映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第85弾の今回は、「ジョン・ハムの腕時計」をお送りします。
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大ヒット映画『トップガン マーヴェリック』(2022)で、ベテランパイロットのマーヴェリック(トム・クルーズ)が行なう訓練を信用せず、彼を辞めさせようとする上官「サイクロン」を演じたジョン・ハム。二枚目のイケオジながら、男臭く、鋭い眼光が特徴の彼は、近年のハリウッドにおいて威圧感を感じさせるオジサマの役を演じさせたらピカイチの存在感を示しています。
今回の「Actor’s Watch」は、そんなジョン・ハムが劇中で着用した腕時計に迫ってみたいと思います。
- ◆ マッドメン
- ◆ ザ・タウン
- ◆ ミリオンダラー・アーム
- ◆ まとめ
マッドメン
MAD MEN(2007-2015)
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1960年代のニューヨーク。広告代理店で働くドン・ドレイパー(ジョン・ハム)は、政治家やタバコ会社など数多くの大手顧客を抱える、やり手の広告マン。優秀な仕事ぶりから社内では一目置かれ、家では妻と二人の子供の父として幸せな家庭を築いていたドンだが、彼には絶対に明かすことのできない「過去」があった。金銭的には恵まれていくものの、自分の存在をごまかし続けてきた彼の苦悩は、日に日に大きなものになっていく。
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マディソン・アベニューの大手広告代理店を舞台に、そこで働く広告マンたちのコンプライアンス違反も厭わない迫真のビジネスバトルが展開する人気ドラマ『マッドメン』(2007-2015)。1960年代の社会風俗を再現し、現代では到底許容されないであろう勤務フロアでの喫煙やセクハラ、黒人差別までが当時のまま描かれて話題となった本作で、ジョン・ハムは複数の腕時計を着用しています。
まずはジャガールクルト レベルソ(Ref.不明/参考画像)。ドレッシーで知的な雰囲気のレベルソが、彼のワイルドな風貌に柔和な雰囲気を与えているように思えますが、ジョン・ハムの笑顔はちょっと怖いです(笑)
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もう一本はロレックス エクスプローラーⅠ(Ref.14270と思われる)。本来ならRef.6610やRef.1016でなければ年代が合わないのですが、それらを着けると「発売当時なのにヴィンテージっぽい雰囲気」になってしまうので、このモデルの選択はやむを得ないといったところでしょう。ドレッシーでソフトな雰囲気のレベルソに対し、スポーティーなエクスプローラーⅠは、彼が漂わせるワイルドで危険な香りをより強めてくれています。これこそが「デキる男」の腕時計の使い分けでしょうか。
ザ・タウン
THE TOWN(2010)
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ダグ(ベン・アフレック)は、何ひとつ証拠を残さぬ綿密な強盗計画を立てることで、仲間からの信頼も厚い強盗グループのリーダーだが、その高い腕前とは裏腹に、まっとうな人生を歩むため、強盗稼業から何とか抜け出そうと考えていた。
ある日、銀行を襲撃した彼らは支店長のクレア(レベッカ・ホール)を人質に取り逃走には成功する。しかし、クレアに正体を知られたかもしれないと考えたダグは彼女を尾行し、その行動を監視し始める。だが、ふとしたきっかけで尾行中に彼女から話しかけられたダグは、彼女が自分の正体に気づいていないことを知る。やがてお互いに惹かれ合い、恋に落ちたダグとクレア。しかしその頃、FBI捜査官のフローリー(ジョン・ハム)は、ダグが銀行強盗の犯人であることを突き止めつつあった。
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アメリカでもっとも強盗が多発する街、ボストン州チャールズタウン。まるで家業のように親から子へと強盗稼業が受け継がれていく街で、登場人物たちがその運命に逆らい、人生を変えていこうとする姿を描いた『ザ・タウン』(2010)。
ベン・アフレック監督/主演の本作では、強盗たちを追うFBI捜査官フローリーを演じたジョン・ハムの腕にGMTマスター(Ref.16700)が着けられています。執拗に強盗一味を追い詰め、任務遂行や検挙の為には手段を択ばない、その「正確無比」なキャラクター性を、腕時計が表現しているようにも思えます。
ミリオンダラー・アーム
MILLION DOLLAR ARM(2014)
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敏腕スポーツ代理人のJB・バーンスタイン(ジョン・ハム)は、契約寸前の大物選手をライバルに横取りされたことで大金を失い、破産寸前に陥ってしまう。失意のどん底にいたバーンスタインだったが、彼はある日、クリケットが盛んなインドでメジャーリーグに通用する逸材を発掘することを思いつく。
インドに渡ったバーンスタインは「ミリオンダラー・アーム」というコンテスト番組を企画。野球のルールすら知らないインド人が大勢押し寄せるが、その中にセンスが感じられる二人のインド人がいることに気づいた彼は、その二人を連れてアメリカに戻り、メジャーリーガーを目指した徹底的な野球指導を開始する。しかしそこには大きな試練が待ち受けていた。
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野球未開の地インドで、メジャーリーグの新たなスター選手を発掘しようと奮闘するスポーツ代理人の姿を描いた、実話に基づくベースボールドラマ『ミリオンダラー・アーム』(2014)。本作で窮地に陥った実在のスポーツ代理人、JB・バーンスタインを演じたジョン・ハムは、劇中でロレックス サブマリーナー(Ref.16610)を着用しています。
チーム経営者との交渉においてはスーツ、グラウンドで選手の力量を見極める際はカジュアルなスタイルのスポーツ代理人。サブマリーナーはいずれのワークスタイルにもフィットする腕時計と言えます。代理人がチープな腕時計を着けていたら、選手は「この人が自分の報酬を高めてくれる」とは思わないでしょう。プロアスリートからの信用と信頼も必須なスポーツ代理人にとって、ロレックスの腕時計は「自分の能力を示す看板」の役割も果たしてくれますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
射貫くような視線と鍛えられた肉体。ワイルドな中年の色気を湛えたジョン・ハムの腕には、やはり力強さを感じさせるスポーツタイプの腕時計がよく似合います。その一方で、役柄に応じてはドレッシーなレベルソを選び、洗練された知性を感じさせるなど、巧みな「腕時計使い」が目を惹きます。
*出典元:https://www.thefashionisto.com/
ルックスだけ見れば「アクション映画俳優」とカテゴライズされてもおかしくないジョン・ハムが、ヒューマンドラマ作品において広告マンやスポーツ代理人など、知的な役を演じる俳優としてキャスティングされるのは、このような「キャラクター作り」の上手さにあると言って良いでしょう。
そのキャラクター作りに高級腕時計が一役買っているというのが、時計屋として非常に嬉しい限り。次回作の『フレッチ』(2022)では、殺人事件を追う新聞記者を演じるジョン・ハム。その腕元にどのような腕時計が着けられるのか、今から楽しみです。
ではまた!