みなさま、こんばんは!

前回ご紹介した『GMTマスター』を深掘りしてみたPart1はご覧頂けましたでしょうか。

まだご覧になっていない方は、下記をご視聴いただけると、今回の内容がより分かりやすく理解できると思われますので、ご覧になって下さい。

⇩⇩テストに出る【ロレックス】『GMTマスター』歴史と系譜⇩⇩

さて、今回も当店で『GMTマスター』を語ると言えばこの男!『ねもち』こと鑑定士【根本 翼】が『GMTマスターⅡ』についてご紹介していきますので、ぜひ楽しんでご覧ください。

⇩⇩『ねもち』の『GMTマスター』愛が知りたい方は⇩⇩

『GMTマスターⅡ』とは

1955年に誕生した『GMTマスター』は、色鮮やかなベゼルと、第2時間帯の把握が可能なモデルとして、当時人気を博しました。

その約30年後、新たに短針を単独で動かすことが出来る新ムーブメント「Cal.3085」が登場し、24時間ベゼルと併用することで、第3時間帯まで把握可能となったモデルが、今回ご紹介する『GMTマスターⅡ』です。

今年の新作でも話題となった現行品に至るまで、様々なカラーリングのベゼルデザインを発表し、【ロレックス】のスポーツモデルのなかでもトップクラスの人気を誇ります。

『GMTマスターⅡ』の系譜

「Ref.16760」製造期間1982年〜1988年

1982年に誕生した初代『GMTマスターⅡ』「Ref.16760」。

機能面で劣る『GMTマスター』との併売が2000年まで続いたため、黒ベゼルと赤青(ペプシ)ベゼルは『GMTマスター』、『GMTマスターⅡ』は赤黒(コーク)ベゼルのみの展開で差別化が図られていました

製造期間は短く、後に誕生する『GMTマスターⅡ』第2世代「Ref.16710」と比べ、デザイン面はほとんど変更点が無いのですが、「Ref.16760」は厚みのあるケースが備えられていることから「ファットレディ」「ソフィア・ローレン」といった愛称で人気を博しています。

「Ref.16710」製造期間1988年〜2007年

1988年から登場した第2世代の『GMTマスターⅡ』「Ref.16710」。

「Cal.3085」から「Cal.3185」に変更された「Ref.16710」は非常に完成度が高く、20年近く続いたロングセラーモデル。その長きに渡る生産期間の中では、様々なマイナーチェンジが行なわれました。

【※主なマイナーチェンジの内容】
①夜光塗料がトリチウム夜光からルミノバ夜光に
②シングルバックルからダブルバックルへ
③フラッシュフィットが一体型に
④ケースの横穴が無くなる
➄2007年製造個体にのみ「Cal.3186」が搭載される

先述の通り、2000年頃まではベゼルのカラーリングは赤黒(コーク)のみの展開でしたが、「Ref.16700」の生産終了以降、黒ベゼル・赤青(ペプシ)ベゼルも加わることとなります。

※赤青(ペプシ)ベゼル「Ref.16710」

※黒ベゼル「Ref.16710」

「Ref.16710」のトリチウム個体は赤黒(コーク)ベゼルのみ。もしトリチウム個体で赤青(ペプシ)ベゼルや黒ベゼルがあった場合は、交換ベゼルと見て間違いないでしょう。

また、D番、Z番、M番に存在する”スティックダイヤル“と、「Cal.3186」が搭載されている個体はレア仕様とされ、なかでも”スティックダイヤル“で”最終M番“の個体となると、その市場価値は非常に高いモノとされています。

※GMT-MASTER II の “II” が離れて “l l”になっている「スティックダイヤル」

2007年以降の製造モデルには文字盤外周にルーレット刻印が入るモデルが多くありますが、「Ref.16710」は最後までルーレット刻印は採用されませんでした。

ちなみに、コンビモデル「Ref.16713」や金無垢モデル「Ref.16718」も展開されます。

※コンビモデルとしてラインアップされた「Ref.16713」

※無垢モデルとしてラインアップされた「Ref.16718」

「Ref.116710LN」製造期間2007年〜2019年
「Ref.116710BLNR」製造期間2013年〜2019年

※「Ref.116710LN」

「Ref.16710」と比べてインデックスやケースが大型化されたことにより、視認性・堅牢性が向上した『GMTマスターⅡ』第3世代「Ref.116710LN」、「Ref.116710BLNR」。

ベゼルがアルミベゼルからセラクロムベゼルへと変更され、直接彫り込まれた数字と硬度の高いセラクロムは、傷が付きにくく、長年使い込んでも綺麗な状態が保たれます。

※「Ref.116710LN」のV番にはレア仕様の”スティックダイヤル”個体も存在

2007年に誕生した「Ref.116710LN」は、文字盤ロゴと24時間針に【ロレックス】のコーポレートカラーでもあるグリーンを採用し、今までに無いデザインとして当時とても話題になりました。また、レアポイントでもある”スティックダイヤル”がV番(2009年製)の個体にのみ存在しています。

※「Ref.116710BLNR」

2013年。新たなラインアップとして加わったのが「Ref.116710BLNR」。ベゼルのカラーリングは人気の最重要要素と言っても過言ではない『GMTマスター』にとって、新色となる青黒(バッドマン)ベゼルが加わった事は、最大の注目を集めることとなります。

※「Ref.116718LN」

ここで少し小ネタを挟みますが、実は、第3世代の『GMTマスターⅡ』として最初に展開されたのは、金無垢モデル「Ref.116718LN」だったのです。

『GMTマスター』誕生50周年記念で発表され、文字盤には【ロレックス】のコーポレートカラーでもあるグリーンダイヤルとセラクロムベゼルが採用されました。

※コンビモデルとしてラインアップされた「Ref.116713LN」

同時にコンビモデル「Ref.116713LN」、18KWG(ホワイトゴールド)無垢モデル「Ref.116719BLRO」もラインアップに加わります。

※18KWG(ホワイトゴールド)無垢モデルとしてラインアップされた「Ref.116719BLRO」

「Ref.126710BLRO」製造期間2018年~
「Ref.126710BLNR」製造期間2019年~

バーゼルワールド2018年にて、ファン待望の赤青ベゼル(ペプシ)を搭載して登場した「Ref.126710BLRO」。

発表当時はジュビリーブレスでの展開だったため、従来の『GMTマスターⅡ』とは異なるラグジュアリーな雰囲気を併せ持ち、一気に人気が高まりました。

※「Ref.126719BLRO」ブルー文字盤

また、「Ref.126719BLRO」がブルー文字盤とメテオライト文字盤でも登場します。

※「Ref.126711CHNR」

更には、18KERG(エバーローズゴールド)とのコンビモデル「Ref.126711CHNR」、無垢モデル「Ref.126715CHNR」も同時に発表されました。

※「Ref.126715CHNR」

18KERG(エバーローズゴールド)×ブラック/ブラウンベゼルの組み合わせは、落ち着きのある大人な色合いで、発売当時はもちろん、今なお高い人気を誇っております。

新作モデル「Ref.126720VTNR」製造年2022年~

そして、2022年新作で発表されたイマ話題の『GMTマスターⅡ』「Ref.126720VTNR」。

『Watches and Wonders Geneva 2022』にて、【ロレックス】のコーポーレートカラーでもあるグリーンを採用し登場したこちらは、今までに無い新鮮なカラーリングで、瞬く間に注目を集めました。更には、リューズとカレンダーが逆側に配置され、昨今【ロレックス】ではほとんど展開が無かった”レフトハンドモデル”仕様。まだ国内においては出回りが確認されておりませんが、間違いなく今後人気となるであろうモデルですね。

まとめ

今回は『GMTマスターⅡ』について深堀りしてみました。

時代背景や、そのモデルがどんな歴史を辿ってきたかを知れば知るほど、よりこのモデルが好きになったのではないでしょうか。

ちなみに執筆している私は、更に『GMTマスター』愛が深まりました(笑)

当店では『GMTマスター』『GMTマスターⅡ』の取り扱いを強化しておりますので、ご購入・ご売却を検討されている方は、是非ともお問い合わせいただければと思います。

今回もこの記事を見ていただいたことで、”『GMTマスターⅡ』に興味を持った!”という方が一人でも多く増えて下されば幸いでございます。

ではまた!

コミットtv 八木コラム