映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第85弾の今回は「映画に登場する科学者や博士の腕時計」をお送りします。
*出典元:https://trailersfromhell.com/
映画やドラマなどのフィクションにおいては、一般人からちょっとズレた「変わり者」として描かれることの多い「科学者」や「博士」キャラ。理数系のスペシャリストであり、腕時計の天敵ともいえる電子機器に囲まれた環境に身を置く変わり者たちが選ぶ腕時計とは?
今回の「Actor’s Watch」は、そんな「科学者」や「博士」たちが映画の中で身に着けた腕時計に迫ってみたいと思います。
- ◆ バック・トゥ・ザ・フューチャー
- ◆ アイアンマン
- ◆ ゴーストバスターズ
- ◆ X-MEN:ダーク・フェニックス
- ◆ ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
- ◆ まとめ
バック・トゥ・ザ・フューチャー
BACK TO THE FUTURE(1985)
*出典元:https://decider.com/
タイムマシン実験で30年前の過去に戻った高校生マーティ(マイケル・J・フォックス)が、若き日の父と母を結びつけるキューピッド役として奮闘する、恋愛×学園×SFの要素を融合させ、数あるタイムトラベル映画の中でも最大級のヒット作となった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)。映画のあらすじは「#83 「時間」テーマのSF映画に登場した腕時計」にてご紹介しておりますので、是非そちらもご参照ください。
*出典元:https://iknowwatches.com/
「Actor’s Watch」第83弾では、マイケル・J・フォックス演じる高校生マーティの腕時計(カシオCA-50)をご紹介しましたが、今回は彼の親友であり、デロリアン型タイムマシンを発明した老科学者「ドク」(クリストファー・ロイド)の腕元に注目してみましょう。彼が着けている腕時計は、セイコー ランナーズ タイムトレーナー(Ref.A826)。デジタルのストップウォッチですが、付属ケーブルの先に付いたスイッチで、少し離れた場所からでも時計を操作できる優れもの。現代であれば「bluetooth接続したスマホで、スマートウォッチを操作する」という感覚に近いのではないでしょうか。当時としては、なかなかの未来感があったのではないかと想像します。
アイアンマン
IRON MAN(2008)
*出典元:https://www.cinemaview.sk/
父親が興した兵器製造会社を受け継ぎ、世界最大規模の企業へと成長させたトニー・スターク(ロバート・ダウニー・ジュニア)。ある日、テロリストの襲撃を受けて瀕死の重傷を負い、テロ組織に囚われた彼だが、テロリストが求める兵器開発の要求に従うフリをして鋼鉄のアーマーを開発し、それを身に着け脱出を果たす。
この件を機に軍事産業からの撤退を宣言したトニーだが、彼は密かに最新鋭のアーマーを開発。正体不明のヒーロー「アイアンマン」として、テロ組織との戦いを開始する。
*出典元:https://www.pinterest.jp/
巨大軍事企業の経営者にして、天才的な科学力を兼ね備えた兵器開発者でもあるトニー・スタークの活躍を描く『アイアンマン』(2008)。本作では、彼を演じるロバート・ダウニー・ジュニアの腕に、ブルガリ ディアゴノ フェイズ ドゥ リューン(Ref.DG42BGLDMP)が着けられています。
本作の公開と同じ2008年に世界350本限定で発売されたこの腕時計は、3つのレトログラード針で曜日・日付・ムーンフェイズを表示するコンプリケーションウォッチ。ピンクゴールドの金無垢ケースをまとったディアゴノの最上級モデルとなっています。エレガントなデザインと複雑機構を兼ね備えたこの腕時計は、経営者と科学者というトニー・スタークの二面性を表しているようにも思えます。
ゴーストバスターズ
GHOSTBUSTERS(2016)
*出典元:https://www.nme.com/
大学で物理学を教えていたエリン(クリスティン・ウィグ)は、過去に超常現象の研究をしていたことがバレ、大学をクビになってしまう。エリンは旧友の心霊現象研究科アビー(メリッサ・マッカーシー)と、その共同研究者ホルツマン(ケイト・マッキノン)と共に幽霊の存在を証明するために「超常現象研究所」を設立。「ゴーストバスターズ」を名乗り、ニューヨークの街に巣食う幽霊退治に乗り出す。
しかしその頃、ある者の手により集められた無数の悪霊を解き放ち、ニューヨークを恐怖のどん底に叩き落とそうとする陰謀が企てられていることを、彼女たちはまだ知らなかった。
*出典元:https://twitter.com/
大ヒットを記録した『ゴーストバスターズ』(1984)から32年。時代的なアップデートを図ったリブート作となる本作『ゴーストバスターズ』(2016)では、対幽霊兵器の開発を担当する物理学者、ジリアン・ホルツマンを演じるケイト・マッキノンが、チープながらゴツめで存在感のあるファッションウォッチ、モントレスカルロス(Ref.MC35011)を着用しています。
マッキノンはアメリカの人気番組『サタデー・ナイト・ライブ』出身のコメディアン。マッシブながらオモチャっぽい可愛らしさもあるこの腕時計は、常にハイテンションで、雄叫びを上げながら幽霊たちをボコボコにする、わんぱく小僧のようなマッドサイエンティスト、ホルツマンのキャラクターを存分に表現しているのではないでしょうか。
X-MEN:ダーク・フェニックス
DARK PHENIX(2019)
*出典元:https://www.fayerwayer.com/
超能力を持つミュータントたちで結成された組織「X-MEN」は、人類と共存しながら世界の平和を守っていた。しかしある日、サイコキネシスを操る女性ミュータント、ジーン・グレイ(ソフィー・ターナー)が宇宙船の救出ミッション中に太陽フレアを浴び、闇の人格「ダーク・フェニックス」を覚醒させてしまう。
力を制御できなくなり、暴走するジーン。人類を滅ぼしかねない存在となった「ダーク・フェニックス」と、その力を利用すべく現れた謎の勢力に対し、X-MENたちが対抗する術はあるのか、、、
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特殊能力を持つミュータントの存在が人間社会に知られるようになるまでの物語を描いた『新X-MEN』シリーズ。その最終作である『X-MEN:ダーク・フェニックス』(2019)では、他人の心を読み取り、コントロールすることができるテレパス能力者、プロフェッサーXを演じたジェームズ・マカヴォイが、ロレックス ミルガウス(Ref.116400GV)を着用しています。
X-MENの創始者であり、人類との共存を望むミュータントたちの師でもあり、特殊能力を強化する装置や、ミュータントを発見・追跡する装置を開発した科学者でもあるプロフェッサーX。ロレックス ミルガウスは、強い磁気を発するであろう開発機器に囲まれている彼の腕に、この上なくフィットする腕時計かと思います。ただし物語の舞台となる1990年代にはミルガウスはまだ復活しておらず(復活は2007年)、残念ながら時代整合性は合っておりません。
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者
JURASSIC WORLD:DOMINION(2022)
*出典元:https://thestreamable.com/
ジュラシックワールドのあったイスラ・ヌブラル島の噴火から救出され、人間社会に解き放たれてしまった恐竜たち。それから4年が経ち、恐竜は世界中で繁殖を続け、人類は恐竜に襲われる恐怖に怯えながら生活していた。
人里離れた山小屋で暮らしながら、恐竜を世に解き放った少女 メイジーを、実の娘のように思い育てていた恐竜保護活動家のオーウェン(クリス・プラット)。しかしある日、ジュラシックワールドで調教したヴェロキラプトルの子供とメイジーが密猟者に誘拐されてしまう。密猟者を追って恐竜の闇取引が行なわれているマルタ島を訪れたオーウェンは、そこでバイオ企業「バイオシン社」が企む陰謀に巻き込まれていく。
*出典元:https://www.wristenthusiast.com/
クローン技術で再生した恐竜と人類の共存を描いた「ジュラシックワールド」シリーズ。その最終作であり「ジュラシックパーク」シリーズの完結作でもある『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)。本作には、シリーズ第一作の『ジュラシックパーク』(1993)にも登場したイアン・マルコム博士が再び登場します。そんな博士役を演じたジェフ・ゴールドブラムの腕には、ロレックス ミルガウス(Ref.116400GV)の「MAD Paris」カスタムモデルが着けられています。
マルコム博士は世界的に著名な数学者であり、カオス理論の第一人者。少々理屈っぽくはあるものの、誰にでも気さくに話しかけるフレンドリーな女好き、という人間味溢れるキャラクターだけに、「耐磁性」のみならず、ブラックLDCコーティングされたファッショナブルな「コダワリ」が炸裂した、カスタムのミルガウスは、いかにも彼が選びそうな一本と言って間違いないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
他ジャンルの映画には全くといっていいほど登場しない「ミルガウス」ですが、「科学者が着ける腕時計」で縛りを入れただけで、近年の映画から2本も見つかりました。
もはやハリウッドにおいては、「科学者が着ける高級腕時計=ミルガウス」と言っても過言では無いようです。
*出典元:https://bamfstyle.com/
その反面、スクリーンに映ることの多いロレックス サブマリーナーやGMTマスターを着けている科学者は映画にはほとんど登場せず、「インドア派」の雰囲気を漂わせる腕時計が、着用者のキャラクター性を際立たせているように思えます。
さて、こうなってくると同じ高耐磁ウォッチである「IWC インヂュニア」や「オメガ シーマスター アクアテラ 15,000ガウス」などにも奮起していただきたいところ。これからは映画に登場する科学者の白衣の腕元から、もう目が離せません。
ではまた!