みなさん、こんにちは。
ここのところ暑い日々が続いておりますが、体調は崩していませんでしょうか。暑い中のマスクは息苦しく、なかなかしんどいですよね、、、夏バテしないようにくれぐれも体調管理には気をつけてください。

さて、今回の【パテックフィリップ】論ですが、とても希少な仕様のWネームモデルがまたまた入荷となりました。私の大好きなWネームモデル「Ref.5065/1A-001」 アクアノート ラージサイズ TIFFANY&CO.です。

まだ時計業界駆け出しの頃に数本見たのを覚えていますが、ここのところは見かけることもめっきり減ったモデルです。久し振りに心踊る自分が居りますが、皆さんに良さが伝わるようにしっかりとご紹介したいと思います。是非最後までお楽しみください。

「Ref.5065/1A-001」 アクアノート ラージサイズ TIFFANY&CO.

アクアノートの歴史

まず初めに、簡単にアクアノートの歴史について触れたいと思います。

*Ref.5060A 参照:PHILLIPS

アクアノートの初期モデルは、1997年に発表された「Ref.5060A」というモデルです。現行モデルと比べると、小ぶりに感じる35mmのミディアムケースを採用しておりました。文字盤に施されたエンボス加工の彫りが深く、ソリッドバック(クローズドバック)で、ムーブメントを見ることはできませんでした。発売から1年足らずで販売終了されたモデルで、初代アクアノートという位置付けもあり、今では探すのも難しいモデルとなっています。

わずか一年と短命で終わった「Ref.5060A」に変わって、翌年の1998年に登場したのが今回ご紹介する「Ref.5065A(/1A)」と「Ref.5066A(/1A)」です。ふたつのモデルの違いはケース径と搭載するムーブメント。

「Ref.5065A(/1A)」 ケース経38mm ムーブメント「Cal.315 S C」
「Ref.5066A(/1A)」 ケース経35mm ムーブメント「Cal.330 S C」

このモデルを初めて見た時、今まで見て来た【パテックフィリップ】のモデルとはどこか違う、男らしさを感じる武骨なデザインという印象でした。良い意味で”らしくない”なぁと感じたのを今でもよく覚えています。

「Ref.5065/1A-001」

それでは早速商品紹介に移っていきます。現在、コミット銀座では現行のエクストラ・ラージサイズ「Ref.5167/1A-001」を在庫しておりますので、そちらと比較しながら、解説させていただきます。

先ずは文字盤です。

「Ref.5065/1A-001」は、表現として適切なのかは別として、手榴弾をイメージさせるような凹凸のはっきりしたデザインで、男っぽい力強さを感じます。今回ご紹介する個体は、インデックス、針夜光がトリチウム仕様で、程良い焼けが見られる雰囲気ある1本です。

一方、現行モデルの「Ref.5167/1A-001」は、分刻みの目盛りが短くなり、文字盤中央部分のゴツゴツした感じもなくなり、平面的になっています。文字盤のデザインにつきましては好みが分かれると思いますが「Ref.5167/1A-001」の方がスッキリしていてシンプルな印象です。

次にブレスレットのデザインです。

「Ref.5065/1A-001」は全体的にエッジが立っていて、文字盤同様にゴツゴツしている感じです。仕上げもポリッシュ(鏡面)のため、男臭さ溢れる武骨な仕様となっています。

対する「Ref.5167/1A-001」は、全体的に丸みを帯びた柔らかい印象を抱くと思います。仕上げは、三列ブレスレットのセンター部分がサテン仕上げとなり、品格を感じますね。

続いてはケース経

冒頭でもお話ししていますが、「Ref.5065/1A-001」は38mmのミディアムサイズとなっております。華奢な体型の方が多い日本人にとっては理想のサイズ感ですね。

「Ref.5167/1A-001」は2mmほどサイズが大きい40mm。しかし、すっきりとした印象のデザインや全体的な丸みから、そこまでゴツく感じることはありません。

まとめると

「Ref.5065/1A-001」:男らしさを感じる無骨なデザイン
「Ref.5167/1A-001」:すっきりして丸みを帯びたフェミニンなデザイン

といったところでしょうか。

さて、ここまで色々と比較をしてきましたが、ここからは今回入荷したWネームに注目してお話をしていきます。

最近の【パテックフィリップ】論でも触れておりますが、おそらく文字盤のデザインが主な理由として、どうしても文字盤上にWネームの表記を入れられないモデルが存在します。

そうです。まさしくこのアクアノート「Ref.5065/1A-001」です。

しかし、文字盤には無くても、こちらの個体にはしっかりとティファニーの刻印は存在します。一体どこか、、、?

じゃん!!!

’’ここ’’です!!

ケースサイド9時側の側面にイングレービングされているのです。このような仕様のWネームモデルは過去にも同シリーズのアクアノート ミディアムサイズ「5066A(/1A)」、ワールドタイム「Ref.5110J」、「Ref.5110P」でも見ております。

当時の購入レシート・発送伝票を見ると、1999年7月に販売されており、1999年8月にサンフランシスコのTIFFANYから発送されているのが分かります。このようなヒストリーが残っているのもマニア心をくすぐりますね。*過去に当時のパテックフィリップ代理店であった一新時計株式会社にてメンテナンスを受けた明細も残っております。

保証書のリファレンスは「Ref.5065/1A-001」と、SS(ステンレススチール)ブレスレットの仕様ですが、こちらは、使用感のないトロピカルバンドとフォールディングバックルが付いているお得な仕様です。ケース・ブレスレットも20年以上も前の個体とは思えない程しっかりとしています。

この年代の箱はどうしても仕方ないのですが、内箱に傷みは見られます。しかし、年代の合ったアクアノート用の箱が付属している点は高評価ですね。冊子類などもしっかりと付いており、コレクションピースにも〇です。個人的には今後がとても面白い時計だと思います。

気になるコミットでの販売価格ですが、9,999,000円(税込)

国内、海外販売サイトを含め、現在販売されている個体はないのでは?と思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

文字盤やブレスレットのデザインはそれぞれ好みがあると思いますが、今回ご紹介した「Ref.5065/1A-001」は、男らしさ・武骨さがしっかりと表れていたと思います。

【パテックフィリップ】の中でもとても人気な『アクアノート』は、皆さんもいつかは手に入れたい!と思えるモデルかと思います。そして今回はそれがWネーム。欲を抑えるのが本当に大変です。(笑)私自身もとても好きなモデルのひとつですので、本当にいつか着けたいなぁと思っております。

定番モデルはもちろんですが、複雑な機構を備えたモデル、希少なモデルまで、コミット銀座は幅広くお取り扱いいたします。

今後も、素敵な【パテックフィリップ】の時計を出来る限り多くご紹介していきたいと思っておりますので、ご購入はもちろんのこと、ご売却、預かり販売のご相談もお気軽にお申し付けください。全力でサポートさせていただきます。

今後も、この【パテックフィリップ】論を皆様に少しでも楽しみに思っていただけるよう、しっかりと精進していきます。

では、また!

阿部泰治のパテック論