みなさん、こんにちは。

実に11ヶ月ぶり。本日10月25日より、東京都と大阪府でも飲食店に対する営業時間短縮要請が全面解除となるようですね。ワクチン接種率も増え、新規感染者数も日に日に減少しているのは喜ばしい限りですが、海外への往来が以前のように自由になるのには、まだまだ時間がかかりそうです。様々な制限が解除されるようになる為には、マスクの着用、手洗いやうがいを徹底するなど自分達が出来ることを引き続き徹底してやっていく事が大切ですね。

さて本日は、コミットでも初の取り扱いとなる「Ref.5370P-001」スプリットセコンド・クロノグラフが入荷いたしましたので、ご紹介していきたいと思います。是非最後までお楽しみください。

スプリットセコンド・クロノグラフ

まずはじめに、スプリットセコンド・クロノグラフについて簡単にご説明しておきます。

スプリットセコンド・クロノグラフとは

この機能をもった時計には、上下に重なり合った2本のクロノグラフ針が存在します。この2本の針が同時に動き出し、特別に設置されたスプリットボタンを押すことで、そのうちの1本だけが止まり、残ったもう1本はそのまま動き続けます。1本のみを止めることで、中間計測値を読み取ることができ、もう一度スプリットボタンを押すと、止まっていた針が動き続けている針に瞬時に追いつき、重なり合った状態に戻ります。

針の動きだけを見ていると、いまにも壊れてしまうのではないか?と思ってしまいますが、各社が技術の粋を集めたこの機能は、時計好きの方であれば、誰もが一度は憧れる複雑機能であります。

「Ref.5370P-001」スプリットセコンド・クロノグラフ Platinum

2015年のバーゼルワールドで発表されたスプリットセコンド・クロノグラフ「Ref.5370P-001」。当時は、Platinum(プラチナ)ケース、ブラックエナメル文字盤、ホワイトゴールド仕様のアップライドブレゲ植字インデックス、単体でスプリットクロノグラフを搭載と、とにかくすごいモデルが発表されたという衝撃を受けたのを覚えています。

この時計を見ていて思わず引き込まれそうになってしまうのは、間違いなくこの”文字盤”であると思います。綺麗なツヤ感のあるこのブラック文字盤は、ただ者ならぬオーラを放っておりますが、それもそのはず、本黒七宝焼きという手法で作られているのです。

七宝焼きとは、金属とガラスの合体工芸の一種で、その伝統工芸技法、作品のことを指します。WG(ホワイトゴールド)のディスクに黒七宝焼を塗り、850度の高温で溶かし、冷却をして、手作業にて表面を磨くことにより仕上げられています。

ルーペで見ても表面に凹凸やムラが一切なく、エナメルならではのツヤがある完成された文字盤です。エナメル文字盤と一括りで言ってしまうと、どれしもがツヤを持った文字盤と解釈してしまいますが、この文字盤は他の追随を許さない、一線を画す出来映えであると思います。

インデックスにはWG(ホワイトゴールド)のアップライドブレゲ数字インデックス、、、
カッコいいに決まってますね。

【パテックフィリップ】の特別なモデルにしかないと言っても過言ではないPlatinum(プラチナム)素材は、6時位置に差別化したお決まりのダイヤモンドが埋め込まれております。

ケース径は41mmですが、リューズ位置にあるスプリットボタンと、革ベルト仕様ではありますが、Platinum(プラチナ)ならではの重みがあり、スプリット機構を搭載したムーブメントのため、迫力のあるケースに仕上がっております。

ほとんど着用されておらず、前オーナー様が大事にされていたため、ケースコンディションは非常に良いです。もちろんノンポリッシュ。革ベルトもこのままご使用がいただけます。

スケルトンバックから眺めることができる手巻きムーブメント「Cal.CHR 29-535 PS」は、歯車の伝達効率を向上させ、摩擦を減少させております。この芸術的とも言える立体的なムーブメントは、ずっと見ていても飽きないほどの世界が広がっており、たまにムーブメントを見てお酒を飲めると言われる方がいらっしゃいますが、頷けますね。(笑)

保証書の日付は2017年。グランドコンプリケーションの上位モデルとなってくると保証書の仕様もとても豪華になります。付属品の状態も非常に良く、クローズドのケースバック、セッティングピンなどすべて揃っております。

気になる販売価格は、25,520,000円(税込)

国内外で販売されている個体を見つけるのも難しく、状態を考えてもこの価格は’’世界最安’’と言っても過言ではないと思います。現在、こちらの本黒七宝(ブラックエナメル)文字盤は廃盤となっており、今後は価格も上がって行くのでは?と、個人的に楽しな1本です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は待ちに待った待望モデルの入荷でしたので、とても熱が入ってしまいました。(笑)

実はこのコラムを執筆している日にお客様がいらっしゃいまして、まさかのブルーエナメル文字盤「Ref.5370P-011」をはめていらっしゃいました!!

どうしても気持ちを抑える事ができず、今後なかなか実現は難しい”ツーショット”を、、、

突然の無理なご提案に、あたたかくご対応いただきありがとうございました。

最近は気温も低くなり、革ベルト仕様の時計が着用しやすい季節となってきました。この機会に【パテックフィリップ】の革ベルトモデルをコレクションしてみてはいかがでしょうか?

では、また!

阿部泰治のパテック論