皆さま、こんばんは!
多くの人が一度は憧れる高級腕時計。世界中の一流ブランドたちが、その技術と信念によって作り出す腕時計は、世代を超えて受け継がれる一生物と言われております。
そんな素晴らしい一生物である高級腕時計ですが、長い間使用するには一体いくら維持費がかかるのでしょうか?今回は「まさかこんなにお金がかかるなんて、、、」といった後悔をしない為に、高級腕時計の維持費の種類と費用の目安について、お話ししていきたいと思います。もちろん、ただ単に種類や費用の目安をお伝えするだけでなく、維持費を抑えるためのポイントも解説いたしますので、是非最後までお楽しみください。
高級腕時計にかかる維持費の種類と費用の目安
定期的なメンテナンス
一つ目に挙げられるのが、定期的なメンテナンスです。車が2年に一度車検が必要なように、高級腕時計にも、オーバーホールと言われる作業を行う必要があります。
【オーバーホール】とは?
▶①:時計を分解する
▶②:部品や動作に異変がないか確認する
▶③:②に応じて適切なメンテナンスを行う
▶④:再び組み立てる
※クォーツ時計では、この際に電池交換を行います。
頻度に関しては、使用環境や使用方法、ブランドや搭載されているムーブメントによっても変わりますが、ひとつの目安としては5年程度と言われております。最近は各メーカーの技術も上がり、保証期間が伸びてきているブランドもございます。
この定期的なメンテナンス=オーバーホールは、時計が正常に動作していても、目安の期間に沿って行なった方が良いとされております。理由としましては、一般的な工業製品と同じく、手遅れになる前に手入れをしておくことにより、重大なダメージを負う確率を下げる為です。
そんな定期的なメンテナンス=オーバーホールの費用は、ブランドやムーブメントの機構、依頼先が正規店か民間修理業者かによって変わってきます。
【主要ブランド:正規店修理におけるオーバーホールの概算料金】
▶【ロレックス】 ⇒約 50,000円~
▶【パテックフィリップ】 ⇒約121,000円~
▶【オーデマピゲ】 ⇒約 90,000円~
▶【ヴァシュロンコンスタンタン】⇒約 92,000円~
詳しくは、以前解説したコラムがございますので、こちらもご覧ください。
⇒【2021年度版】機械式腕時計 ”18ブランドのメンテナンスについて①”
【2021年度版】機械式腕時計 ”18ブランドのメンテナンスについて②”
【2021年度版】機械式腕時計 ”18ブランドのメンテナンスについて③”
故障時の修理
二つ目に挙げられるのは、故障時の修理です。長年時計を使っていれば、当然トラブルや故障のリスクがあります。基本的に時計の内部は見えない仕様となっているモノが多く、トラブルや故障が起きやすいのも内部です。このトラブルや故障を放置しておくと、更に別のところにまで影響が及ぶ可能性があります。「動作がおかしい」「落としてしまった」なんてことがあった場合は、なるべく早めに修理を依頼するようにしましょう。
そんな故障時の修理費用は、破損している部品や内容によって大きく異なり、オーバーホール同様に、ブランドやモデルによっても変わります。更には、オーバーホールを依頼したら、故障が見つかり、修理を行うということもあります。その場合、オーバーホール費用にプラスして修理・交換部品などの費用が発生します。
【主な故障時の修理内容と目安費用】※ブランドやモデルによって大きく変わります。
・ガラス交換 :6,000円~
・針の取り付け:4,000円~
・リューズ周辺:8,000円~
・パッキン交換:1,000円~
上記のように、維持費には大きく分けて「定期的なメンテナンス」と「故障時の修理」の2つがあることが分かりました。「意外と費用が高い」と感じた方も多いかもしれませんが、この「定期的なメンテナンス」と「故障時の修理」を怠ると、最悪の場合、修復不可となってしまうケースもございますので、しっかりと行うようにしましょう。
維持費を抑えるためのポイント
ここからは、ちょっと高額に感じてしまう維持費を抑える方法をお話ししていきます。日頃から時計を適切に扱うことで、故障のリスクを減らし、維持費を抑えることができますので、しっかりと最後までご覧頂き、ご参考にしてください。
リューズ・プッシュボタンの取り扱い
まずはリューズの取り扱いについてです。リューズを使うケースとしては、”ゼンマイの巻き上げ“と”時刻調整“がメインとなります。自動巻きの時計であれば、基本的には着けてさえいれば、その名の通り自動でゼンマイが巻き上げられます。要するに、パワーリザーブ〇〇時間の〇〇以内に時計を着け続けていれば、リューズを触ることも少ないです。一方で手巻き式の時計は、必ずリューズの巻き上げが発生します。この巻き上げの際に《巻き止まり》と言って、「これ以上巻けませんよ!」という合図(巻けないように一定の負荷がかかる)があるのですが、人間がある程度の力を加えてしまうと、ゼンマイに強い負荷がかかり、場合によっては”ぶちっ!”と切れてしまうことがございます。そのため、巻止まりになったらすぐに巻上げをやめることが大切です。また、分からない方は必ず購入店のスタッフに聞くようにしましょう。
続いてはプッシュボタンの取り扱いです。プッシュボタンがある時計=クロノグラフ機能がある時計というのが大半なのですが(※もちろんデュアルタイムやミニッツリピーターなど例外もある)、その場合、クロノグラフの動作中にいきなりリセットボタンを押してしまうと、部品の劣化や故障に繋がります。また、ストップした後にリセットする場所は、針の戻り幅が大きくなる12時位置から遠い場所は避けましょう(※5時位置から7時位置は避ける)。最悪の場合、針が取れてしまう可能性もございます。
※詳しくは下記の動画をご視聴ください。
防水時計でも過信しない
続いては、防水時計でも過信しないことです。何百、何千メートルと防水性能を備えた高級腕時計であれば、「お風呂やシャワーにも着けたまま入りたい」という方もいらっしゃるかと思います。ですが、急激な温度変化があると悪影響を受けてしまう可能性があります。また、防水時計のほとんどが、ねじ込み式リューズを備えているのですが、これを締め忘れてしまうと、いくら防水性能が高い高級腕時計であっても内部へと水が侵入してしまい、故障のリスクがとても高まります。防水性能の備わった高級腕時計を買って、アクティブなシーンで着用したい!という方は、必ず着用前の確認を行うようにしましょう。
スマートフォンやパソコンに近づけすぎない
続いては、スマートフォンやパソコンに近づけすぎないことです。時計は強い磁気を発する製品に近づけてしまうと、磁気帯びという状態になってしまいます。これは、ムーブメントに磁気が移ってしまい、部品が正常に動作しないことで精度が乱れる状態のことです。近年では、耐磁性に優れた時計も多数ございますが、それでも磁気が時計に悪影響を及ぼすことには変わりありません。インターネットが発達した現代において、スマートフォンやパソコンを避けることは難しいですが、高級腕時計に関してはなるべく近づけすぎないように注意しましょう。
※詳しくは下記の動画をご視聴ください。
カレンダー機能の操作時間に気をつける
最後は、カレンダー機能の操作時間に気をつけることです。カレンダー機能が備わった機械式時計には、操作禁止時間帯と呼ばれる、日付変更をしてはいけない時間帯があります。その時間帯は《夜20時~翌朝4時》までの間。機械式腕時計は、日付が変わる夜20時以降から徐々に歯車が日付を変えるように動いているため、無理に日付変更をすると歯車が欠けてしまう危険があります。そのため、この時間帯にカレンダーを変更したい場合は、一旦時刻をお昼の12時に合わせてから変更するようにしましょう。
※詳しくは下記の動画をご視聴ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
高級腕時計は一生物と言われますが、維持費はもちろん、適切なメンテナンスが必要であることがお分かりいただけたかと思います。
せっかく高額な金額を払い、溢れる熱い想いとともに購入する高級腕時計。長く大切に使っていくためにも、今回の内容をしっかりと理解しておくようにしましょう。
今回もこの記事を見ていただいたことで、高級腕時計に興味を持ってくだされば幸いです。
ではまた!