みなさま、こんばんは!
今週は《今さら聞けないシリーズ》をお届けしていきたいと思います。この企画では、高級腕時計にあまり詳しくない方、これから勉強していきたい方へ向けて「今さら聞けないよ!」といった、基本的な事をわかりやすくお伝えしていきます。
第30回目となる今回は
【高級腕時計入門編】:
『新品』『未使用品』の違い
セカンドマーケットでよく聞く『新品』『未使用品』というワード。
お店によって表示の仕方や定義が異なっており、実際にはどう違うのか明確に理解できている方は少ないのではないでしょうか。しかし、勘違いをしていると、購入時のみならず、買取時においても価格が変わってくるため、しっかりと理解しておく必要があります。
そこで今回は、『新品』『未使用品』の違いについて、当店での定義を基にご説明させていただきたいと思います。今後、セカンドマーケットで時計の購入・売却をお考えの方は必見となりますので、ぜひ最後までご覧ください。
『新品』『未使用品』の定義
『新品』『未使用品』の定義
新品 | メーカー出荷時と同じ状態(保護シール付き、コマ未調整)であり、一度も腕に通していない時計 |
未使用品 | 購入後に一度も使用していない時計 |
『新品』『未使用品』の状態にどんな違いがある?
では実際に、『新品』『未使用品』それぞれの具体的な状態をお伝えしていきます。
『新品』
『新品』は、上述の通りメーカー出荷時の保護シールが全て付いており、コマも未調整で一度も着用していない状態を指します。
国内正規店で購入した場合、基本的に保護シールは全て剝がされてしまい、腕周りに合わせてコマ調整も行いますので、『未使用品』の扱いとなることがほとんどです。一方、並行店で購入した場合は各ブランドの国内正規店を通さずに仕入れるため、シールが剥がされておらず、コマ調整も入っていないことがございます。この場合にはじめて『新品』扱いとなるのです。
そして、当たり前ではありますが、付属品が”完品”であることも求められます。保証書や箱以外にも、冊子やタグ、その他付属品が一つでも欠けている場合は『新品』にはなりませんので注意が必要です。
『未使用品』
『未使用品』は、店頭で購入する際に試着したのみで、その後は一度も使用せず、シールが剝がされている状態(コマ調整の有無はどちらでも構いません)を指します。
国内正規店で購入する際は試着することがほとんどなので、そこは問題無く、”購入後に使用していない”ということが条件となります。この時に注意いただきたい点が、腕に通して使用していなかったとしても、『未使用品』として取り扱えないことがあるということ。例えば、箱からの出し入れを行うだけで、時計にスレやキズが付いてしまうなんてことは多々ございます。査定を行なった際に、そのようなスレやキズが多く見られた場合は、『未使用品』として扱えず、『中古品』として評価されてしまいますので、購入時、保管時ともに注意が必要です。
『新品』に限らず、『未使用品』として取り扱うのも一定の条件が存在しており、それに満たない場合は『中古品』となってしまいますので、取り扱いには十分に注意しましょう。
『新品』『未使用品』の買取金額の違い
以前は『新品』と『未使用品』で、その差は大きくついていましたが、最近ではそもそも『新品』の個体が少ないこともあり、そこまで大きな差がない状況となっています。モデルにもよりますが、その差は5~10万円程となっており、当店においても、『新品』のお問い合わせや、実際に買い取りする機会が非常に少ないため、買取表の価格表示に関しては『未使用品』と『中古品』のみの表示にしています。
『新品』『未使用品』はどちらを買うべき?
使用することを前提とした時には、『未使用品』の購入で全く問題ございません。着用した時点で全てが『中古品』に変わりますので、少しでも価格が抑えられている『未使用品』をオススメいたします。一方で、使用はせずに長期的に保管しておき、『デッドストック』として価値を見出したいとお考えの場合は、『新品』を買っておくべきでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ここ最近は『新品』個体が非常に少なくなっており、皆さまがお持ちの時計はほとんどが『未使用品』になります。これはメーカー側の転売防止対策が関わっており、出荷時と同じ状態の時計は今後どんどんと減っていくでしょう。
また、お店によって『新品』『未使用品』の定義が異なる場合もございますので、購入時に不安な場合は、事前に確認することをオススメいたします。今回はあくまで当店の定義になりますので、その点はご理解いただけますよう、よろしくお願いいたします。
今回も本コラムを見て下さったことで、一人でも多くの方が高級腕時計に興味を持ってくだされば幸いです!
ではまた!