絶プレミア価格なモデルも多く、簡単には手が出せないですよね。スケルトンモデルをご検討の方は、【ピアジェ】『ポロスケルトン』はねらい目かもしれません。

【出典】ピアジェ

参考定価 ¥3,366,000-

おすすめモデル⑧【ロレックス】『デイトナ メテオライト』「Ref.116519LN」

普段わたしがコラムを書く際にひとつだけ守っているマイルールがあります。それは『ロレックス』について書かないということです。それはなぜか?他のスタッフが書くコラムやブログが『ロレックス』に触れることが極めて多いためです。今日、わたしはそのルールを破ります(笑)だって、2021年新作のデイトナメテオライト、カッコイイんだもの(笑)116519LN

早速話していきますが、特に機能には触れません。個人的に「Ref.116519LN MET」の一択ですね。同系色の18KWG(ホワイトゴールド)ケースとメテオライト文字盤のコントラスト、そこにセラミックベゼルとオイスターフレックス、インダイヤルのブラックの組み合わせ、最高の一言につきます。従来モデル(Ref.16520、Ref.116520)までは黒文字盤が人気でしたが、現行デイトナのステンレススチールモデルも白文字盤が人気なのは、その色のコントラストゆえだと思います。

18KYG(イエローゴールド)と18KERG(エバーローズゴールド)のモデルも、ブレスレット仕様ももちろんカッコイイのですが、今回取り上げた仕様が定価に対して最もプレミア価格が付くと予想します。メンテナンスの制約も多いロレックスですが、果たしてサービスセンターで文字盤交換を受け付けるのでしょうか。楽しみですね。

【出典】ロレックス

参考定価 ¥3,606,900-

まとめ

いかがでしたでしょうか。

少し外したところ、人気のところをご紹介したつもりではありますが、やはりマイルストーンと呼べるモデルは素直に人気になると予想します。しかしながら、新たな取り組みやデザインなどを提案するブランドも少なくなく、新作発表の時期になるとソワソワするのはわたしだけではないはずです。

皆さまは2021年に発表されたモデルで気になった時計はありましたでしょうか。

わたしが紹介したモデル以外にも魅力溢れるモデルは沢山あると思いますので、是非ご来店の際に話題を振っていただけると幸いです。

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