緊急事態宣言が延期されてしまいましたね…
さて今回は、YouTubeとコラムで大変ご好評いただきました『グランドセイコー』の、2021年の新作モデルを紹介したいと思います。
1986年以来、30年以上に渡り毎年参加してきたバーゼルワールドへの出店を2019年より見送っており、その後は公式ホームページ上で新作が発表されております。2021年2月12日より順次プレスリリースにて今年の新作モデルが発表されておりますので、そちらを参考にご案内したいと思います。
同ブランドの紹介は、【2021年度版 グランドセイコーのおすすめモデル8選】日本が世界に誇る国産ブランドの人気モデルが集結!!コロナに負けるな国内ブランド!という思いも込めて配信させていただきます! – YouTube にて紹介しておりますので、割愛させていただきますね。
それでは『グランドセイコー』の2021年新作モデルを、プレスリリースが発表された順番にご紹介していきます。
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◆ 『グランドセイコー』の2021年新作モデル
- 新作モデル① SLGH005 [Series 9 シリーズナイン]
- 新作モデル② SBGJ251 [ Elegance Collection メカニカルハイビートGMT 春分 ]
- 新作モデル③ SBGJ249 [ Elegance Collection メカニカルハイビートGMT 小暑 ]
- 新作モデル④ SBGE271 [ Elegance Collection スプリングドライブGMT 寒露 ]
- 新作モデル⑤ SBGE269 [ Elegance Collection スプリングドライブGMT 冬至 ]
- 新作モデル⑥ SBGC240 [ Sport Collection ]
- 新作モデル⑦ SBGD207 [ Heritage Collection ]
- 新作モデル⑧ SLGH007 [ Heritage Collection Series 9 ]
- ◆ おまけ
- ◆ まとめ
『グランドセイコー』の2021年新作モデル
新作モデル① SLGH005 [Series 9 シリーズナイン]
こちらは、1967年に44GSで確立したデザインを踏襲しながら、「光と陰の間」「光を美しく流す造形」に美を見出す日本の感性を取り込み製作されたモデルです。
本モデルは、2020年に誕生した『グランドセイコー』専用のメカニカルハイビートムーブメント「キャリバー9SA5」が搭載されており、デュアルインパルス脱進機(高効率な脱進機)やツインバレル(二つの動力ぜんまい)を採用することにより、毎時36,000振動のハイビートでありながら、最大巻上時には約80時間駆動を達成しています。また、独自の水平輪列構造によって薄型化(ケース厚 11.7㎜)が実現されています。
こちらの「キャリバー9SA5」は、岩手山を望む「グランドセイコースタジオ 雫石」という工房で、経験豊富な時計技師の技によって生み出されています。機械式時計の『グランドセイコー』の製造拠点「グランドセイコースタジオ 雫石」の近くには、日本有数の白樺の群生地域があり、この壮麗な白樺林をダイナミックな型打模様と繊細なカラーリングを施したダイヤルで表現しているそうです。
『グランドセイコー』のニクいところは、裏蓋から覗くムーブメントにも、雫石の自然から着想を得た仕上げを施している点です。繊細なストライプ模様をあしらった「雫石川仕上げ」は、季節の変化に富んだ雄大な雫石川の流れを表現しているとのことです。『グランドセイコー』のデザインを正統進化させたこちらのシリーズは「Series 9(シリーズナイン)」の名称で今後も継続展開してまいります、とのことですので期待したいですね。
【出典】グランドセイコー
参考定価 1,045,000円(税込)
発売予定日 3月6日(土)
四季ダイヤル
ここから4本『グランドセイコー』が日本の四季をダイヤルに表現したモデルをご紹介いたします。
『グランドセイコー』のブランドフィロソフィーである「THE NATURE OF TIME」「時の本質は森羅万象とともにある」という日本人の自然観を時計に落とし込んだモデルだそうです。二十四節気という、1年を24等分して、季節の微妙な移ろいを日々の暮らしに取り入れてきた日本では、自然に畏敬の念を持ち、わびさびを楽しむ風土がありますが、日本の美の捉え方を時計に表現する『グランドセイコー』は、他のブランドとは一線を画しますね。
春分と小暑は自動巻メカニカルハイビート36000「9S86」、寒露と冬至はスプリングドライブ「9R66」を搭載しており、ムーブメントが異なっています。
新作モデル② SBGJ251 [ Elegance Collection メカニカルハイビートGMT 春分 ]
『春分』は、ご存知のとおり昼と夜の長さがほぼ同じになる頃で、桜の開花が始まり、本格的な春の到来を感じる時節です。寒さを耐え抜いた木々が芽吹き、花を咲かせる季節でもあり、こちらは人里離れた山奥でほのかに色づきはじめた「山桜」をイメージし、ダイヤルをデザインしているそうです。
グリーンダイヤルに、山桜をイメージした鮮やかなPG(ピンクゴールド)のGMT針がアクセントとなり、春の訪れを感じさせるモデルに仕上がっています。和製グリーンサブと言われた「ディープフォレスト SBDX021」然り、セイコーのグリーンは非常に深く美しいので、是非実機を見てみたいですね。
外的影響に強く高精度を実現した自動巻メカニカルハイビート36000ムーブメントの性能に、GMT機能を追加した「キャリバー9S86」搭載モデルです。
【出典】グランドセイコー
参考定価 814,000円(税込)
発売予定日 5月28日(金)
新作モデル③ SBGJ249 [ Elegance Collection メカニカルハイビートGMT 小暑 ]
『小暑』は、梅雨が明け本格的な夏の到来を感じる初夏の太陽のもと、梅雨明けに吹く白南風(しらはえ/しらさえ)によって起こる湖や池が揺らめく絶え間ないさざ波のイメージをダイヤルデザインに落とし込んだモデルです。
爽やかな水色のダイヤルは、南風に吹かれ絶え間なく起こるさざ波を表現し、シックで上品な色目となっていて、非常に惹き込まれる文字盤となっています。
こちらも春分モデル同様、外的影響に強く高精度を実現した自動巻メカニカルハイビート36000ムーブメントの性能に、GMT機能を追加した「キャリバー9S86」搭載モデルです。
【出典】グランドセイコー
参考定価 814,000円(税込)
発売予定日 5月28日(金)
新作モデル④ SBGE271 [ Elegance Collection スプリングドライブGMT 寒露 ]
こちらは、草木に冷たい露が宿り、朝夕はひんやりと肌寒く、本格的に秋が深まる『寒露』をイメージしたモデルです。
夏の喧騒から解き放たれ、秋の夜長の落ち着きを感じる頃に、鰯雲から覗く月が美しく輝いて見える、静寂の「良夜(りょうや)」をイメージしたブラックダイヤルの上で、鰯雲から覗く月の輝きを彷彿とさせるGMT針が、静かにゆっくりと夜が流れていく様がイメージできます。
写真のブラックダイヤルとGMT針を見ていると、日がすっかり沈んでしまってから聞こえてくる、風の音や虫の声などもまた、たいへん趣き深いという、清少納言の枕草子の随筆がふと頭に浮かびました。
こちらは、ゼンマイ式時計の動力とクォーツ時計の精度を備えたセイコー独自の機構「スプリングドライブ」を搭載しており、流れるように動く秒針が特徴のモデルです。
【出典】グランドセイコー
参考定価 726,000円(税込)
発売予定日 9月28日(金)
新作モデル⑤ SBGE269 [ Elegance Collection スプリングドライブGMT 冬至 ]
『冬至』は、一年で最も昼の時間が短くなる時期で、厳しい寒さを感じる本格的な冬の始まりが告げられる季節です。染み入るような静寂が広がる雪原をイメージした白色のダイヤルに、温かな茜色の夕日の柔らかな光を、PG(ピンクゴールド)のGMT針で表現しているそうです。
雪が止み、染み入るような静けさと寒さの中で輝く「雪晴れ」の夕日をイメージしたダイヤルデザインは『グランドセイコー』でお馴染みの雪白(ゆきしろ)ダイヤルとは異なる印象ですね。
こちらは、ゼンマイ式時計の動力とクォーツ時計の精度を備えたセイコー独自の機構「スプリングドライブ」を搭載しており、流れるように動く秒針が特徴のモデルです。
【出典】グランドセイコー
参考定価 726,000円(税込)
発売予定日 9月28日(金)
新作モデル⑥ SBGC240 [ Sport Collection ]
続いては、セイコー創業140周年記念を祝して発売される、18KYG(イエローゴールド)と艶やかなブラックセラミックスのコントラストが際立つ、スプリングドライブクロノグラフGMTです。『グランドセイコー』初となる18KYG(イエローゴールド)と優れた耐傷性能を持つジルコニア・セラミックスのブラックベゼルを採用した、艶やかな光沢を纏う知的な印象を与えるモデルです。
多角形のイエローゴールドベゼルは、インデックスの延長線上に、12か所の頂点が配された十二角形とすることで、どの角度からでも時刻を判読しやすくなっています。ケースはザラツ研磨(円形の定盤を回転させ、そこにケースを押し当てて面をならし、歪みのない平面を生み出す下地処理技術)によって整えられ、上面はヘアライン仕上げ、側面は鏡面仕上げが施されることで『グランドセイコー』らしい無駄の無い精悍な造形と上質な輝きを実現しています。
また、ブラックダイヤルにあしらわれたゴールドカラーの時分針とインデックスは、視認性に優れ、ベゼルのブラックとの組み合わせがカッコいいモデルです。18KYG(イエローゴールド)を採用したプッシュボタンは、心地よいクリック感を引き継ぎつつ、サイズダウンを図ることで手の動きを阻害しないよう装着性を向上させています。
SS(ステンレススチール)ケースに18KYG(イエローゴールド)とブラックセラミックスのコンビネーションベゼルを採用したことで、存在感と知的さ、高級感を醸し出すモデルになっていると思います。コンビネーションモデルというと、ブレスレットの真ん中のコマが18KYG(イエローゴールド)になっている時計が多いと思うのですが、こちらはブレスレットのコマをステンレスで統一していることにより、いやらしさが軽減されていて、サラリーマンの方でも比較的使用しやすいモデルとなっているのではないでしょうか。
【出典】グランドセイコー
参考定価 2,090,000円(税込)
ブティックオンライン先行発売 発売予定日 6月10日(木)
ブティック・グランドセイコーサロン 発売予定日 7月9日(金)
新作モデル⑦ SBGD207 [ Heritage Collection ]
こちらもセイコー創業140周年記念で発売される、長野県奥蓼科にある神秘的な「御射鹿池」をデザインテーマにしたジュエリーウォッチです。スプリングドライブをベースとした複雑時計や最高級品を手がける専門工房「マイクロアーティスト工房」で製造されています。マイクロアーティスト工房とは「信州 時の匠工房」を構成する主要工房の一つで、2000年に時計の技能を継承する目的でセイコーエプソン株式会社 塩尻事業所内に設立されたようです。
「御射鹿池」に映し出される木々を彷彿とさせる新色のグリーンを施した白蝶貝ダイヤルと、グリーンガーネット、クロコダイルストラップが印象的ですね。分目盛りとしてあしらわれた、ダイヤルを囲む48石の細長いテーパーバゲットダイヤモンドと12石のグリーンガーネットが、18KWG(ホワイトゴールド)製のダイヤルベース上に円周状に隙間なく水平になるようレール留めされています。分目盛りの外周部にも、合計60石のダイヤモンドとグリーンガーネットが、リューズにはブリリアントカットのダイヤモンドがあしらわれています。12時位置のグリーンガーネットは、他よりもわずかに幅が広いものを採用することで、時刻の読み取りやすさを高め「実用性」と「華やかさ」が共存する『グランドセイコー』ならではの気品あるジュエリーウオッチを実現しています。
また、ケース素材には希少なPT(プラチナ)を95%含むPT(プラチナ)950が採用されており、エッジの際立つ端正な美しさとなっています。美しさや絢爛豪華さには目を見張りますが、お値段も目が点になるプライスですね(笑)搭載されている「キャリバー9R01」は、マイクロアーティスト工房が手がけるスプリングドライブムーブメントで、平均月差± 10秒(日差± 0.5秒相当)ながら、最大約8日間(約192時間)の連続駆動を可能にしています。
【出典】グランドセイコー
参考定価 22,000,000円(税込)
発売予定日 5月21日(金)
数量限定 15 本
新作モデル⑧ SLGH007 [ Heritage Collection Series 9 ]
最後もセイコー創業140周年記念として発売される、新デザインシリーズ「Series 9」から、創業者である服部金太郎の信条「常に時代の一歩先を行く」「急ぐな休むな」を継承する『グランドセイコー』の進化を表現した数量限定モデルを紹介いたします。
こちらのモデルは、一年ごとに積み重ねられる年輪に見立て「グランドセイコースタジオ 雫石」のそばの雫石神社にある、長い歳月をかけて成長する大樹(杉の木)の年輪をダイヤルで表現しています。従来の型打ち模様よりも高低差を広げ、流線的な木目の溝にも数百箇所に及ぶ細かい筋目加工を施すことで、独創的でダイナミックな模様が実現したとのことです。
インデックスは18KWG(ホワイトゴールド)を削り出して形づくる、という手の込んだ仕様です。6時位置のSDマーク(Special Dial=金無垢のインデックスを採用したダイヤル)がこのモデルの特別性を感じる点ですね。
ムーブメントは、2020年に誕生したグランドセイコー専用のメカニカルハイビートムーブメント「キャリバー9SA5」が搭載されています。この次世代ムーブメントは、デュアルインパルス脱進機(高効率な脱進機)やツインバレル(二つの動力ぜんまい)を採用することにより、毎時36,000振動のハイビートでありながら、最大巻上時には約80時間駆動を達成するとともに、独自の水平輪列構造によって薄型化を実現しています。「キャリバー9SA5」は、雄大な岩手山を望む「グランドセイコースタジオ 雫石」という豊かな自然に育まれた工房で、経験豊富な匠の技によって生み出されています。
140年前の創業時に創業者が掲げた信条は、途絶えることなく、今も『グランドセイコー』のブランド思想やものづくりに脈々と受け継がれているのですね。特別なモデルにふさわしいPT(プラチナ)ケースとも絶妙に調和し、深みのある趣を生み出しています。
【出典】グランドセイコー
参考定価 6,600,000円(税込)
発売予定日 7月23日(金)
世界限定:140本
おまけ
今回は、最後におまけとしてグランドセイコーのオススメ時計を一本追加しておきます。
おすすめモデル SBGN003 [ Grand Seiko Sport Collection ]
こちらは、究極のクオーツを目指して開発された「キャリバー9F」に、GMT機能を付与するために新たに設計された「キャリバー9F86」を搭載したモデルです。本格的なスポーツデザイン、クオーツ時計らしいスマートな薄さ(ケース厚 12.1mm)を堪能できる『グランドセイコー』スポーツコレクションで、39mmというケースサイズも使い勝手が良い点ですね!
時差のある地域の時刻に合わせるときに、時計を止めずに時針のみを修正できるため、クオーツ時計の高い精度を失うことがない利便性が実現されています。ケースデザインはシンプルでありながら、立体感と薄さが両立されており、心地よい装着感です。また、ねじロック式りゅうずを採用することで高い気密性、防水性を保ち、タフな使用に耐え得る耐久力も兼ね備えています。存在感のあるオレンジのGMT針と上下ツートーンのダイヤルリングが生み出すコントラストによって、GMT針が指し示す時刻の昼夜を容易に判別することができるよう配慮されています。
こちらは、ふと『グランドセイコー』のマスターショップを見ていた時に見つけたモデルで、あれ!?ロレックスのエクスプローラーⅡに似てるな(笑)、と思いながら手に取ってみた時計です。エクスプローラーⅡのディスコン説が流れておりますが、こちらのSBGN003も非常によくできた時計ですので、新社会人を迎える方や、最初の一本目に選んでみても良い時計だと思います。
【出典】グランドセイコー
深海や藍色のような限りなくネイビー近いブルーダイヤルもあり、こちらも素敵ですね。
【出典】グランドセイコー
参考定価 363,000円(税込)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本の美や心を表現した、魅力的なラインアップばかりでしたね。
今後も『グランドセイコー』より新作が発表されましたら、ご紹介していきたいと思います。
Text By Yoichiro Yamashita
動画はこちらから
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