時計好きの間で毎年尽きないネタの一つ

生産終了(ディスコン)モデル

近年その時期が訪れると、噂されるモデルは中古市場から姿を消していき、生産終了が決まると同時に価格が高騰していく。

新しいモデルが発表されるというワクワク感と同時に、価格の上昇を期待した動きが起こるこの現象は、高級時計が実物資産として認められている証拠とも言えるでしょう。

そこで今回は、今年廃盤が噂され市場から玉数が減ってきているモデル『エアキング』にスポットライトを当て、改めて歴史や特徴をお話ししていこうと思います。

『エアキング』とは?

『エアキング』の歴史は長く、誕生したのは1940年代。【ロレックス】は当時『オイスターパーペチュアル』にペットネームを付けたモデルを数多く発表しておりました。そのほとんどが生産終了となっていく中、『エアキング』は当時から非常に人気が高く、現存する最古のペットネームモデルとして親しまれています。

ちなみに【ロレックス】を代表する『デイトナ』、『サブマリーナー』、『エクスプローラー』よりも早く、文字盤にその名が刻まれた歴史あるモデル、と言えば『エアキング』の凄さがより感じられるのではないでしょうか。

代表的な系譜

①「Ref.5500」

1940年代。初代『エアキング』「Ref.4925」・「Ref.4365」などが誕生し、その約10年後に登場した「Ref.6552」を経て、1950年代後半からロングセラーモデルとなる「Ref.5500」がその姿を現します。

※「Ref.5500」

その期間は約40年間と、超ロングセラーモデルとなった「Ref.5500」は、『オイスターパーペチュアル』シリーズのひとつとして展開されていました。生産期間中に多くのマイナーチェンジを繰り返してきましたが、文字盤上の「Air-King」表記視認性が良い3針デザイン小ぶりなケースサイズ33mmと、基本的なデザインは一貫して変わらず、長年愛さるモデルとなります。

※「Ref.5700」

また「Ref.5502」・「Ref.5504」・「Ref.5506」を筆頭に、カレンダー付『Air-King-Date』「Ref.5700」『EXPLORER』表記の「Ref.5500」など、レアモデルも存在しています。様々なバリエーションを持つ『エアキング』の奥深さを感じますね。

※「Ref.5500」

②「Ref.14000」

※「Ref.14000」

1990年頃、「Ref.5500」から大幅なモデルチェンジを果たし「Ref.14000」が誕生します。

基本的なデザインやスペックを継承しつつ、ケースサイズを38mmに、風防をサファイアクリスタルに変更し、実用性の向上が図られました。

大きく刷新されたのは、ムーブメントが「Cal.1520」から「Cal.3000」となったこと。「Cal.3000」は、『エクスプローラー』「Ref.14270」や『サブマリーナー』「Ref.14060」にも搭載されているノンクロノメータームーブメントで、毎時19,800振動から28,800振動へとハイビート化し、精度が大幅に向上しました。そのため「Ref.14000」のダイヤルには「正確」を意味する「PRECISION」の文字がプリントされております。

③「Ref.14000M」

※「Ref.14000M」

2001年「Ref.14000」からモデルチェンジを果たした「Ref.14000M」

「Ref.14000」と比べて見た目の大きな変更点はなく、一見どこが変わったのか分かりにくいのですが、ケースの横穴が無くなり、風防6時側に偽造防止の王冠透かしが入りました。

そして、前回同様に大きく変更されたのがムーブメント。「Cal.3000」から「Cal.3130」へ変更となり、更に精度とメンテナンス性が向上されました。こちらも『エクスプローラーⅠ』「Ref.114270」や『サブマリーナー』「Ref.14060M」・「Ref.114060」に搭載されております。

④「Ref.114200」

※「Ref.114200」

2007年、『エアキング』も6桁リファレンスとなりますが、その見た目が大きく刷新され登場したのが、こちらの「Ref.114200」

ケース、ベゼル、ブレスレットがフラットな仕上げから、ふっくらとしたボリューム感のある仕様となりました。

ダイヤルバリエーションも増え、シンプルな文字盤からコンセントリック文字盤まで、従来の『エアキング』にはなかった斬新なデザインが追加されました。

※コンセントリック文字盤

しかし、およそ7年後の2014年に行われたマイナーチェンジにて、文字盤から『Air-King』のロゴが消え、実質『エアキング』の生産終了を迎えます。以降、「Ref.114200」は『オイスターパーペチュアル』の34mmモデルとしてラインアップされることとなります。

➄「Ref.116900」

※「Ref.116900」

その後、2年の時を経て2016年に復活したのが現行モデルの「Ref.116900」

こちらは、なんとプロフェッショナルモデルとしてラインアップされ、『オイスターパーペチュアル』の派生ラインであった『エアキング』が、遂に独立したモデルに認定されたのです。

今までのデザインとは打って変わって、ケース経は40mmにサイズアップ。文字盤内の『Air-King』ロゴは1950年代当初の書体を彷彿とさせ、イエローの王冠マークと【ROLEX】ロゴ、秒針がコーポレートカラーであるグリーンに変更となりました。また、ムーブメントは『ミルガウス』に採用されている「Cal.3131」が搭載。耐磁性に特化した実用性の高いモデルに進化を遂げ、当時話題となっていたことは、【ロレックス】ファンには有名な話です。

廃盤の噂

結論から申しますと、『エアキング』廃盤の噂の要因はひとつ。キャリバー変更です。

近年では、『サブマリーナー』『GMTマスター』『エクスプローラー』などの新作モデルが次々と発表されていますが、その全てがキャリバー変更を果たしています。

※「Cal.3131」

『エアキング』は『ミルガウス』と同じ「Cal.3131」が採用されており、このタイミングで同時に変更がされ、新たなモデルとして登場するのではないか!?と言われているのです。

⇩⇩コミットTVで配信した『ミルガウス』廃盤の噂をまだ観られていない方はこの機会にぜひご覧ください⇩⇩

また、一部では2014年のマイナーチェンジにて、一度完全に『エアキング』というモデルが生産終了した背景があるため、もしかしたら後継機はない、、、なんて予想も出ています。

どちらにしても、4月の新作発表が待ち遠しいですね。

まとめ

廃盤が噂される『エアキング』について深堀りしてみましたが、いかがでしたでしょうか。

『エアキング』は【ロレックス】の中でも最古のペットネームを持ち、その歴史は深く、知れば知るほど興味が湧いてくるモデルではないでしょうか。

コミット銀座では『エアキング』の多くのモデルを取り扱っておりますので、これを機に「『エアキング』が欲しい!」と思った方は、是非お問い合わせ下さい!

今回もこの記事を見ていただいたことで、”『エアキング』に興味を持った!”という方が一人でも多くいらっしゃれば幸いです。

ではまた!

コミットtv 八木コラム