みなさまこんばんは!
本日は、新連載《今さら聞けないシリーズ》をお届けしていきたいと思います。この連載では、高級腕時計にあまり詳しくない方、これから勉強していきたい方へ向けた「今さら聞けないよ!」といった、高級腕時計の基本的な事をわかりやすくお伝えしていきます。
栄えある第1回目は
【高級腕時計入門編】:『ベゼル』
時計の印象を最も左右するといえば”文字盤”ですが、実は『ベゼル』も非常に重要な役割を果たしています。一口に『ベゼル』と言ってもその種類は様々で、それぞれが機能やデザインなど大きく異なります。そこで今回は、意外と知らない『ベゼル』の役割や、機能、種類などを解説していきます。より腕時計への理解と愛が深まる内容となっていますので、是非とも最後までお楽しみください。
『ベゼル』とは?役割を解説
『ベゼル』=「枠」・「額縁」
この意味が表す通り、高級腕時計における『ベゼル』本来の目的は、時計の風防(ガラス)を支える「枠」・「額縁」の役割を果たすものですが、各ブランドのイノベーションと技術の進歩によって、その機能、デザインともに、現在の役割は大きく変わってきております。
また、役割だけでなく素材自体も変化を遂げております。最近では特にセラミック素材のものが増えており、有名なところでは【ロレックス】のスポーツモデルが、アルミニウムからセラミックへと移行しました。セラミック素材は耐久性・耐蝕性に優れ、変色しにくく、金属類に比べて軽量であることから、採用しているブランドが増えてきております。今や機能面からデザイン面まで、その存在感はモデル自体の印象を大きく左右する程です。
『ベゼル』種類一覧<機能編>
まずは<機能>に特化した『ベゼル』から解説していきます。
「タキメーターベゼル」
「タキメーターベゼル」は、クロノグラフ機能を搭載した時計に付いている『ベゼル』です。
レーサーやパイロットなど、主に時速を把握する人に必要とされるクロノグラフモデルは、そのほとんどに「タキメーターベゼル」が備えられ、数字を読み解くことで平均時速を計測することができます。1km移動時にクロノ針を止め、針が指している数字がその移動区間の平均時速となる画期的な機能であり、日常生活において使用することは少ないですが、クロノグラフと合わさった魅力的なデザインは、多くの時計ファンから絶大な人気を誇ります。
【代表モデル】
【ロレックス】『デイトナ』
【オメガ】『スピードマスター』
「GMTベゼル」
「GMTベゼル」は、主にパイロットウォッチに備わっている多機能『ベゼル』です。
『ベゼル』全体に24時間表示が刻まれ、24時間針と合わせることで第二時間帯、もしくは第三時間帯の時刻を把握できます。両方向に回転が可能となっており、その利便性とデザイン性の高さから、各ブランドに代表的なモデルが存在するほど人気があります。ちなみに、GMTの意味は「Greenwich Mean Time」で、「世界標準時」を指しています。
【代表モデル】
【ロレックス】『GMTマスター』
【グランドセイコー】『GMT』
「逆回転防止ベゼル」
「逆回転防止ベゼル」は、ダイバーズウォッチに備わっている『ベゼル』です。
『ベゼル』に刻まれた数字と時分針を合わせることで、経過時間を把握できます。ダイビングは酸素ボンベの残量や水圧の関係上、正確な潜水時間を把握する必要があるため、誤って『ベゼル』を逆方向に回転しないよう、一方向にしか回転できない仕組みとなっているのです。
【代表モデル】
【ロレックス】『サブマリーナー』
【オメガ】『シーマスター』
『ベゼル』種類一覧<デザイン編>
続いてデザイン性に特化した『ベゼル』を解説していきます。
「スムースベゼル」
「スムースベゼル」は、装飾などが施されていないシンプルで汎用性の高い『ベゼル』です。
『ベゼル』全体にポリッシュ(鏡面)やサテン(艶なし)仕上げがされており、多くのブランドで採用されているスタンダードなデザインです。アクセントとなる装飾がなく、スタイリッシュなイメージと、文字盤の視認性を確保する役割も担っています。
【代表モデル】
【ロレックス】『エクスプローラーⅠ』
【IWC】『ポルトギーゼ』
「フルーテッドベゼル」
「フルーテッドベゼル」は、山のような形状でギザギザした加工が特徴の【ロレックス】独自の『ベゼル』です。
「フルーテッド」は「縦縞」を意味し、ゴールド素材のモデルに見られるハイエンド仕様です。さりげなく上品さを醸し出すこの加工は、高級感とドレッシーな印象を与えます。
【代表モデル】
【ロレックス】『デイトジャスト』
【ロレックス】『デイデイト』
「宝飾ベゼル」
「宝飾ベゼル」は、ダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの貴石を施した、豪華絢爛な『ベゼル』です。
素材や色味でデザイン(=印象)は大きく変わり、その美しさに見惚れること間違いなしですね。基本的にこの『ベゼル』が付いたモデルは、各ブランドにおいてハイエンドなモデルとして販売されております。
【代表モデル】
【パテックフィリップ】『ノーチラス』
【オーデマピゲ】『ロイヤルオーク』
「クルー・ド・パリベゼル」
「クルー・ド・パリベゼル」は、直訳すると「パリの爪」を意味し、石畳をイメージした装飾とも言われている鋲打ち模様のような掘り込みが入った『ベゼル』です。
意匠性が高く、時計に存在感をもたらすこの装飾は、文字盤にも採用されることがあり、その繊細な技法はまさに芸術と言える程。【パテックフィリップ】『カラトラバ』や【ブレゲ】『クラシック』など、伝統あるモデルに採用されている高貴な『ベゼル』と言えるでしょう。
【代表モデル】
【パテックフィリップ】『カラトラバ』
まとめ
『ベゼル』の役割や種類について解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
普段何気なく使っている腕時計には、実はたくさんの種類の『ベゼル』が存在します。自分の好きな時計、欲しい時計には一体どんな『ベゼル』が使われているのか?一度調べてみると、よりその時計への愛情が深まることでしょう。
今回もこの記事を御覧頂いたことで、高級腕時計に興味を持っていただければ幸いです!
ではまた!