パテックフィリップは、時計愛好家の中でも雲の上の時計、通称「雲上時計ブランド」の一つとして数えられています。日本ではあまり知名度がないこの時計ブランドですが、一流のビジネスの場や世界では広く認知されています。

そんなパテックフィリップの中でも、主力モデルの一つである「ノーチラス」について時計初心者でも分かるように魅力をお伝えしていきます。

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時計好きの憧れパテックフィリップ

ノーチラスの前に、まずパテックフィリップというブランドについて簡単におさらいします。
パテックフィリップは、世界三大時計ブランドの一つに数えられる高級時計メーカーです。

時計の内部は非常に複雑な機構でできており、その製作技術は、誰もが得られるものではなく、長い経験と指導が必要となります。

なので、多くの時計メーカーでは、高級ブランドであっても複雑機構を外注するところもあります。日本でも有名なロレックスも現在でこそ自社生産ですが、少し前までは他の時計ブランドの内部機構を使っていたほどです。

そんな中、パテックフィリップは一から十までを自社で製造するという方法を貫き通しているブランドです。このようなメーカーをマニュファクチュールと呼びますが、パテックフィリップは現存する数少ないマニュファクチュールの一つなのです。


パテックフィリップの主力商品「ノーチラス」とは?

そんな世界に誇るマニュファクチュール、パテックフィリップの主力ラインともいえるノーチラス。

当時、電池式時計(クォーツ式時計)の登場により、スイスの機械式時計ブランドが軒並みダメージを受けていました。後に機械式時計の歴史を繋ぎとめた、とも称されるほど、革新的な時計、それがパテックフィリップ初のスポーツウォッチであるノーチラスなのです。

パテックフィリップ、ノーチラスの魅力

ノーチラスの魅力①「20世紀最高の天才時計デザイナー」の作品

ノーチラスのデザインは、後に「20世紀最高の天才時計デザイナー」と称されるジェラルド・ジェンタ氏により手がけられました。

高級時計ブランドは通常、金などの貴金属が多用されるものが主流でしたが、ノーチラスは、高級ブランドでは珍しいステンレススティールを利用していました。

パテックフィリップとステンレススティール、この組み合わせが当時革新的だったのです。

当時の高級時計ブランドにおけるステンレススティールの認識を変えた逸品です。

ステンレスだからといって安いっぽい印象にはならず、パテックフィリップらしいエレガンスでありながら、隙のないデザインは同時期に発売されたオーデマピゲのロイヤルオークと並び業界を騒がせました。

ノーチラスは、「ウェットスーツにもタキシードにも合う」そんなデザインがされています。1970年代はマリンスポーツが流行っていた時期なので、1976年に発売されたノーチラスは、時勢的にもフィットしたことが、売上を伸ばした理由の一つではないかと考えられます。

ノーチラスの魅力②潜水艦の船窓をモチーフにしたデザイン

ノーチラスの名称は、SF小説の名作『海底二万里』に登場するネモ船長の潜水艦の名称「ノーチラス号」に由来しているそうです。デザインもこの潜水艦の船べりについた小さな窓(船窓)をイメージして作られています。

とはいっても小説の中の世界で、今のように映像化されていたわけではないので、ほぼジェラルド・ジェンタ氏が考えたデザインということになります。

また、遠洋汽船の窓の高い防水性が施された開閉システムから着想を得ました。その結果、汽船の窓と同じく防水システムも施されているため、高い防水性があるのも特徴です。

ノーチラスの魅力③特徴的な耳のデザイン

ノーチラスの特徴は耳と呼ばれる左右の突起部分です。ノーチラスの代表的な部分で先ほどの防水性にも構造上必要なものでした。

なぜ防水にこだわったかと言えば、元々このノーチラスは、マリンスポーツ愛好家であるパテックフィリップ名誉会長であるフィリップ・スターン氏も企画に携わってことが関係しているのではないかと考えられます。

元々潜水艦の舷窓と汽船の防水性に着想を得ていたとはいえ、その経緯には、名誉会長のマリンスポーツへの影響が多分にあったと考えらます。

結果としては、そうして作られたノーチラスの最大の特徴となる耳がつき、現在まで時計愛好家に愛されるデザインとなりました。

知っておいて損はないノーチラスの代表モデル

そんなノーチラスですが、長年同じものを発売しているわけではありません。ただ、パッとみただけではどれも同じような印象をもってしまうでしょう。

そこで、ノーチラスの中でも代表的なモデルをいくつかご紹介します。ぜひ、ノーチラスの違いについて知っておいてください。

ノーチラス 3700/1A

引用:item.rakuten.co.jp

Ref.3700/1Aは、ノーチラスの初代モデルです。ケースサイズが42mmあったことから、ノーチラスファーストジャンボという名前でも呼称されます。

今でこそ非常に人気の高いノーチラスですが、当時はあまりにも先進的すぎたため、このモデルの発売はすぐに終了しています。

ですが、当時の定価160万円ほどだったところから、現在は800万円ほどで取引されていることを考えるとかなりのプレミアがついていますね。

ノーチラス 3800/1A

1981年~2005年まで発売されていたモデルで、イエローゴールドやダイヤ、プラチナなど様々な素材の組み合わせがラインアップされていました。

ケースサイズが38mmなので、初代よりも小ぶりになっています。

現在小ぶりの時計に注目が集まっているため、市場でも高い価値で取引されています。

当店で在庫している商品は「ノーチラス 3800」のステンレスとイエローゴールドのコンビモデルとなります。ホワイトマットダイヤルにローマン数字の組み合わせは非常に珍しく、あまり見かけることはないかと思われます。ノーチラスのステンレスモデルはミディアムサイズも含め近年高騰しており、コンビモデルはまだ狙い目かと思います。

ノーチラス 5711/1A

ノーチラスRef.5711/1Aは、1976年から続くノーチラスの現行モデルです。
希少性が高く、正規店であっても手に入ることは稀なモデルです。その価格は定価の2倍以上というのですから未だノーチラスの人気が衰えていないことを感じさせますね。

ノーチラスは、高い防水性を確保するためにベゼルに加え、裏蓋とケース一体となった2ピース構造をしておりましたが、Ref.5711/1Aモデルでは、ベゼル・裏蓋・ケースすべてバラバラの3ピース構造へ変更しました。

かつてジェラルド・ジェンダ氏は薄型かつ防水機能を実現するために2ピース構造にしましたが、8.3mmという薄さは健在なので技術の進歩を感じられる一品になっています。

防水構造上、耳は必要でなくなったモデルではあるのですが、それでも健在な当たりノーチラスの耳のデザインの重要性が垣間見えます。

ノーチラス 5712/1A

パテックフィリップ ノーチラス プチコン-1

2006年に発売された通称「プチコン」と呼ばれるモデルです。

ノーチラスの中でも、ムーンフェイズ(月の満ち欠けがわかる機能)やパワーリザーブ(残動力)表示機能が搭載されていることが特徴です。

この独特の表情から未だ根強い人気があります。

当店で在庫している商品は「プチコン」のホワイトゴールドモデルとなります。上品なゴールドケースを使用した革ベルトのモデルです。ノーチラスのステンレスモデルは近年高騰しており、18KWGモデルは狙い目かと思います。

ノーチラス 5980/1A

Ref.5980は、ノーチラスでは貴重なクロノグラフ(ストップウォッチ機能)が搭載されたモデルになっており、2006年に誕生したモデルです。

クロノグラフ時計というと三つの円があり、カッコいいながらも複雑な印象を与える中、このモデルの場合は一つ目ですっきりした顔立ちを見せます。

中古市場価格がかなり上がったことから時計投資家の間でも話題になった一品です。

ノーチラス 5726/1A-001

引用:patek.com

2010年に発売されたモデルです。

年次カレンダーのアニュアルカレンダーとムーンフェイズがついているモデルです。機能性が非常に高い組み合わせで、ノーチラスファンに人気があります。

トータル的なバランスもとても美しく、他のノーチラスとは少し違う魅力があります。

ノーチラス 5990/1A

引用:patek.com

2014年に発売されたモデルです。

ノーチラスのクロノグラフモデルはいくつかご紹介いたしましたが、それに加えて出発地と現地の時刻を表示するデュアルタイムゾーン機構を内蔵しているタイプのノーチラスになっています。

裏面はシースルーバックで内部機構が見えるようになっています。

番外編ノーチラス 5800/1A

2006年にノーチラス誕生30周年を記念して発売されたモデルです。裏面がスケルトンバックになっているので、内部機構を見ることができるのが特徴です。

表側だけでなく裏側を見て楽しいのも、このモデルの魅力です。

5800はノーチラスの中でも少し小さいサイズで、日本人に特に人気のモデルになっています。生産期間が非常に短かったため、プレミア価格がついているモデルでもあります。

番外編ノーチラス 3712

引用:watchcentre.com

こちらも2005年に発売され、わずか一年未満で生産終了してしまった非常にプレミア度が高いモデルです。

ノーチラスの中でも、いわゆるレアものになるため、中古市場に出せばかなり高額の取引が期待できます。

まとめ

今回の記事では、パテックフィリップが誇るノーチラスについてお伝えしました。

世界三大時計にも数えられるパテックフィリップの中でも、ノーチラスは主力商品の一つです。

ノーチラスは、20世紀最高の天才時計デザイナーのジェラルド・ジェンタ氏が手がけた作品で、船窓に着想を得て作られました。

特徴的な耳のデザインは、高い防水性を実現するために作られたということをご紹介いたしました。

ノーチラスの代表的モデルとして以下のモデルをご紹介いたしました。

  • ノーチラス 3700/1A
  • ノーチラス 3800/1A
  • ノーチラス 5711/1A
  • ノーチラス 5712/1A
  • ノーチラス 5980/1A
  • ノーチラス 5726/1A-001
  • ノーチラス 5990/1A
  • ノーチラス 5800/1A
  • ノーチラス 3712

それぞれのモデルに特徴があり、機能や素材の違いがあることもご紹介させていただきました。

時計投資にも優れたノーチラス、見かけたら購入を検討してみるのも良いのではないでしょうか?

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ここまでお読みいただきありがとうございました。
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パテックフィリップ