みなさん、こんにちは。

前回のパテックフィリップ論では、久しぶりに入荷したパーペチュアルカレンダー・クロノグラフ「Ref.5970」の18KRG(ローズゴールド)を取り上げましたが、本日は現行でその後継にあたるブレスレット仕様モデル、パーペチュアルカレンダー クロノグラフ「Ref.5270/1R-001」が入荷しましたので、ご紹介していきたいと思います。実はコミットでは2回目の取り扱いとなります。是非最後までお楽しみください。

パーペチュアルカレンダー クロノグラフ 18KRG
「Ref.5270/1R-001」

※左:Ref.5970 右:Ref.5270/1R-001

前回のパテックフィリップ論で取り上げた、パーペチュアルカレンダー・クロノグラフ「Ref.5970」の後継モデルとして、2011年に発表された「Ref.5270」。

発表時から数年間は、ケース素材が18KWG(ホワイトゴールド)のみでの展開でした。

※Ref.5270G-001

初代モデル「Ref.5270G-001」は、オパーリンシルバー文字盤に、酸化ブラック仕上げの時・分針、インデックス。そしてダイヤル外周のレイルウェイが特徴です。見た目はとてもシンプルなデザインで、約3年間の製造でした。

※Ref.5270G-014 (ブルー文字盤)

その後、二代目にあたる「Ref.5270G-013 (シルバー文字盤)」「Ref.5270G-014 (ブルー文字盤)」が発表となります。変更点は、ダイヤル外周がタキメーターとなり、時・分針/インダイヤルの針/インデックスがシルバー色になり、3時・9時のインダイヤルデザインも変更となりました。また、6時位置のカレンダーが膨らみ、外周に配されたタキメーターの6時位値が、下に膨らんだようなデザインとなっています。この2代目は、実は僅か1年ほどの短い生産期間だったようです。

※5270R-001

2015年には、三代目にあたる「Ref.5270G-018 (シルバー文字盤)」「Ref.5270G-019 (ブルー文字盤)」「Ref.5270R-001 (シルバー文字盤)」が発表されます。
18KRG(ローズゴールド)ケースが新たに追加され、文字盤外周のスケールが、初代と二代目を合わせたようなデザインになった三代目。全体的に内側に寄ったデザインや、インダイヤルの針(秒針・30分積算針、カレンダー表示針)がリーフ型からよりすっきりとした仕様に変更された点など、とても端正な顔つきとなりました。二代目で物議を醸した注目の箇所、6時位置のカレンダー部のスケールは、膨らまずに切れています。

※Ref.5270P-001

2017年に18KWG(ホワイトゴールド)仕様が生産終了となり、翌年の2018年に待望のPlatinum(プラチナ)ケース「Ref.5270P−001 (サーモンピンク文字盤)」

※5270/1R-001

そして今回ご紹介する18KRG(ローズゴールド)ケースに同素材のブレスレット仕様「Ref.5270/1R-001 (黒文字盤)」が発表されました。ちなみにこの年、革ベルト仕様の「5270R-001 (シルバー文字盤)」が生産終了となります。

※5270J-001

2020年には「Ref.5270」シリーズ初の18KYG(イエローゴールド)ケースモデル「Ref.5270J-001 (シルバー文字盤)」が発表され、「Ref.5270」登場から9年、満を持しての登場でした。

話を戻しまして、先代にあたる「Ref.5970」からの大きな変更点として先ず挙げられるのが、ムーブメントです。サファイアクリスタルのスケルトンバックから見えるムーブメントは、今までのレマニアベース「Cal.CH 27-70 Q」から完全自社製の「Cal.CH 29-535 PS Q」へと変更されました。永久カレンダー機構を追加しても7mm程度の厚さに抑えている点は、流石【パテックフィリップ】の一言に尽きます。

文字盤の基本的なレイアウトは従来のモデルと変わらずですが、歴代のパーペチュアルカレンダー・クロノグラフとの違いとして、新たに昼夜表示と閏年サイクルを表示した2つの小窓が追加された点が挙げられます。3時位置の30分積算針と9時位置の秒針を6時位置に若干下げたことで、カレンダーディスクが格段に大きくなり、視認性の向上も図られています。このような変更によって実用性が高まったことは言うまでもありませんね。

一般的な時計で黒文字盤というのは一番スタンダードであると思いますが、【パテックフィリップ】の黒文字盤はここのところ少ないと思います。ましてや、このような格別なモデルで18KRG(ローズゴールド)ケース×黒文字盤の組み合わせは極めて少なく、私が愛して止まないパーペチュアルカレンダー・クロノスプリット搭載の「Ref.5004」においては、今となっては存在すらも見かけることもなく、販売の価格もとんでもない金額になっていると思われます。

ベゼルは「Ref.1518」「Ref.2499」にも見られる逆に反ったデザイン。段差がついたラグは「Ref.2499」から見られる仕様で、ウィングレット(鳥の翼のような)ラグはとても印象的でありますが、ブレスレット仕様が相まってか、よりスッキリとしました。

ブレスレットには、保管時、もしくは多少の着用に伴って付いたと思われる微細なスレキズがございますが、ベゼル・ケースには目立つスレやキズもなく、ノンポリッシュな点もオススメです。

保証書日付は2020年10月と、メーカー保証期間が1年以上残っており、調整ピン、アディショナルのクローズドバック(裏蓋)、冊子類などの付属品も完備で、箱の状態もとても綺麗です。

気になる販売価格は17,996,000円(税込)

昨年10月に国内正規販売価格が約10%上がっており、それに伴い国内外の販売価格も以前より上がっているのが見て取れます。今回の販売価格は状態も含めて、かなりリーズナブルに設定していますので、自信を持ってオススメいたします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回ご紹介したパーペチュアルカレンダー クロノグラフ「Ref.5270/1R-001」は、状態・価格共に文句なしの1本であったかと思います。

もちろん、そう簡単に手が出る金額ではありませんが、気になった方は是非ともお気軽にお問合せ・ご来店ください。

これからも希少な人気モデルを魅力的な価格でご紹介出来るよう、日々頑張って行きたいと思います。

では、また!

阿部泰治のパテック論