今回は入門編シリーズとして、私が高級時計業界に入って驚いたこと5選ご紹介したいと思います。
前回ご紹介した~時計業界のよくわからないワードや略語を解説~に続き、最近時計に興味を持ち始めた方に共感いただけたり、時計を熟知している方にも、当時のことを思い出して懐かしんでいただけると幸いです。
高級時計業界に入って驚いたことを5選
①機械式時計とクォーツ時計
腕時計に興味を持ち始めた方にとって、この2つの単語すら初めて!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私も時計の学び始めは、この「機械式」と「クォーツ式」でした。
まず後者の「クォーツ式」ですが、一般的にクォーツ式時計(電池式時計)と呼ばれ、その名の通り「電池」を原動力として動く時計のことです。分かり易い例としては、CASIOのG-SHOCKなどは皆さまも馴染み深いのではないでしょうか。
特徴としては、やはり電池を動力とするため、精度が高いことが挙げられます。
※カシオ:G-SHOCK GW-M5610-1BJF クォーツ
それに対し「機械式」とは、機械式時計と呼ばれ、巻き上げられた「ゼンマイ」がほどける力を原動力として動く時計を指します。
さらに、機械式時計には人の腕の動きを利用してゼンマイが巻き上がる「自動巻き」と、
人が手動でリューズを巻くことでゼンマイが巻き上がる「手巻き」の2種類があります。
高級時計の機械式は、メンテナンスさえ怠らなければ、一生使い続けられるものも少なくはありません。
※ロレックス:デイトナ Ref.116500LN 自動巻き
※ロレックス:デイトナ Ref.6263 手巻き
昔、私自身がクォーツ時計を着用していたころ、時計の電池が切れると家電量販店などに出向くことに煩わしさを感じていましたが、機械式時計の存在を知り、その仕組みや製造過程に感銘を受けたのをよく覚えています。
②高級腕時計はロレックスだけではない
この業界に入る前は、高級時計と聞けば真っ先にロレックスを思い浮かべていました。周りにも、身だしなみに気を遣っていた先輩や上司にはロレックスを着用していた方が多かった印象です。
そのため、私も漠然と「いつかはロレックスを買うぞ!」と考えていました。
しかし、いざこの業界に入ると、世界三大時計である「パテックフィリップ」や「オーデマピゲ」「ヴァシュロンコンスタンタン」をはじめ、高級腕時計を手掛けるブランドは数多く、ブランド毎の特色も非常に興味深いモノでした。
正直最初はブランド名を覚えることにすら必死でした(笑)
しかしながら、ブランドの歴史や信念、代表モデルなどを調べれば調べるほど奥が深く、実物を手に取ったときは、その美しさに毎回心躍らせてたのも今ではとても懐かしい良い思い出です。
③セカンドマーケットでのプレミア価格
続いて「衝撃を受けた!」というのが正しい表現なのですが、セカンドマーケットにおけるプレミア価格についてお話ししていきます。
セカンドマーケットでは、需要に対して供給が追い付かない”人気モデル”に関しては、定価よりも高い金額で取引がされています。その筆頭がロレックスの「スポーツモデル」です。
プレミア価格が良く分かる、ロレックス デイトナ 116500LNを例に挙げてみます。
国内参考定価:¥1,387,100-
この定価が、セカンドマーケットでは
↓↓↓↓
買取参考価格(未使用)
【白文字盤:¥3,550,000- 黒文字盤:¥3,100,000-】
、、、???、、、どうゆうこと????
正直はじめは本当に意味がわかりませんでした(笑)私が今までの人生で、どのお店を周っても手に入らなかったのは「たま○っち」や「ハイパーヨ〇ヨー」くらいです(笑)
しかし、今やロレックスのスポーツモデルや「ラグスポ」と呼ばれる世界三大時計のモデルたちは、正規店でなかなか手に入れることはできず、二次流通市場で定価より高い金額で活発に取引されているのです。これには純粋に驚いたのを覚えています。
④時計は「モデル名」ではなく「リファレンス」
Ref.14270、Ref.114270、Ref.214270、、、
この数字の羅列は、、、?
実はこれ、ロレックスの「エクスプローラーⅠ」というモデルの型番なんです。何を隠そう、これを覚えるのが本当に大変で、最初は呪文にしか聞こえませんでした(笑)
鑑定士たちは当たり前のようにこの呪文を使って会話をするんです。(笑) これがまた格好良いんですよね。
当然のごとく新作が発表されるわけで、今でも必死に勉強していますが、これはこの業界にいる宿命だと思います。(笑)
もちろん、ロレックスに限らず、高級時計の多くはモデルの型番である「リファレンス」というものが存在します。
全ブランド、、、
あとはご想像にお任せいたします。(笑)
⑤時計の「年式・製造年」は「アルファベット」
鑑定士:「Ref.14270が製造されたのはいつからいつでしょうか?」
私 :「1990年~2000年です!」
鑑定士:「E番~P番です」
私 :「???」
リファレンス(Ref.)を覚えて、そろそろ自信が付いてきたころ、今度は年式を「アルファベット」で呼び合っていることに気づきました、、、(内心、また呪文かよ、、、笑)
知っている方も多いかと思いますが、時計にはモデル名(リファレンス)と別に、「シリアル」と呼ばれる個体を識別する番号が存在します。
ロレックスの場合、1987年から2010年に製造された時計には「アルファベット1文字+数字6桁」の番号が振られており、この先頭にくるアルファベットで製造年を呼び合っています。時計にとって製造年はとても重要で、その年によって時計の特徴が変わり、それが価値に影響してくるのです。
もちろん、時計のリファレンス(Ref.)やシリアルが通じるのは、その業界内だけですので、みなさんが時計を探される際は、「W番の16520をください」ではなく「1994年ごろのデイトナをください」などとお申し付けください。(笑)
まとめ
今回の高級時計業界に入って驚いたこと5選はいかがでしたか。
すでに時計に詳しい方は、誰もが一度は通った道であり、なんだか懐かしい気持ちになっていただけたのではないかと思います。
そして、これから高級時計について勉強しようと思っていただいている方は、今後必ず最初に通る道でもあります。
、、、「なんだか大変そう。」
そんな感想が多そうですが、一番伝えたいのはこの奥深さがたまらなく楽しいって事です。
『純粋に格好いい』『モノ作りのこだわりがすごい』『資産性もある』
高級時計に興味を持たない理由なんてないかと思います。(笑)
是非とも多くの方に高級時計の素晴らしさを知ってもらい【時計ライフ】を楽しんでいただければと思います。周りの方にも伝えてくださいね~。(笑)
ではまた!!