映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第39弾の今回は、番外編として映画監督が愛用する腕時計【PART.1】をお送りします。

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映画評論家からは「映画は監督のモノ」と言われているほど、映画製作において重要な役割を果たす「監督」の存在。ある意味、俳優よりも作品に対するコダワリが強いからこそ、映画監督という仕事を全うできると言ってもいいでしょう。

であれば、その腕に着けられている時計にも、監督の一方ならぬコダワリが見て取れるはず。【PART.1】の今回は、ロレックスを愛用する映画監督の腕元に注目してまいります!

マイケル・ベイ監督

■代表作

『ザ・ロック』(1996)
『アルマゲドン』(1998)
『パールハーバー』(2001)
『トランスフォーマー』(2007)

数々の大ヒットアクション映画の監督を務めたマイケル・ベイ。代表作を見ればお判りいただける通り、爆発シーンを撮らせたら右に出る者はいない、「ハリウッドの爆発王」とも呼ばれているアクション映画監督です。

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そんなマイケル・ベイが愛用している腕時計は、ロレックス デイトナ Ref.116520 白文字盤。大衆性が高く、多くの人に支持されるエンターテイメント性の高い作品を連発するだけに、腕時計も「誰からも愛される腕時計」の筆頭、王道中の王道たるデイトナが選ばれたのは当然の結果と言えるのではないでしょうか。

■イチ推し作品


目まぐるしく動き回るマイケル・ベイのカメラワークは、観ているだけで酔ってしまう観客も少なくありません。実は私もそのクチでございます。そんな私のイチ押しは、マイケル・ベイ製作/トラヴィス・ナイト監督作の『バンブルビー』。黄色いフォルクスワーゲン・ビートルに変形する「バンブルビー」を主役とする、『トランスフォーマー』シリーズの前日譚です。

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ノスタルジックな1987年のアメリカを舞台に、バンブルビーと彼をかくまう少女の友情、バンブルビーの命を狙う悪のトランスフォーマーとの激戦が描かれる本作。この時代に青春時代を過ごした40~50代にも向けた「大人も楽しめるトランスフォーマー」といえるでしょう。

スパイク・リー監督

■代表作

『ドゥ・ザ・ライト・シング』(1989)
『マルコムX』(1992)
『サマー・オブ・サム』(1999)
『オールド・ボーイ』(2013)

差別問題やマイノリティの日常を、ユーモアと抜群のファッションセンスで描き続けるスパイク・リー。ハリウッド映画における黒人のステレオタイプな描かれ方や、アカデミー賞での白人偏重などの問題についても批判を続ける「差別と戦う映画監督」としての活動・発信も見逃せません。

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そんなスパイク・リーが着けている腕時計は、ロレックス デイトナ ポールニューマン(Ref.6241)。そして自らがデザインしたデイトナ(Ref.116520)のカスタムモデル、アルティザン ドゥ ジュネーブ クールハンド・ブルックリン。ニューヨークを象徴するブルーとオレンジの組み合わせは、MLBのニューヨーク・メッツや、スパイク・リーが熱狂的に愛するNBAのニューヨーク・ニックスのチームカラーでもあります。また「クールハンド」の名は、彼が敬愛する名優ポール・ニューマンの主演映画『暴力脱獄(原題:COOL HAND LUKE)』(1967)にあやかって命名されたそうです。

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社会性や反差別の文脈で語られることの多いスパイク・リーの映画ですが、描かれているブラックカルチャーが物語にパワーとリアリティをもたらしていることは間違いありません。このストリート仕様にカスタマイズされたデイトナにも、彼にとっての「リアルなストリートカルチャー」が反映されていると言っていいでしょう。

■イチ推し作品


なんといっても『ドゥ・ザ・ライト・シング』がイチ推しです。BLM運動(Black Lives Matter)を予言したかのような、マイノリティ差別の負の連鎖を描いた社会派ドラマですが、そこにあるのは説教臭さや悲しみではなく、差別に抗うエネルギッシュさや、ストリートカルチャーの持つ力強さ。全編にフィーチャーされるパブリック・エナミーの「ファイト・ザ・パワー」や、NikeのスニーカーをはじめとするHIP HOPファッションは、今観ても最高にCOOLです。お気に入りの宅配ピザをお手元に準備してご鑑賞ください。

ジョニー・トー(杜 琪峯)監督

■代表作

『ザ・ミッション 非情の掟』(1999)
『エレクション 黒社會』(2005)
『エグザイル/絆 放・逐』(2006)
『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2013)

コメディ、ミュージカル、マフィア映画まで、どんなジャンルでも作りこなす香港映画界の職人監督、ジョニー・トー。特に香港の裏社会に住まうアウトローたちの姿を、時にスタイリッシュに、時にグロテスクに、時に詩情豊かに描いた「香港ノワール」と呼ばれる作品群は、人気・評価ともに高く、世界中の映画製作者にも大きな影響を与えています。しかし現在の香港情勢では反社会的なマフィア映画などを撮ることは難しく、新作を望めないことは残念としか言いようがありません。

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そんなジョニー・トーが愛用する腕時計は、ロレックス ヨットマスターⅡ(Ref.116680)。正直なところ、私にとってジョニー・トーらしさを感じる腕時計ではありませんが、いくつものジャンルを縦横無尽に飛び回る監督には、まだまだ私が知らない一面があるのかもしれません。

■イチ推し作品

私のイチ推しは、マフィアのボスを護衛するため集められた5人のアウトローたちを描く『ザ・ミッション 非情の掟』。閉店後のデパート店内で繰り広げられる、動と静のコントラストが際立つ銃撃戦の、この緊張感。

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かと思えば、時間を持て余したコワモテの5人が、丸めた紙くずを蹴り合って時間つぶしのミニサッカーに熱中する微笑ましさ。男であれば、プロフェッショナル性と子供の無邪気さを兼ね備えた5人のアウトローたちに「憧れる」以外の道はありません。7年後に再び同じキャストが集い、兄弟作ともいえる『エグザイル/絆』が製作されたことからも、本作の人気のほどが窺われます。

ガイ・リッチー監督

■代表作

『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998)
『スナッチ』(2000)
『シャーロック・ホームズ』(2009)
『キング・アーサー』(2017)

イングランド王エドワード1世の末裔という由緒正しき出自にも関わらず、ロンドンの下町感覚に溢れた『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』『スナッチ』の2作でブレイクを果たしたガイ・リッチー。二転三転してどう転がっていくか予想もつかない、緻密でスタイリッシュなクライムサスペンスを得意とする人気監督です。

しかし、ラブロマンス『スウェプト・アウェイ』(2002)や、アーサー王伝説を描いた歴史劇『キング・アーサー』(2017)では記録的な大コケも見せており、ファンはみな「アクションや犯罪映画に専念してくれ」と願っているのではないかと思います。

*出典元:https://www.watchuseek.com/

そんなガイ・リッチーの愛用する腕時計は、ヴィンテージのロレックス デイデイト。一見すると尖がっていそうでも、こういったあたりに育ちの良さが見え隠れするのがイギリス上流階級らしいところです。

■イチ推し作品


オススメは、一粒の大粒ダイヤモンドを狙って、犯罪者・アウトロー・チンピラたちが騙し騙され、追いつ追われつの一攫千金ゲームを繰り広げる『スナッチ』。関係ないはずのダイヤモンド強奪と地下ボクシングの八百長試合が、一癖も二癖もある登場人物たちの思惑でまさかの展開を見せはじめる、スピード感あふれるスタイリッシュな犯罪映画です。いまやハリウッドを代表するアクションスター、ジェイソン・ステイサムが地下ボクシングの八百長プロモーターを、ブラッド・ピットが地下ボクシング界最強の新星を演じています。

まとめ

今回取り上げたのはいずれもヒットメーカーとして名高い監督だけあって、みなさん良い腕時計を身に着けております。しかしスター俳優たちとは違い、超絶系や宝飾モデルではなく、落ち着いた実用時計を選んでいるあたり、どんなに大金を稼いでいても映画監督業には「堅実さ」「コスト意識」が重要であることがよくわかりますね。

さて、俳優ではなく監督の腕元にフィーチャーした「Actor’s Watch」でしたが、いかがでしたでしょうか?本当はジェームズ・キャメロン監督のロレックス ディープシー Dブルー(Ref.126660)など、皆様よくご存知の一本も取り上げたかったのですが、残念ながら長くなりすぎてしまいましたので、こちらはまた次の機会とさせていただきます。

ではまた!

Actor's watch