皆さま、こんばんは。
今週も、先週よりスタートした新連載《今さら聞けないシリーズ》をお届けしていきたいと思います。この新企画では、高級腕時計にあまり詳しくない方、これから勉強していきたい方へ向けて「今さら聞けないよ!」といった、基本的な事をわかりやすくお伝えしていきます。
第2回目となる今回は
【高級腕時計入門編】:『文字盤』
なんだか今思うと第一回目にすべきだったと後悔しているのですが、やはり腕時計の中で一番見るところといえば『文字盤』ですよね。時計の印象を左右する「顔」とも言える重要なパーツであり、シンプルなものから存在感のあるものまでその種類は様々です。『文字盤』についてもっと知りたい、『文字盤』で時計を選びたいという方は、是非参考にしてみてください!
『文字盤』とは?役割を解説
『文字盤』=「時刻の表示板」
冒頭でも申し上げましたが、『文字盤』とは時計の顔となる部分です。別名『ダイヤル』とも呼ばれ、購入の決め手ともなる、最も重要なパーツと言っても過言ではないでしょう。『文字盤』は、針やインデックスを備えた「時刻の表示板」であり、時間を把握するという役割はもちろん、使われる素材やカラーなどによって大きくデザインは異なります。多くは地板の素材に真鍮を使用していますが、ブランドやモデルによっては、天然素材や特殊な加工など、そのバリエーションは多岐に渡ります。
カラー
『文字盤』の印象を大きく左右するカラー。ここでは代表的なカラーをご紹介していきます。
「ホワイト文字盤」
定番カラーの代表格のひとつ「ホワイト文字盤」。オンオフ問わず着用できる汎用性の高いカラーとして、各ブランドから多くのモデルが展開されています。爽やかな印象を与える、男性にも女性にも人気のカラーです。
「ブラック文字盤」
「ホワイト文字盤」と並ぶ代表格のひとつ「ブラック文字盤」。こちらもオンオフ問わず着用できる汎用性の高いカラーとして、各ブランドから多くのモデルが展開されています。クールで知的な印象を与え、年代を問わず着用できるため幅広い層から人気があります。
「ブルー文字盤」
近年のラグスポモデル人気から、その人気に拍車がかかっている「ブルー文字盤」。こちらもオンオフ問わず着用できる汎用性の高いカラーとして、各ブランドのラグスポモデルを中心に展開されています。落ち着いた知的な印象を与え、特に世界三大時計ブランドのラグスポモデルにおいては「ブルー文字盤」が最も需要が高く、相場も明確に反映されています。
「グリーン文字盤」
昨年の新作において、各ブランドがこぞって発表した「グリーン文字盤」。深みのある色味から、鮮やかな色味まで幅広く展開され、トレンドカラーとしても注目されたカラーです。品格漂う大人な印象を与え、高級腕時計の雄【ロレックス】のコーポレートカラーでもあり、今年も引き続き高い人気を維持し、今後もその人気は継続されていくのではないでしょうか。
「ターコイズ文字盤」
昨年末、【パテックフィリップ】×【ティファニー】の『ノーチラス』が世界オークションで驚異的な落札価格を付けたことで、瞬く間にその人気に火が付いた「ターコイズ文字盤」。爽やかで鮮やかなターコイズカラーは、所有者の個性を最大限に引き出してくれます。とにかく目を惹くその美しさは、余裕のある大人な印象を与えてくれます。
【ロレックス】の『オイスターパーペチュアル』においても、このターコイズカラーは圧倒的な人気を誇り、二次流通市場での価格も頭一つ抜けております。加えて、今年の新作発表時には他の高級腕時計ブランドからも多くのモデルが発表され、その注目度は非常に高いです。
装飾・加工技法
続いては魅力的な表情を見せる【装飾・加工技法】を解説していきます。
「ギョーシェ彫り加工」
小さな円、または線状の模様を規則的なパターンで彫り込んでいく「ギョーシェ彫り加工」。ピラミッド型の鋲を連ねた「クルー・ド・パリ」や、中心から放射状に直線を伸ばす「ソレイユ」など、「ギョーシェ彫り加工」のなかにも複数の種類が存在しております。
「ラッカー加工」
透明または色のついた塗料を、薄く均一に吹き付けて乾燥させる「ラッカー加工」。塗料を何層にも重ねて塗ることで、艶感のある上品な色合いになります。
「エナメル加工」
3500年を超える伝統技術「エナメル工芸」を時計の『文字盤』に応用した「エナメル加工」。特徴は陶器とも呼べるツヤのある質感で、非常に高貴な存在感を放ちます。
また、「エナメル加工」の上位クラスとして
柄を細密な金線で仕切り、各色のエナメルを流し込んで何度も焼き上げることで、美しい色合いを表現する「クロワゾネ技法」。この金線は、わずか0.7mmとも言われ、焼き上げの際に割れてしまうこともあり、非常に高度な技術と手間がかかります。そのため、この技法が使われている時計は、希少性が高く価格も高額になります。
「エンボス加工」
型押しによって文字盤表面に凹凸を生み出す「エンボス加工」。均一な「エンボス加工」を施しているものは「タペストリー」とも呼ばれ、代表モデルである【オーデマピゲ】『ロイヤルオーク』独自の「グランドタペストリー」は、時計愛好家たちを魅了し続けております。
「宝飾加工」
ダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの貴石を施した「宝飾加工」。全面に敷き詰められた贅沢な仕様から、インデックスなどのポイントにさりげなく使用したものなど、そのパターンは様々です。パタ-ンによって時計の印象を大きく変える装飾となります。
素材
続いては、天然素材を中心とした唯一無二の表情を見せる素材をご紹介いたします。
「メテオライト(隕石)」
天然鉱石とも呼ばれる隕石を使用した「メテオライト(隕石)」。切り出した隕石の表情はひとつひとつ異なり、石目の深さや模様はその全てが異なります。唯一無二となるその表情は、まさに男心をくすぐる素材です。
「シェル(貝殻)」
天然の貝殻を採用した美しく艶やかな素材のひとつ「シェル(貝殻)」。光の当たる角度によって様々な表情を演出し、見るものを飽きさせない魅力があります。ブラックシェル、ホワイトシェル、ピンクシェルなどバリエーションも豊富で、男女問わず人気の素材です。
「ウッド(木材)」
天然の木材を使用した、ヴィンテージ感満載な「ウッド(木材)」。代表的なモデルと言えば【ロレックス】の『デイデイト』が挙げられますが、こちらも様々なバリエーションがあり、持つ人の個性を引き出し、且つ希少性も高い素材とされています。
【コミット銀座】広報部:村山も愛用しており、着用しているところを見かける度に、素敵なダイヤルだな、、、と欲しくなってしまいます。(笑)
「オニキス(鉱石)」
瑪瑙(メノウ)と呼ばれる鉱石を用い、漆黒の単色仕上げを行うことで、深みのある色合いを表現する「オニキス(鉱石)」。エナメルのような艶やかな雰囲気を持ちつつも、鉱石ならではの独特な風合いが、吸い込まれるような奥深さを表現しています。
「レザー(革)」
天然皮革を使用し、その風合いが独特の表情を見せる「レザー(革)」。革ごとに色合いは異なり、「ウッド(木材)」同様にヴィンテージライクな素材です。革素材のベルトや小物と合わせることで、コーディネート全体に統一感をもたらすこともできます。
仕上げ
最後は、『文字盤』の見え方に大きな変化をもたらす代表的な仕上げをご紹介いたします。
「サンレイ仕上げ」
「サンレイ」=「太陽光線」の名の通り、中心から外周に向けて、太賜光のように放射状模様に仕上げる「サンレイ仕上げ」。別名「サンバースト仕上げ」とも呼ばれ、光の加減によってその色味や質感を変え、細い筋目は美しく、高い技術が必要とされます。
「サテン仕上げ」
筋目仕上げとも呼ばれる、ヤスリなどで表面を仕上げる「サテン仕上げ」。ケース、ブレス、ムーブメントに施されることも多く、傷が目立ちにくく、落ち着いた印象を与えます。
「サンドブラスト仕上げ」
盤面に粒子を吹き付け、マットな質感を表現する「サンドブラスト仕上げ」。経年変化したヴィンテージの風合いも表現でき、受ける光の反射を抑え、視認性を高める効果もあります。
まとめ
『文字盤』の役割や種類について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
腕時計の印象を最も左右すると言っても過言ではない『文字盤』。カラー・加工・装飾・素材・仕上げ、、、そのどれかひとつが違うだけで、全くの別物に感じたかと思います。ご自身が使っている時計は一体どんな『文字盤』なのか!?是非とも一度調べていただき、より時計への愛を深めてみて下さい。
今回もこの記事を見ていただいたことで、高級時計に興味を持っていただければ幸いです!
ではまた!