皆さま、こんにちは。

今回は、スイスの新進気鋭高級時計ブランド【パルミジャーニフルリエ】についてお話ししていきたいと思います。

【パルミジャーニフルリエ】は、近年、時計好きのコレクターから注目を浴びている新進気鋭のブランドです。そんな魅力あふれる【パルミジャーニフルリエ】について、3つのコレクションラインとその代表的なモデルをご紹介していきますので、是非とも最後までお楽しみください。

【パルミジャーニフルリエ】とは

【パルミジャーニフルリエ】は、神の手を持つと言われる時計修復師および時計師である、ミシェル・パルミジャーニによって創立されたスイスの高級時計ブランドで、創業者ミシェル・パルミジャーニと創業地ヌーシャルテル州フルリエの名を冠し、1996年に創業しました。時計製造のすべてに関わる工程を自社でコントロールし、グループに属さない独立性を大切に、ユニークな発想と創造性豊かな時計作りを信念としています。

実は【パルミジャーニフルリエ】は、1976年にスイス・クヴェに開いた時計工房を起源とし、工房では古い時計の修復と複雑時計の製作を行っていました。1978年にはパテック・フィリップ博物館とデ・モン博物館の所蔵品の修復を手掛け、高い評価を得たことが現在に繋がっています。また、1980年にサンド・ファミリー財団から3つの小さなオートマタ、モーリス・イブ・サンドコレクション(かえる、かいこ、白ねずみ)のメンテナンスを任されています。

【パルミジャーニフルリエ】第1作として発表された『トリック メモリータイム』は、その後のモデルにも引き継がれるモルタージュ装飾が施されたベゼルを特徴としています。創業翌年にはムーブメント製造を担う《ヴォーシェ・マニュファクチュール・フルリエ》を設立し、2000年に時計ケース製造の《レ アルティザン ボワティエ》、2001年に脱進機やヒゲゼンマイなどを製造する《アトカルパ》と提携関係を築き、現在はスイス屈指の一貫生産体制を有するまでになっています。2004年には【ショパール】、【ボヴェ】と共同で、時計の品質検査を行う《カリテ・フルリエ財団》を設立しています。

そんなパルミジャーニフルリエには大きく分けて、3つのコレクションがあります。

各コレクション

①【THE TONDA COLLECTION】

『トンダ』とは、イタリア語で「円形」を意味します。ミシェル・パルミジャーニは『トンダ』について、こう述べたそうです。

「この時計コレクションの名前は、イタリア・ベニス地方の言葉「トンド」に由来します。これは、ルネッサンス期の画家が大作を描くときに使用した、円形のキャンバスを意味する言葉です。丸型の『トンダ』コレクションは、【パルミジャーニフルリエ】の美学をいろいろな角度から描き出すための、いわば未使用のキャンバスのようなものです。」

もともと、建築家志望であったとも言われるミシェル・パルミジャーニですが、その造形の深さと芸術家としての思考がうかがえるコメントですね。

『トンダGT』

ドライバーの負担を軽減するための技術が駆使された、長距離を快適に走行できる自動車を指す”GT”。その名を冠したコレクション『トンダGT』の最新作は、最もコレクション数の多い『トンダ』シリーズです。ケースデザインは、2017年ジュネーブウォッチグランプリ”クロノグラフ”部門賞を受賞した『トンダ クロノール』を踏襲しつつ、「黄金比」で作られております。一体型ブレスレットを備えた、所謂「ラグジュアリースポーツウォッチ」ですね。また、外部デザイナーを起用したことでも有名で、【ヴァシュロン・コンスタンタン】初代『オーヴァーシーズ』、【コルム】『ゴールデンブリッジ』を手掛けたデザイナー、ディノ・モドロ氏がデザインしています。

TONDA GT STEEL BLACK
「Ref. PFC910-0000210-B00182」

12時位置のデイト表示、6時位置のスモールセコンドと、シンプルかつ洗練されたデザインが、文字盤全体に施されたギョーシェ彫りの美しさを一層際立たせているこちらは、洗練されたスポーティーな印象の1本。自動巻きムーブメント「Cal.PF044」は、約45時間のパワーリザーブと100m防水を備えています。コート・ド・ジュネーブのストライプで細かく仕上げられており、同社の技術力の高さがうかがえますね。

【出典】パルミジャーニフルリエ CHF 14’500

『トンダPF』

【ブルガリ】の時計部門責任者で、オクト フィニッシモの生みの親の一人でもあったグイド・テレーニ氏を新CEOに迎えた【パルミジャーニフルリエ】

2021年のGeneva Watch Daysで、彼の監修による初のコレクション『トンダ PF』を発表しました。創設以来愛されてきた『トンダ』のデザインを一新したそのコレクションは、シンプルな2針仕様、ハイビートクロノグラフ、レトログラードデイト付きアニュアルカレンダー、プラチナ素材を採用したハイビートスプリットセコンドクロノグラフなどがあります。

ダイヤルには【PF】ロゴが、各ダイヤルの12時位置にある縦長の楕円の中に配置され、新しいエンブレムとなっています。美しいギョーシェ彫り、ソリッドゴールドのスケルトン針、オリジナルの『トンダ』シリーズから採用されたマルチフィニッシュベゼル、ダイヤルに2段で配置されたアプライドのアワーマーカーなどは、共通のデザインとなっています。

TONDA PF CHRONOGRAPH STEEL
「Ref.PFC915-1020001-100182」

こちらはミラノブルーダイヤルが美しいクロノグラフ搭載の『トンダ PF』です。ムーブメントは自動巻き「Cal.PF070-COSC」が搭載され、パワーリザーブは約65時間となっています。

【出典】パルミジャーニフルリエ CHF 28’000

②【THE TORIC COLLECTION】

1996年のブランド発足時から展開される『トリック』は、【パルミジャーニフルリエ】の最初の腕時計としても有名です。『トリック』の由来は、古代ギリシャ建築などに見られる、重ねた円環状の柱で、ベゼルに施したモルタージュ装飾(ローレット加工)を柱の模様に見立てています。また、貝殻の模様に着想を得たベゼルも特徴的ですが、氏はこう回想しています。

「90年にバケーションでマレーシアに出掛けました。その際、浜辺で貝殻を拾いました。完全なプロポーションを持ち、立体的なのに、45度ほど傾けると平たく見える。この貝殻の造形をケースに転用すれば、時計を薄く見せられるのではないか、と考えました。つまり、視覚的なまやかしを作ることができる」

『トリック』のミドルケースは、時の流れに左右されない、時代を超えて親しまれるモデルになること=「永続性」を、最大の夢・テーマとして持ち続けているそうです。ちなみに、発表当時、自社ムーブメントを保有していなかったため、レマニア製ムーブメント「Cal.8813」を搭載していました。

エレガントさ、クラシックさ、時代を超えた美しさを備えた『トリック』は、トゥールビヨン、クロノグラフ、パーペチュアルカレンダー、大聖堂を模したミニッツリピーターなど、同社の力の入れようがうかがえるコレクションとなっています。

TORIC HEMISPHERES RETROGRADE STEEL BLACK
「Ref.PFC493-0001400-XA1442」

こちらは、ミシェル・パルミジャーニによって最初に製作された、象徴的な『トリック』コレクションのデザインとトラベルタイムを組み合わせています。搭載されている高性能自動巻ムーブメントによって、2つの異なる場所の時刻を分単位で読み取り、独立して表示することができる、デュアルタイムモデルとなっています。

【出典】パルミジャーニフルリエ CHF 19’800

TORIC HEMISPHERES RETROGRADE STEEL BLUE
「Ref.PFC901-1020001-300182」

こちらは、落ち着いた色目のブルーと手作業で施されたギョーシェ彫りが美しいモデルです。

【出典】パルミジャーニフルリエ CHF 20’000

③【THE KALPA COLLECTION】

『カルパ』コレクションは、涙の形をしたラグの輪郭と、フィボナッチ数列の自然な比率に基づいたデザインとなっています。

「トノー型」として知られる『カルパ』の長方形ケースは、『カルパピッコラ』、『カルパドンナ』、『カルパリスマ』の基となっているデザインです。このコレクションは、クロノグラフ、ミニッツリピーター、毎分2回転を実行する30秒トゥールビヨンなど、様々な複雑機構を備えているモデルがリリースされており、同社の技術水準の高さにあらためて驚きを感じます。

KALPAGRAPHE STEEL BLUE
「Ref.PFC128-0002500-X01402」

こちらの『カルパグラフ』は、シックでありながら、スポーティーな印象の一本です。高級感あるポリッシュ仕上げのトノーケースとブルーダイヤルが上品ですね。旧モデルからデザイン面が大きく見直されたようで、よりモダンな仕上がりとなっています。44.5mm×39.2mmのケース径ながら、腕馴染みの良いデザインで、人気のモデルです。

【出典】パルミジャーニフルリエ CHF 13’900

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ひそかに人気が出てきている【パルミジャーニフルリエ】について取り上げてみました。

【パルミジャーニフルリエ】の名を初めて聞いた!という方もいらっしゃったかと思いますが、この記事を読んで頂いたことで、少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

今回は、代表モデルとして、ステンレススチールのモデルを中心にご紹介しましたが、金無垢モデルやコンプリケーションモデルのラインアップも豊富にあります。気になった方は是非とも公式サイトにてご確認いただければと思います。

当店では、まだまだ取り扱いが少ないブランドではございますが、今後是非注目していきたいブランドです。

ではまた!

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